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栗林 幸平 院長の独自取材記事

くりばやし眼科

(川越市/川越駅)

最終更新日:2021/10/12

栗林幸平院長 くりばやし眼科 main

JR・東武東上線川越駅から徒歩5分の「くりばやし眼科」。2014年に開院した同院はブラウンとベージュを基調にした落ち着いた雰囲気で、近視の子どもや白内障、緑内障などを抱える高齢の患者などが訪れる。栗林幸平院長は、患者が気になっていることを幅広く聞いて「困ったことがあったらすぐに相談できるクリニック」をめざす。早期発見が大切な緑内障の診断に力を入れるほか、勤務医時代から長く行っている白内障の手術を得意とする。川越は祖父母が住んでいたため、子どもの頃から慣れ親しんだ土地。「患者さん一人ひとりとのつながりを大切にして、さらに満足度を高めていきたい」と話す栗林院長に、医師をめざした理由などを含めて聞いた。

(取材日2016年9月7日)

放置することでの重症化を防ぎたい

虎のロゴマークは珍しいですね。院内はシックな印象を受けました。

栗林幸平院長 くりばやし眼科1

ロゴについては安易かもしれませんが、僕の生まれが寅年だから。名字のくりばやしって、珍しいのかよく間違えられるんです。「くりはらさん」とか「あわばやしさん」とか。名前が覚えづらい方でも、来院する際に入口に飾ってあるロゴを見てもらって、患者さんが目のことに悩んだ時にパッとロゴが浮かんで「虎の眼科さんに行こう」と思ってもらいたいなと。院内はブラウンとベージュを基調にして、患者さんが落ち着きやすいような雰囲気にしました。中待合室のソファは植物をイメージしてグリーンに。少しでもリラックスしてもらえればうれしいです。

駅に近くてアクセスが良いですね。患者層はいかがでしょう。

徒歩圏内の方がメインです。当院には7台分の駐車スペースがあるので、当院の近くを通る国道16号の向こうから車で来院される方もいます。それと、当院の周辺は川越市内の中でも子育て層が多いので、お子さん連れも目立ちますね。お子さん連れの患者さんのお手間を取らせないように当院は院内でお薬なども処方できるようにしており、患者さんからは好評をいただいています。患者さんの主訴として最も多いのは「(ものが)見えづらい」で、原因としては白内障や緑内障、老眼が挙げられます。子どもについては、近視の低年齢化が進んでいるように思います。中には小学校1年生から眼鏡が必要になる子も。テレビゲームが目を悪くするとは昔から言われていましたが、今はスマートフォンやタブレット端末を使って、さらに目に近い距離でものを見ているので、視力低下が進みやすいのだと思います。1時間遊んだら、せめて10分は休むようにとお伝えしています。

開院して2年が過ぎました。どんなクリニックをめざしてきたのでしょうか?

栗林幸平院長 くりばやし眼科2

目の困りごとについて、すぐに相談できるクリニックでありたいと思っています。医師に怒られるんじゃないか、説明されずにパッパと終わっちゃうんじゃないかといったイメージをお持ちの方だと、受診に二の足を踏んでしまうこともあると思います。特にご高齢の方はひと昔前の怖い医師像が根深く残っている人もいます。でも、目の疾患は放置して症状が進んでしまうと回復が見込めないものもあるので、気になったら気軽に来てもらえる眼科でありたいです。

緑内障治療の権威に師事し、早期発見の重要性を知る

相談しやすいクリニックであるために心がけていることはありますか?

栗林幸平院長 くりばやし眼科3

僕自身がそんなに警戒される方ではないと思うのですが、あいさつはきちんとします。当院では電子カルテを導入していて、患者さんの話を入力する時に目線が下に向きがちです。あいさつをちゃんとして、なるべく患者さんの目を見る頻度を落とさないことを意識しています。それと、診療が終わるタイミングで「何か気になることはありますか?」と必ず確認するようにもしています。ここで、診療に役立つ情報を得られることも多いんです。糖尿病など目の疾患に関わりのある病気を抱えていることがわかったり、家族のことを話してくれて、手術が必要な場合にサポートしてくれる身近な人がいるかどうかが知れたりするんですね。そんなことをさまざまに話してくれるので、怖い医師とは思われていないのではないでしょうか(笑)

白内障の日帰り手術をされていますが、注力している分野でしょうか?

