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高橋 徳 院長の独自取材記事

クリニック徳

(名古屋市中区/伏見駅)

最終更新日:2019/08/28

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東山線伏見駅より徒歩5分、自然豊かな白川公園のそばにある「クリニック徳」。広い待合スペースの大きな窓からは公園の緑や大通りが一望でき、通院する患者に心地よい癒やしを届けている。「待ち時間をリラックスして過ごしてもらい、治療に前向きな気持ちを育てられれば」と語る高橋徳院長が掲げるのは、人が本来もつ自然治癒力の向上と、生活改善を目的とした「統合医療」と呼ばれる医療。東洋医学と西洋医学を組み合わせ、患者の生活習慣や住環境を考慮したオーダーメイドのケアを提案している。「統合医療」に至った経緯や、その有用性について話を聞いた。(取材日2016年7月25日)

治療への意欲を高め、人間本来の自然治癒力を後押し

統合医療とは、どういった診療を行うのですか?

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当クリニックにおける統合医療とは、伝統や民族医学に基づいた東洋医学をベースに、科学的な西洋医学の利点を組み合わせて患者さんの症状緩和をめざすものです。標榜科目は内科・外科・漢方内科ですが、疾患を限定することなく、あらゆるご相談に応じています。例えば「腰が痛い」という患者さんがいたならば、当クリニックではまず痛みを引き起こしているであろう普段の姿勢や運動頻度などをうかがい、その後、鍼や気功などの東洋医学的ケアを実施。それでも痛みが治まらない場合は、薬やシップなどの西洋医学的ケアを行います。

悩みの根幹を探ることから治療がはじまるのですね。

東洋医学をメインにしているのは、患者さんが本来もつ自然治癒力を高めるためなんです。人の体は、不調があれば自力で改善しようしてさまざまな反応が起こりますよね。私が行うのは、その働きを引き出すためのお手伝いでしかありません。時には薬の量を減らし、時にはヨガなどでストレスを発散し、心と体を自然に近い状態にすることで「治そう」という力を後押ししています。もちろん、重度の高血圧症などの薬が必要な病気については、しっかり処方していますのでご安心ください。その他、MRIやCTなどの先進的な検査についても、必要であれば、外部に依頼して実施しています。重要なのは、東洋・西洋医学どちらかを「良い・悪い」と決めつけるのではなく、患者さんにとって良いと思われる方法を提案すること。その方に合う治療を探していければと思っています。

生活改善などのアドバイスを行うケースも多いとか。

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現代の医療は、目に見えている病気を治す、いわゆる対症療法的なものがほとんどです。だから患者さんは「病気になったけど、薬をもらえば治るから大丈夫」と思ってしまい、「普段から病気にならないように気をつけよう」という予防医学への意識が下がりがちです。健康的な人生のためには病気にならないことが一番ですから、暮らしの中で実践できる予防医学、つまり散歩や食事指導などについては頻繁にアドバイスを行っています。診察では患者さんの訴えに耳を傾け、じっくり目を見て会話することを心がけています。患者さんは医師に「話を聞いてほしい」と来院されるわけですから、その医師がパソコンばかり見ていては治す意欲も起こりませんよね。こちらも心を込めて向き合うことで、治療への意欲を引き出すようにしています。

心のケアを含めた統合的な診療で患者をサポート

来院される患者層について教えてください。

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20~30代の患者さんがメインです。症状はさまざまですが、アトピー性皮膚炎や、うつ病で悩まれている方が特に多いですね。「皮膚科でステロイドをもらっていたけど、改善しなかった」「心療内科に通っていたけど、薬が合わない」という訴えをよく耳にします。この種のケースでは、日々の生活が症状改善の妨げになっていることが多々あります。現代人は住環境や食事、習慣が偏りやすく、ストレスや悩みを自分の中にためこんでしまいがちで、そこから病気につながる事例も少なくありません。当クリニックでは、まず鍼灸・ヨガ・太極拳などを用いて心と体をほぐし、その後、生活指導と漢方による体質ケアへ移行。場合によっては薬も取り入れながら、徐々に症状の改善をめざします。

ストレスが体に影響を及ぼすこともあるのですか?

