石井 建 院長の独自取材記事
街の歯科いしい
(春日部市/春日部駅)
最終更新日:2024/09/10
「世間話で立ち寄る方が多いせいか、差し入れがやたらと多くて」と、うれしそうに話す「街の歯科いしい」の石井建院長。患者との会話を第一に、一人ひとりの生活に合わせた治療で、幅広い年代から信頼を得ている歯科医院だ。院内は、ガラス張りの明るく開放的な雰囲気に包まれ、誰もが快適に利用できるようにとバリアフリーを徹底。待合室には、カプセルトイやおもちゃを置き、子どもたちも楽しそうに来院するという。「歯で困っている患者さんに全身全霊で応えたい」と真っすぐな視線で語る石井院長に、治療の特色や診療に込めた思い、実体験を生かしたスポーツ用マウスピースづくり、趣味の武道やオートバイについて話を聞いた。
(取材日2016年9月8日)
一人ひとりに寄り添い、楽しく通える歯科医院をめざす
歯科医師をめざしたきっかけと、開業までの経緯を教えてください。
母は小児科の医師、父は医科大学の講師でした。その影響もあって、姉は薬剤師に、兄は外科医師になりました。そして、私も自然と手に職をつけたいと思うようになり、1990年に福島県から上京して東京歯科大学へと進みました。卒業後1年間は東京歯科大学千葉病院口腔外科学講座に入局して臨床研修を行い、その後の7年間は同大学大学院で研究をしながら臨床の勉強をしました。卒業後は埼玉県内のクリニックで勤務していましたが、だんだんと「一人ひとりにじっくりと寄り添う治療がしたい」と思うようになり、2013年に当院を開業しました。
バリアフリーを取り入れた、明るく開放的な雰囲気ですね。医院づくりでこだわった点はどこでしょうか?
まずは医院の名前ですね。石井歯科医院だと個性がないので医院のコンセプトが分かるような名前は何かな? と考え「街の歯科いしい」としました。建物を見たとき威圧感がなく入りやすい医院にしたかったので、プライバシーは保ちつつ前面をガラス張りにして、院内の人の動きが分かるようにしています。看板もオレンジ色の優しいデザインにしているので、お子さんも怖がらずに入ってきてくれますよ。
こちらではどんな治療が受けられますか? また、治療で心がけていることを教えてください。
一般歯科、小児歯科、口腔外科を診察しています。治療で心がけていることは、患者さんの希望に沿って、なるべく歯を抜かず1本でも多く残すことです。抜かなければいけない場合は、痛みを抑えた処置を心がけています。あとは、流れ作業のようにやるのではなく、患者さんが何を求めているかを会話から読み取るようにしていますね。削って詰めて終わりではなく、患者さんの今後の生活にプラスに働くようにしたいんです。なので僕もスタッフも、患者さんと、たくさんお話をします。話すことで患者さんの気持ちも楽になるし、趣味や家族関係、吹奏楽をしている、ペットを飼っている、などの背景が見えてくるかもしれない。そうすると治療の進め方もまた変わります。そんな話好きな歯科医院なので、ちょっと立ち寄って世間話をしていくおばあちゃんもいますし、差し入れもやたらと多いんですよ(笑)。
実体験から生まれたスポーツ用マウスピース
午後9時30分まで開いているそうですね。どのような患者さんがいらっしゃいますか?
近隣のお子さんから年配の方まで幅広いですね。午前中は年配の方、午後から夜にかけては親子連れや会社員が目立ちます。特に夜は仕事帰りの方が、かなり遠いところから「ここしか開いていなかった」といらっしゃいます。症状としては、虫歯になってからというケースが多いですね。ただ、昔よりは予防に対する認識が増えてきたのか、検診や掃除で定期的に来院される方も増えてきました。なるべく抜かずに歯を残すようにしたいので、予防の重要性を説明して「起きてから治すよりも起きないようにしていくほうが、肉体的にも精神的にもお財布的にも楽ですよ」とお伝えしています。特に歯周病はケアが大事です。外科処置だけでなく、化膿止めのお薬などを使う歯周内科と呼ばれる処置もすることで歯周病の予防も行っています。
待合室にはカプセルトイやおもちゃが置いてあります。子どもの治療で心がけていることは何でしょうか?