白内障の手術は勤務医時代に15年ほどと長くやっていましたので、自信のある治療分野です。でも、個人的には緑内障の早期発見に力を入れています。それは、聖マリアンナ医科大学の学生だった頃から、緑内障治療の専門家だった上野聰樹(さとき)先生に学んできたことが影響しています。京都府出身の上野先生は、はっきりとものを言われる方で、ある時「一番いい医者とは何や?」と僕に問いました。あれやこれやと答えましたが、「答えはな、病気を治せる医者や」と返されて。当たり前のことではあるのですが、緑内障をはじめ、目の疾患は治せないものが多いので、この言葉には実感がこもっていました。ですが、治せなくても早く見つけて悪化を防ぐことはできます。だから、緑内障の早期発見に力を入れているのです。

緑内障を早く見つけるために気をつけていることをお聞かせください。

栗林幸平院長 くりばやし眼科4

緑内障は視神経に障害が起き、見える範囲が狭くなる病気ですが、自覚症状のないことが多く、気づいた時にはかなり進行している場合があります。白内障は手術をすれば治る可能性が高いですが、緑内障は進行すると、さらなる悪化を食い止めることしかできません。40歳を超えると急激に発症率が高まるので、40歳以上の方には検診をお勧めしています。また30代の方で、結膜炎など他の症状で来院された場合でも、眼底検査などをして緑内障にかかっていないかをチェックしています。

認知度の低い治療の有用性を理解してもらいたい

子どもの頃から川越には来られていたそうですね。どんな印象でしたか?

栗林幸平院長 くりばやし眼科5

僕は東京に生まれて、2歳の頃に北海道に引っ越しました。川越には母の実家があり、盆や正月の頃に3歳下の妹と一緒に泊まりに行っていました。母は眼科の医師で長期休暇が取れず、父も仕事があったので、2人で飛行機に乗って。川越も田舎ではあると思うのですが、僕たちが住んでいた北海道の地域とはちょっと違う趣を感じましたね。川越の観光地である蓮馨寺(れんけいじ)が祖父母の家から100mほどと近くにあり、よく行っていました。しょうゆ味のお団子がおいしくて、祖父母にねだって何本も食べていたのを覚えています。今はクリニックの近くに住んでいるので、味が恋しくなって時々足を運んでいますよ。

医師を志したのは、お母さまの存在が大きかったのでしょうか?

そうですね。中学生の頃はテレビ番組の影響で弁護士に憧れを抱いたのですが、理系の科目の方が得意だったのと、やはり母の姿を見るうちに高校生の頃には医師をめざすようになっていました。川越の祖父母をはじめ、母方の家系には医師が多くて、医師は身近な存在だったんです。親族と話していると、人の役に立てる仕事だということもリアルに想像できて。眼科をめざしたのも母に影響を受けたからです。この道を選んで良かったですね。白内障の手術後に患者さんが眼帯を取ると「わあ」と声を出して喜んでくれますし、目と脳は密接につながっているので、脳腫瘍や脳出血など目以外の大きな病気を早期に見つけられることもあるので、やりがいがあります。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

栗林幸平院長 くりばやし眼科6

当院の土地は祖父が持っていたもので、実は小さな頃に空き地だったここに連れてこられて「何かに使え」と言われたことがあったんです。妻の実家が関東のため、首都圏で開業しようと物件を探していた時に祖父の言葉を思い出して。それでこの地での開業となったのです。医師になってからはさほど関連の少ない土地でしたが、徐々に患者さんが増えていますし、一人ひとりのつながりを大切にしていきたいです。眼科のクリニックにおける治療としては、加齢黄斑変性に対する硝子体注射を含めて一通り行っているのですが、両方のまぶたがけいれんする眼瞼けいれんへのA型ボツリヌス毒素製剤の注射による治療法など、一般にはまだあまり知られていないものもあるので、患者さんにご説明しながら有用性を理解してもらい、さらに満足度を高めていきたいですね。

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