「ストレスで胃が痛くなる」とはよく言ったもので、過去にも多くの医学者が心身のつながりに関する論文を発表しています。そこで注目したいのが、ストレスを緩和し、幸せな気分をもたらすとされる「オキシトシン」というホルモンの存在です。まだ詳しく解明されていないホルモンではありますが、良好な人間関係や五感への心地よい刺激などで分泌されるという実験結果が出ています。当クリニックではヨガやマッサージを取り入れた診療を行っていますので、心身への刺激によるホルモン分泌の促進が期待できると思います。加えて、患者さんには「思いやりの気持ちを大切にね」や「家族仲良く」などの人間関係上のアドバイスをすることもあります。日々の気配りで幸せになれて、さらに健康になれれば言うことはないですからね。

その他、診療の特徴を教えてください。

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他のクリニックで治療を断られた方や、「年のせいだから」と慢性的な痛みをそのままにしている方をはじめとした「医療難民」の受け入れを積極的に行っています。当クリニックは病気を未然に防ぐための生活改善指導から、治療後の健康を維持するためのアフターケアまで、疾患に付随する生活習慣や社会的背景を考慮した「全人的医療」を提供していますので、患者さん一人ひとりに適切な治療を提供できる自負があります。東洋医学への認知度の低さから、鍼灸・漢方・ヨガなどによるケアを躊躇される方もいらっしゃいますが、徐々に心身の改善がみられると安心していただけますね。心と体は表裏一体。体への刺激で心の負担が軽くなったり、心のリラックスで体の不安が少なくなったりしますから、さまざまな方法で患者さんを総合的にサポートしています。

患者本位の治療で統合医療のモデルケースをめざす

統合医療を意識した経緯を教えてください。

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両親とも医師だったため、自然と進学先は医学部を選んでいました。大学卒業後は消化器外科で手術経験を積んだほか、アメリカ・ミシガン大学にて胃腸に関する研究に注力。デューク大学教授やウィスコンシン医科大学教授など、指導する立場も経験しました。渡米により感じていたのは、海外における東洋医療の認知度の高さです。当時のアメリカでは、東洋医学専門の医療ビルが建ったり、各大学が率先して東洋医学を治療に取り入れていたりと、数多くの実績がありました。しかし日本では、古来より気功や鍼灸が健康維持に用いられてきたにもかかわらず、「根拠や実績不足」という理由で医療カテゴリに含まれていませんでした。この流れを打破するべく、先進の医療現場を学びながら東洋医学のメカニズム解明に没頭。統合医療の考え方を啓発し、日本での認知度向上に努めたいと考えるようになりました。

日本での開院に至ったのはなぜでしょう?

アメリカ在住が数十年を超え、書き上げた論文は100本超。気づけば還暦を過ぎるまで研究に没頭していました。そこでふと「今までの研究成果を臨床に生かしたい」と思ったんです。せっかくの人生、後悔があってはいけないと思い、2013年に日本へ帰国。一旦は岐阜にあった父のクリニックを引き継ぎましたが、より広々とした環境で高度な医療を提供したいと思ったため、2016年、名古屋伏見にて当クリニックを開業。統合医療の実践をはじめました。

クリニックへのこだわりはありますか?

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一番気を配ったのは待合スペースです。椅子を寄せればヨガや太極拳ができるほど広くなりますし、プロジェクターを使っての各種講習会も開催可能です。大きな窓から見える景色が特に気に入っており、豊かな緑を眺めることでオキシトシンの促進も期待できます。飾ってある絵画やインテリアは専属デザイナーと協力して選んだもの。スタッフが一丸となって、患者さんがリラックスして治療に取り組める環境づくりに努めています。

今後の展望をお聞かせください。

ヨガや太極拳が「習い事」と言われたり、保険診療が適用されなかったりと、東洋医学を含めた統合医療の社会的認知度は未だ低いのが現状です。新しい形の医療に取り組んでいるという誇りを自信に、いずれは当クリニックが統合医療のモデルケースとなれるよう、実績を重ねられれば幸いですね。私が思う医療の原点とは、「困っている人を治す」こと。そこに個人的な打算は、あってはならないと思います。これからも患者さんの体と心に働きかけながら、毎日の健康づくりをお手伝いできれば幸いです。

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