恐怖心の緩和を図る工夫
静脈鎮静を用いたインプラント治療
シープデンタルクリニック
(新宿区/若松河田駅)
最終更新日:2024/11/14


- 自由診療
抜歯や歯肉の切開が必要なインプラント治療に対して、「痛そう」「怖い」というイメージが先立ち尻込みしている人も多いのではないだろうか。点滴で麻酔を行う静脈内鎮静法を積極的に取り入れている「シープデンタルクリニック」では、リラックスした状態で抜歯やインプラント治療を受けることが可能だという。徳田幸祐院長は、痛みや恐怖心で歯科医院から足が遠のいている人を救うことを目標に、開業当初から患者の精神的な負担を和らげるような治療を徹底している。患者の恐怖心や緊張を和らげながらも、全身麻酔と比べると身体への負担が少ないという同院の静脈内鎮静法を使ったインプラント治療をレポートする。
(取材日2024年6月11日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q眠ったままインプラント治療ができるのですか?
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A
当院で行う静脈内鎮静法は、精神を安定させる作用が見込める鎮静剤を静脈に点滴する処置です。眠りに入る直前の、ウトウトした状態をイメージしていただければと思います。自分で呼吸ができますし、意思表示も可能ですが、インプラント手術中の恐怖や不安、緊張などのストレスの軽減が図れるのがメリットです。痛みに対しては局所麻酔を併用します。また、静脈内鎮静法を受けている間は記憶が残りにくく、患者さんは手術時間を短く感じやすいです。実際は麻酔が約90分持続するため、複数の歯を一度に治療することもできます。外科手術に抵抗を感じる方はもちろん、忙しくて何度もクリニックに通う時間的余裕がない方にも向いている治療法です。
- Q全身麻酔と静脈内鎮静法の違いを教えてください。
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A
大学病院の手術室などで行われる全身麻酔は、静脈からの麻酔薬の点滴や麻酔薬の吸入によって、中枢神経に作用して全身の痛みや意識を消失させる目的の処置です。自発呼吸もできない状態なので人工呼吸器を装着する必要があり、さらに全身の筋肉が弛緩するため尿道カテーテルが挿入された状態で手術を行います。厳重な管理が必要で、体の負担も大きいため、手術前後に入院が必要となるケースがほとんどです。一方、静脈内鎮静法は精神的緊張の緩和が目的で、意識が残る程度に麻酔の量を留めるため、副作用が少ないことが特徴。インプラント手術が終わり、麻酔の副作用が出ていないことを確認したら歩いて帰っていただくことができます。
- Q静脈内鎮静法によるインプラント治療にデメリットはありますか?
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A
静脈内鎮静法は全身麻酔に比べれば負担が少ないものの、麻酔薬を使うため呼吸や血圧に異変が起きる可能性があります。そのため当院は大学病院で長年にわたり全身麻酔の症例を経験している専門の医師が麻酔を担当しており、治療後も患者さんの状態が安定するまで立ち会うなど、安全性を重要視した体制を整えています。局所麻酔だけを行う場合に比べると治療費が高くなりますが、複数の歯を一度に治療する場合などは、何度もクリニックに通う場合と比べて最終的なコストがほとんど変わらないケースもあります。予算や適応などの理由で静脈内鎮静法を使わない場合も、これまでの診療経験から適切な方法を判断してご提案させていただきます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリングと精密検査
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診療の中でインプラント治療が選択肢に上がったら、インプラント手術の仕組みや静脈内鎮静法のメリット、デメリットの説明を受ける。症例写真やシミュレーション動画を用いるなどわかりやすさを重視した説明なので、不安や疑問点はここで解消しておこう。アレルギーや持病の有無も確認し、麻酔が可能であると判断されたら精密検査へと移行。3次元的な断層写真で骨の状況を確認する歯科用CT撮影、口腔内写真の撮影などを行う。
- 2治療計画の説明
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CT撮影によって得られた3D画像をもとに専用のプランニング・ソフトで治療計画が作成され、インプラントのサイズや埋入位置、どのような流れで埋入するのが適切なのかといった説明を受ける。納得できたら手術の日取りを決める。
- 3治療当日、麻酔点滴開始
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手術当日は食事を制限してクリニックに向かう。最初に麻酔専門の医師が、注射にて静脈麻酔を行う。細い針を使用するため痛みは少ないそう。続いて歯茎に局所麻酔も実施。静脈鎮静を先に行うため、局所麻酔で表れやすい歯茎のしびれも感じにくくなることが見込めるという。
- 4インプラント手術
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麻酔が効いているかどうかが確認されたら歯科医師が歯肉を切開してインプラント体を埋め込む。埋め込みが終わったら歯肉を丁寧に縫合。1~3本程度なら、約1時間で終了する。手術は麻酔科の医師が血圧やSPO2(酸素飽和度)をチェックしながら行い、患者の状態に合わせて歯科医師が治療の進行を調節する。
- 5治療後の休憩
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治療終了後、麻酔が切れるまで約60分はクリニックで休憩する。その間も異変が起こらないか常に麻酔科の医師がチェックする体制を整えている。手術当日は車の運転を控えなければならないが、入院の必要はなく歩いて帰ることができる。静脈鎮静の影響で、手術中の痛みや恐怖心は記憶に残りにくいという。術後は4~6ヵ月に1回メンテナンスを行う。インプラントがしっかりと安定しているか、噛み合わせなどがチェックされる。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~、静脈内鎮静法(追加費用)/8万円~