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林 巧 院長の独自取材記事

はやしたくみ女性クリニック

(札幌市中央区/円山公園駅)

最終更新日:2023/11/22

林巧院長 はやしたくみ女性クリニック main

円山公園駅前のビルにある「はやしたくみ女性クリニック」。「院名はいろんな病院で診てきた患者さんたちに“僕がここにいます”とわかるようにフルネームをつけました。生意気ですよね」と笑う林巧院長。はつらつとしてバイタリティーにあふれ、何でもざっくばらんに話す様子が印象的だ。産婦人科、がん検診、更年期の悩み、生活習慣病と診療は多岐にわたるが、得意とするのはカウンセリングだと語る。患者の悩みをじっくり聞き、心身とも解決をめざす。患者にアドバイスするだけでなく、自らも体にいい食や運動を実践するという林院長。フルマラソンも患者の言葉がきっかけで始め、今や毎年数々のレースに出場するほどだ。そんな林院長に、クリニックの診療や、自らの診療の基盤となった赤平の病院での経験、患者との向き合い方について話を聞いた。

(取材日2022年6月2日)

地方での経験が現在のクリニックの基盤

すてきな院内ですね。「女性に居心地良い場所」を意識されてのことですか?

林巧院長 はやしたくみ女性クリニック1

病院らしくなく、ホテルのラウンジのようだと安心できるのではと考え、僕と妻がイメージして図面にし、知り合いの職人さんにつくってもらいました。椅子は、波打っているようなやわらかいウエーブをつけたいと僕がアイデアを出したんです。壁も、シックハウス症候群にならないよう配慮して、自然素材の珪藻土を使っています。

開業しようと思ったきっかけを教えてください。

大学病院やほかの大きな病院で勤務していたのですが、患者さんの診療時間に制限があったんです。以前、赤平という小さな市の病院に勤めた時に行っていたような患者さんの話をじっくりと聞く僕の診療スタイルは、受け入れてもらえなかったんです。患者さん一人ひとりに向き合い、納得がいく診療がしたいと思い、それで開業しかないと決意しました。

赤平では、具体的にどのような診療をなさっていたんですか?

林巧院長 はやしたくみ女性クリニック2

市立赤平総合病院(現・あかびら市立病院)に移ったのは、医師として揺らいでいる時期でした。当時いた職場は素晴らしい先生方に恵まれ、自分がそこまでたどり着ける気がしなくて自信をなくしていたんです。そんな時、当時の教授から赤平の病院に行くように言われました。そこの産婦人科は1人医師体制で24時間365日スタンバイし、お産も手術もすべて自分が方針を決めて自分で行わなくてはいけない。教授は自信なさげな僕を見て、責任のある環境で自信をつけさせようとしてくれたんだと思います。赤平は産科の患者さんは少なく更年期世代の方が多かったんですが、血圧やコレステロール値が高い方や骨粗しょう症の方、心が疲れている方などさまざまで、その方々のお話をじっくり聞いて、必要があれば内科の先生に紹介をしていました。1年半の勤務でしたが、今の僕のカウンセリングを重視する診療の基盤は赤平でできたと言えます。

専門にされている分野は何ですか?

斗南病院で勤務した経験があり、そこは不妊治療において先進的な病院でしたので、体外受精など高度な治療に取り組んでいました。後に市立赤平総合病院に移ってからは、更年期の患者さんを多く診ていました。そうやって深く携わった不妊治療も更年期の治療も、どちらも内分泌系のホルモンが関係していて、ホルモンを内科的にコントロールする治療は僕の中の根っこになっていると思います。

産婦人科は診断から手術、術後まで携わる

医師をめざされたきっかけを教えてください。

林巧院長 はやしたくみ女性クリニック3

僕の育った家や親戚には、医療関係者は1人もいないんです。ただ、小学校・中学校の友人に親が医師だという子は数人いました。その友人の家に遊びにいくと自分の家と違って、お父さんの書斎というのがあって、大きな机とずらっと本が並ぶ本棚がありすてきだなと思いました。小学校の5、6年の頃には、医師になりたいという夢を抱いていました。でも、クラスで将来の夢を書く際には、医師は自分にとってあまりに遠すぎて書けませんでした。その代わりに「人から信頼されて人に温かくすることができ、人に慕われる人」という、僕が持っている医師のイメージを書いたんです。実はそれは、今のうちのクリニックの理念になっているんです。あと、子どもの頃の記憶でもう一つ鮮明に覚えていることは、まだ小さかった頃、通っていた小児科の先生からあめ玉をもらったということ。それがうれしかったんでしょうね。そのことも関係しているかもしれません。