お子さんが抵抗なく入ってきて、楽しく遊んで、怖がらずに治療が受けられるようにしたかったんです。なのでいろいろ工夫をしています。まずお子さんが来たときは待合室にマットを敷いて、おもちゃを置いて、思いきり遊んでもらいます。そして、遊びの一環のような感じで、口の中を見せてもらって、慣れて来たら診療台に上がってもらう。治療が終わったら「よく頑張ったね」とプレゼントを手渡します。そんな工夫の甲斐あってか、歯科医院が大嫌いだった子どもたちが楽しそうに通ってくれるようになりました。子どもの頃に歯科医院で怖い経験をすると成人後も避けるようになるので、子どものうちから「歯科医院は怖くない」と認識することが大事なんです。
先生が得意とする口腔外科では、どのような症状が多いですか?
親知らずの抜歯ですね。ただ、患者さんにとって精神的にも肉体的にも負担のかかることなので、なるべく抜かないようにしています。しかし、横になって手前の歯にひっかかっている場合は、体に悪影響を与える恐れがあって、特に半分埋まっていると、もぐり込んだ汚れを十分に洗えないので、体調が悪いときに腫れて痛みが出ます。その場合は、患者さんとよく相談をして、負担がかからないよう痛みを抑えた方法で抜歯しています。抜歯は、これまで研鑽を積んできたのでお役に立てていると思います。
スポーツ用のマウスピースにも力を入れているそうですね。
僕自身が趣味で、武術やオートバイをやっているので、そのつながりでいろいろな方に作っていますね。ボクサーやレーサー、サッカーやラグビーの選手、空手家とさまざまです。自分に合ったマウスピースで歯を食いしばると、力も出やすいですし、ケガも防止できます。例えばキックボクシングなら、体型はもちろん、足を使って決めるタイプか、パンチで決めるタイプかで、マウスピースの方向性が変わります。なので、初めに「どういうタイプのボクサーですか?」と聞き、形や厚み、呼吸のしやすさなど、重要視する点を決めて製作に入ります。デザインもモチベーションの上がる色を選んでもらったり、空手家なら「一撃必殺」と中に刻んだり。毎回、その人の個性に合わせたものを考えています。僕自身がスポーツでマウスピースを使っているので、実体験として分かるというのはありますね。
治療も予防も相談も、患者の希望に全身全霊で応える
趣味の八極拳とオートバイについて教えてください。
八極拳は中国武術の流派の一つです。風格的には、日本の古武道に近いかもしれません。質実剛健で力強い感じが好きで、10年以上続けています。大学時代は剣道をやっていたのですが、別のことがやりたくなって、ボクシングやテコンドー、少林寺拳法などいろいろ体験していたときに、今の八極拳の先生と知り合ったんです。肉体的にはすごくつらいのですが、一撃で相手を倒す戦い方を見て「これだ!」と思った(笑)。オートバイは街乗りもしますが、サーキットによく行きます。そこでレーサーと知り合い、レーサー用のマウスピースを作るようになりました。
クチコミで来院される方が多いそうですね。心に残る患者さんとのエピソードはありますか?
おかげさまで、当院の患者さんは「知り合いの紹介で来ました」という方がほとんどで、非常にありがたいことです。心に残っていることは、前の勤め先で診ていた患者さんが、僕を探して遠くからわざわざ来てくれた日のことです。「どこかで開業しているんじゃないかって街中を歩きながら探したのよ」って言ってくれたんです。あのときは本当にうれしかったですね。歯医者冥利に尽きると思いました。その方は今もずっと通ってくれています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
今後も研鑽と勉強を続けて取り入れるべき技術や設備を取り入れ、患者さん一人ひとりにとって最良の治療を提供したいと思います。「楽しく通える、怖くない歯科医院」をめざし、僕たちができることを日々考え、患者さんと一緒に成長していきたいですね。患者さんには治療で気になることやご自身のこと、どんなことでも遠慮なくお話をしていただきたいです。僕はここで歯科医師としてのキャリアを終わらせる覚悟でいます。相談だけでも構いません。お困りのことがあれば全身全霊で力になりますので、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスピース/1万2000円(税抜き)~