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藪田 敬次郎 院長の独自取材記事

神奈川本牧こどもクリニック

(横浜市中区/山手駅)

最終更新日:2019/08/28

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大型ペットショップや雑貨店など、人々の暮らしを支える専門店が軒を連ねる「ベイタウン本牧5番街」。その4階にある「神奈川本牧こどもクリニック」を訪ねた。穏やかな対応で迎えてくれたのは、2016年9月からこのクリニックの院長に就任する予定の藪田敬次郎医師。順天堂大学病院小児科教授などを歴任したキャリアの持ち主で、この道50年を超えるベテランドクターだ。そんな華々しい経歴を誇りながら、藪田医師の語り口は誠実そのもの。おごったところなど感じさせないその眼差しは、優しさに溢れている。「医療の進歩とともに小児科医の果たすべき役割も大きく変化しています」と語る藪田院長に、院長就任の抱負やめざす医療についてなど、さまざまなテーマで話してもらった。
(取材日2016年8月8日)

世界に誇る日本の乳幼児健診システムを活用する場に

まずは院長ご就任おめでとうございます。ここに至った経緯を教えていただけますか?

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東京大学医学部を卒業後は順天堂大学病院を中心に、総合病院の小児科医として長く勤務を続けてきました。順天堂大学病院小児科教授を退いたのちは、看護師を育成する医療短期大学の学長を務めたり、他の医療機関で非常勤医師として勤務にあたったりしてきましたが、2年ほど前にそれらの職も完全に辞し、引退しました。しばらくは趣味に没頭したりの日々を過ごしたのですが、大学の同窓である医師に「人の役に立つことをしない人生なんて!」とハッパをかけられ、自分にできることがある限り力を尽くしたいとの思いが強くなったことから、現役復帰を決めました。ちょうどこの医院の院長が退任されるということでお声がけをいただき、9月より院長に就任させていただきます。50年以上医師をやってきましたが、実はこうしたクリニックで院長を務めるのは初めての経験。新しい挑戦に胸を躍らせているところです。

どのようなクリニックにしていきたいとお考えですか?

小児科という分野は急性疾患の対応がとても多い分野でもありますが、当院ではそうした急性疾患の対応というよりは、健診や予防接種、発育・発達のチェックなどに力を入れていきたいと考えています。子どもの病気で一番大切なのは、早く異常を発見すること。そのために、気がかりやお悩みを抱えた親御さんとお子さんが、気軽に相談できる場でありたいと思っています。僭越ながら小児科医としては豊富な経験がありますので、そうした経験を踏まえて、他院にはないアドバイスを差し上げることができると考えています。

具体的にはどのようなスタイルになるのでしょう?

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一般の外来も並行して診るつもりではありますが、基本的には予約制で時間枠をおさえていただき、じっくりとご相談を受けることができるスタイルを考えています。母子手帳に集約される日本の乳幼児健診、予防接種の仕組みは、世界に誇れる素晴らしいシステムです。こうした素晴らしいシステムを十分にご活用いただき、子どもらの健やかな成長を支えたいと思います。乳幼児の健診、予防接種は多岐にわたり、スケジュール管理が難しいという側面も。そうした面からもそれぞれのお子さんにあった予定を立ててスケジュール指導を行います。さらに、気がかりを持つ親御さんが気軽に相談できる窓口も設けたいと考えています。

小児科医療の変化に伴い、時代に則した診療・指導を

急性疾患で慌ててかかるというよりは、定期的に訪れて健康管理をしていただく医院という位置づけですね?

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以前は多かったはしかの子を診察したことがない小児科医も存在しているほど、小児科医療の現場は大きく変化しています。薬や治療法の進化により、治せなかった病気が治るようになったのです。以前は「病気を治す」ことに精一杯だった小児科医も、「病気にならない健康な体を作る」ことに注力できるようになりました。医療の進歩とともに、小児科医の果たすべき役割も大きく変わっているのですね。そうした現状をふまえて、当院では新しい形の小児科医院としてみなさまのお役に立っていきたいと考えています。

時代とともに小児科医療も変わってきたということでしょうか?

はい。小児科医療だけでなく、親御さんとお子さんを取り巻く環境も大きく変化しています。それにともない、以前の常識が現在では非常識ということも多々発生しているのです。例えば、従来の乳児育児では、くる病(骨軟化症)を防ぐために赤ちゃんを日光浴させてビタミンDの生成を促すことが常識でした。これにより、以前は多かった赤ちゃんのくる病もなくなりました。しかし、20年ほど前から紫外線の害が盛んに取り上げられるようになり、「日光=悪」といった考え方がお母さま方の間に広まりました。また、インターネットの発達などにより、あまり外に出ない生活スタイルも定着してきました。そのため、近年ではまたくる病を発生する赤ちゃんが増えているというのです。時代とともに育児の常識も変化するということですね。

その他、特に力をいれていきたい診療などはございますか?

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私の専門が小児腎臓疾患ですので、学校検尿など異常が見つかった子のチェックなどにも力を入れていきたいと考えています。世界に誇れる素晴らしい小児医療システムの一つである学校検尿ですが、100人に1人くらいの割合で異常が見つかる子がいます。詳しく調べるとそのうちの100人に1人くらいの子が、つまり学校検尿をうけた子どもの1万人に一人ぐらいに慢性腎炎に罹患していることも。こうした病気は早く見つけて対処することで、人工透析開始時期を遅らせることができるなど、その後の人生を大きく左右します。専門家の視点から、見逃しなくチェックすることはとても重要なのです。

成長・発達に加え、夜尿症から好き嫌いまで相談可能

小児腎臓疾患といえば、子どものおねしょ(夜尿症)に悩む親御さんも多くいますね?

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はい。子どもの夜尿症はとても多く、喘息と同じくらいの割合で存在すると言われています。しかし、一般の小児科では「様子を見ましょう」と治療をせず帰されることも多く、小学校中学年あたりまで放置されるというケースも多いのです。しかし、夜尿症では早期に専門的な管理を行うことが大切です。ひと口に 夜尿症と言っても膀胱のサイズや感覚の問題、オムツ外しの仕方など、その原因はさまざま。それぞれにあった治療や指導があるのです。夜尿症の治療は便宜的に利尿を抑える薬を使いながら、生活指導によって根本的に病気の原因を解消していくという手法がメインとなります。そのためには、夜尿症のタイプづけが必要となりますが、当院では尿の比重を測定する検査機器の導入も検討しており、より専門的に夜尿症治療に取り組んでいく予定です。

一時医療の現場から離れていらしたようですが、その間にされたこと、考えたことなどあれば教えて下さい。

宗教音楽のコーラスグループに参加したり、バラを育てて写真を撮ったり、さまざまな趣味に没頭しました。勤務医時代になかったそうした趣味の時間はとても楽しいものでしたが、どこか物足りなさを感じていたことも。そんななかで背中を押してくれた同窓の医師の言葉には感謝しています。医師として今自分がすべきことは何かを考える時間を持つための、よいきっかけともなりました。

ドクターズファイル読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

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繰り返しになりますが、子どもの病気は早く異常を見つけることが何より大切。そのためには定期的なチェックは欠かせません。さいわい、当院には十分なスペースがありますし、予約制を採用することや診察室、待合室を2つおき健康な子どもと病気の子どもが接触しないように工夫して院内感染の心配もなくなります。気がかりを相談する場所としては、理想の形だと思っています。健康な子の発達チェックからおねしょの相談、管理栄養士の栄養相談や偏食指導なども積極的に取り組んでいく予定でおりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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