医師の中でも産婦人科を選ばれたのはなぜでしょうか。

大学で初めの頃は心臓に興味があって、病院実習では循環器内科を回っていました。内科的にいろんな理屈から体を考えたいとの思いからだったのですが、もしかしたら自分の中には外科的なこともやりたいのではと思う時があって。当時5年生だったのですが、ちょうどその頃、産婦人科の実習がありました。そこで、経験したのは、例えば検査をして卵巣にがんが見つかったら、切除手術し、術後の血圧・コレステロールなどの更年期的なコントロールまで、婦人科で全部診ることができるというものでした。心臓だったら、検査や診断は内科医が行い手術は心臓外科医が行いますが、産婦人科なら内科外科分け隔てなく、自分が診断した患者さんに手術が必要なら手術を行い、術後のケアもできる。そして、赤ちゃんを取り上げることもできる。実習が終わる頃には産婦人科に進みたいと思うようになっていました。

進路について、実家のお父さまにも相談されたとのことですが。

林巧院長 はやしたくみ女性クリニック4

それまで、医師になるからには父のことも当然診るのが役割だと思っていました。しかし産婦人科医になると、父に何かあった時、僕が自分で診られなくなると思ったんです。それで父にそのことをどう思うか尋ねると、父は「やりがいがあるなら当然いい」と答え、「もし自分が具合が悪くなったとしても、診断をして、その病気を専門的に治療する信頼できる医師を紹介するというのも医師の役割だ」と、それは僕が診られないということではないと言ってくれました。ありがたく感じました。父はそうやって僕の背中を押してくれたわけです。

生活習慣などを見直して予防に努める

新しく力を入れたいことなどありますか?

林巧院長 はやしたくみ女性クリニック5

これからやりたいこととしては、予防的なことですね。漢方などで使われる未病という言葉があるんですけれども、これは病気になった状態を治すよりも、食事や運動などの生活習慣を改善していきながら、病気になる一歩手前の不調を見つけ、そこで何らかの対策を講じて病気にならないようにするという考え方です。例えば、骨粗しょう症の患者さんが骨折し寝たきりになると、そこからの治療になり大変になります。でも骨折する前に何かしら介入できれば、寝たきりにならずに済むかもしれません。何か病気になる前兆があったら、予防接種も含めて、病気を止めようと努めることもできますね。そういった予防策を僕は患者さんとの話を通じてつくり上げていければなと思います。

お子さん連れの方も通院しやすいように配慮していらっしゃいますね。

このビルの6階に、保育園を設けています。当クリニックの女性スタッフに出産した後も仕事を続けてほしいという思いや、お子さんを連れて来られる患者さんたちが安心して検査やカウンセリングを受けられるようにしたいという思いを込めて、保育園を設置しました。

最後にメッセージをお願いします。

林巧院長 はやしたくみ女性クリニック6

婦人科に来られる患者さんには、母親、妻、キャリアウーマンと、それぞれの立場で頑張っている人が多いです。もう十分頑張っているんだけれども、「ねばならない」に縛られてそれ以上にやらなくちゃいけないと感じて疲れている人が多いんです。そんな皆さんに言うのが「まずは自分が頑張っていることに○をあげてください」ということです。それともう1つは、女性は365日、家事や育児、介護など休みなくお仕事をされているので、1週間に1日だけでも自分の休みの日をつくってほしいですね。休みの日には、朝起きた時から自分がやりたいことをタイムリーにやってみてください。お天気が良かったら、お掃除しなくちゃいけないではなくて、外を散歩するのでもいいですし。お化粧なんてしなくていいので、さっと服を着て家の周りを一周したり。自分が思ったことを自分のためにタイムリーにかなえる。ぜひそれをやってほしいと思います。

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