砂岡 直樹 院長の独自取材記事
ミント歯科・矯正歯科 大山
(板橋区/大山駅)
最終更新日:2025/05/02

板橋区随一の商店街として知られるハッピーロード大山商店街。その中心部にあるのが「ミント歯科・矯正歯科 大山」だ。2016年に開業以来、幅広い患者と疾患に対応してきた同院は、2024年9月に商店街内の別の場所に移転。増える患者に対応すべく、規模の拡大を図った。「ファミリーレストランのような歯科医院をめざしています」と、語るのは院長の砂岡直樹先生。歯科医療に熱い情熱と誇りを持つ砂岡院長は、スタッフにとっても憧れの存在だ。しかし、そんな砂岡院長にも転機となった出来事があったという。歯科医師として大切にしていることなど、詳しく話を聞いた。
(取材日2025年4月21日)
こだわりは院内に設置した託児室と技工室
2024年9月に行ったリニューアルの経緯について教えてください。

当院は2016年11月に、大山駅前から続くハッピーロード大山商店街の一角で開業しました。しかし、商店街の再開発の計画があり、いよいよというタイミングが来たため、この度移転リニューアルという運びとなりました。移転先も同じ商店街内なので、これまでの患者さんも変わらず来院くださっています。新クリニックの内装は、以前同様、グリーンと木目調を基調とし、明るくなるように考えました。診療チェアの間隔も広く取り、ゆとりのある空間になっています。何といっても天井が高いところが魅力です。開放感があるので、患者さんにもリラックスしていただけると思います。また、新クリニックでは託児室と技工室を院内に設置しました。現在はビルの1・2階で診療していますが、今後は3階でも稼働できるよう準備をしています。より患者さんが利用しやすくなるよう、これからも変化を続けていく予定です。
託児室と技工室が院内に設置されているのですね。
はい。託児室では、保育士がお子さんを預かりますので、親御さんは安心して治療に専念いただけると思います。特に女性の場合、妊娠性の歯肉炎など、妊娠中から口腔トラブルを発症することが少なくありません。当然、産後も口腔ケアが必要になりますが、赤ちゃんを連れての通院を諦めてしまうこともあるでしょう。そうした方の助けに少しでもなればと、託児室を設置しました。特に未就学のお子さんがいらっしゃる方にご活用いただければうれしいですね。また、院内技工室では、基本的に金属を使わない詰め物やかぶせ物に対応しています。院内に歯科技工士が勤務することで、色合わせのしやすさや、複雑な技工を要する際もスピーディーかつきれいに仕上げることをめざしやすいなどのメリットがあります。今後は歯科技工士の数を増やし、対応できる幅を広げる計画です。
どういった患者さんが多くいらっしゃいますか?

当院には、小児から高齢者まで各年代満遍なくいらっしゃいます。そのため、困り事もさまざまです。そもそも、当院は一般歯科をメインとしていますので、年代も疾患も幅広く診られなければなりません。例えるなら、ファミリーレストランのような歯科医院でしょうか。めざすところは、ファミレスの中でもハイグレードなところです。ファミレスはいつ、誰が来ても、一定のサービスを提供しています。メニューも豊富で、洋食も和食も中華もあって、なおかつおいしい。まさに、どの年代でも満足できるのがファミレスでしょう。当院も、そうしたファミレスのように、幅広い年代や疾患に一定レベル以上の質で対応できるようにと考えています。
苦い経験を経て、診断を重視する治療に
「ファミリーレストランのような歯科医院を」というお考えは、以前からあったのでしょうか。

いえ、以前はそうでもありませんでした。5年ほど前から、小児矯正やインプラント治療、診断に関する勉強会に積極的に参加するようになり、今のような考え方が形成されるようになったと思います。歯科治療というと、削って詰める、インプラントを入れる、矯正するなど、個別の治療を行っているように思いがちです。しかし、私は勉強するうちに、一口腔単位で治療を行うことの重要性を感じるようになりました。例えば、同じ治療でも、40代と70代の人では治療計画は異なります。ですので、患者さんの一生を考えたさまざまな治療ができるよう、幅広く対応できる必要があると思うようになりました。
勉強会に積極的に出られるようになったきっかけとは?
開業して、治療で困ることが多くなったことがきっかけです。開業前に勤務していたクリニックでは、非常に頼りにされていました。自分に自信もあり、何でもできると思っていたのです。しかし、以前のクリニックは若い患者さんが多く、実際は一部の治療しか経験できていませんでした。そのため、開業後に幅広い疾患に対応する中で、うまくいかないことが出てきたのです。そんなある時、大きな壁にぶつかる出来事がありました。その壁を乗り越えるために、必死で勉強しました。もちろん、院内の他の歯科医師にも相談した上で、最後まで自分でやりきろうと決めたのです。この経験が、私の人生のターニングポイントになったことは確かです。
院内で勉強会を積極的に行う理由も、そうしたご経験からですか?

そうですね。特に歯科医師に関しては、診断力の向上が勉強会の目的の一つになっています。一般的に、歯科医師は治療技術の向上に目を向けがちで、そうした勉強会へは積極的に参加する人も多いでしょう。しかし、診断が間違っていては意味がありません。私が初めて参加した勉強会で教わったのが、口腔内などの写真をくまなく撮り、資料をまとめるということでした。そうした積み重ねが、診断力を高めることになるのです。ですので、当院の歯科医師にも、資料を漏れなくまとめ、診断と治療計画をしっかり行うよう、院内の勉強会を通じて伝えています。
診断がない治療は目的地がわからない旅と同じ
しっかりとした診断があることの重要性を、改めて教えてください。

診断がないままの治療は、目的地が決まっていない旅のようなものです。目的地がどこかわからないまま、とりあえず大阪方面の新幹線に乗ったとします。新幹線に乗車中、目的地が仙台だとわかったらどうでしょう。一度新幹線を降りて、乗り換えなければなりません。方向が間違っていただけならまだしも、目的地が沖縄であったら、交通手段も変わってしまうのです。これが歯科治療で起きたとすると、余計な治療期間がかかったり、必要のない治療をしてしまったりする恐れもあります。ですから、最短距離で必要な治療を行うために、しっかりとした診断が必要なのです。
診断についての納得感は、患者さんが歯科医院を選ぶ際の重要なポイントにもなりそうですね。
はい。ぜひ診断に力を入れている歯科医院を選んでいただきたいと思います。当院では、歯科用CTや口腔内スキャナーといった先進の設備を用いて、診断に重要な検査を精密に行います。診断力がある歯科医師であれば、エックス線画像の読影段階で、患者さんの不調がわかることも珍しくありません。当院の場合、自由診療にはなりますが、検査結果の分析を詳細にまとめた資料の作成も可能です。矯正を例にすると、顔貌のシミュレーションも含めた、数ページに及ぶ資料作成を行います。こうした資料を作成することで、計画の段階で目標とするゴールが80%ほどわかるのです。ゴールがわかると、患者さんも安心できますよね。治療計画や診断に納得した上で歯科治療を受けたいと思われる方は、当院にお越しいただければと思います。
最後に、先生の今後の展望をお聞かせください。

そうですね、私としては歯科医師という仕事の重みや重要性を、もっと世間の皆さんにアピールしていきたいなと思っています。皆さんは、歯科医師というと、歯だけを診ているイメージではないでしょうか。実際は、歯科医師は歯だけでなく、患者さんの生活や全身の健康に関与しています。例えば、当院では小児矯正を行いますが、小児矯正は歯並びだけでなく、お子さんの呼吸や睡眠時無呼吸症候群にも関わっているのです。肥満でなくても睡眠時無呼吸症候群になる子は、気道や上顎が狭いという問題があります。こうした問題は、その子たちの将来の健康にも関わることです。そうしたリスクに口腔内の問題から関与していける歯科医師という仕事は、私はすごいと思うんです。そんな仕事に就けていることに誇りもあります。ですので、もっと世の中にこの魅力を伝えられたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/19万8000円~、小児矯正/55万円~、インプラント治療/25万8500円~、検査結果の分析/5万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。