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宮地 真由美 院長の独自取材記事

まみ内科クリニック

(ふじみ野市/ふじみ野駅)

最終更新日:2021/10/12

宮地真由美院長 まみ内科クリニック main

東武東上線のふじみ野駅から徒歩5分ほど。新しいショッピングモールやマンションが立ち並ぶ一角に「医療法人アリエス まみ内科クリニック」はある。院長の宮地真由美先生は、甲状腺疾患、糖尿病、リウマチの治療を得意とし、女性医師として女性患者に対する思いは人一倍強い。「患者さんの顔をきちんと見て診察し、話をよく聞き、元気に明るく患者さんに接することを大切にしています」と朗らかに語る宮地院長に、医療の道に進んだきっかけや今後の展望などを聞いてみた。

(取材日2019年10月9日)

ホルモンに関わる疾患を幅広く診るクリニック

最初に、先生のご経歴をお聞かせください。

宮地真由美院長 まみ内科クリニック1

子どもの頃、小児喘息を患っていて、その時にお世話になっていた女性医師に憧れたのが、医療の道に進んだきっかけです。成長してからは別の夢を考えたこともあったのですが、高校生になって、将来を考えた時に憧れが再燃。担任の先生の勧めもあって医学部を受験し、東京女子医科大学に進学しました。卒業後は、同大附属の膠原病リウマチ痛風センターに入局。そこでの診療の中で、リウマチの患者さんは甲状腺の病気を合併していることが多いと気づき、内分泌疾患にも興味を持つように。それで同大病院の内分泌内科に転科しました。内分泌内科は、ホルモンに関係する病気全般を対象とする科で、甲状腺疾患や糖尿病、女性ホルモンの減少から更年期障害なども領域とします。ただ転科後もリウマチの外来は続けていたので、両方とも専門のようなものですね。その後総合診療科も経験し、2016年1月に当院を立ち上げました。

どのような患者さんが多く通われていますか?

当院の標榜科目は内科・糖尿病内科・内分泌内科で、糖尿病と甲状腺疾患、リウマチの治療が中心ですが、更年期障害やステロイドホルモンの異常など、ホルモンに関わる病気なら全般的に診ています。女性に多い病気が中心となりますので、患者さんの性別は女性が7割、男性が3割くらい。年齢層は20~80代と幅広いですが、30~60代の方がメインになります。男性では、糖尿病や痛風が主ですが、リウマチや甲状腺疾患で通われている方もいます。開院当初は糖尿病、甲状腺、リウマチで、それぞれ同じくらいの数の患者さんが来ていましたが、最近は甲状腺7割、糖尿病2割、リウマチ1割に変化していますね。甲状腺疾患については、他院からの紹介が増えたことも大きいです。糖尿病でも、注射などのより濃密な治療を必要とする患者さんが多くなりましたね。

診療はどのように進みますか。

宮地真由美院長 まみ内科クリニック2

甲状腺疾患やリウマチは、検査結果から診断を図り、原因に合った薬を使って治療していくのが基本です。ですから、その日のうちに検査・診断を終えて治療を開始できるような機器や体制を整えています。例えば甲状腺ホルモンや糖尿病、リウマチの炎症反応、貧血などについては、迅速な血液検査が可能で、内分泌疾患や糖尿病、リウマチに関していえば、ほとんどの場合必要な検査は院内で可能です。検査結果は1時間ぐらいで出ますので、最短1日で検査、診断、治療法の決定、薬の処方まですべて終えて、治療を始めることができます。このように診察前には必ず検査の時間が入るので、待ち時間をなるべく少なくするために新しい機器を導入したり、予約制を取ったりしています。予約制にすることで、患者さん一人ひとりを落ち着いて診察することが可能になりますし、服薬管理もできるんです。

患者の顔を見てコミュニケーションを図る

診療で心がけていることを教えてください。

宮地真由美院長 まみ内科クリニック3

患者さんの顔をきちんと見るということです。「最近は顔を見ない医者が多い」と患者さんが嘆くのをよく聞きます。しっかり顔を見て話せば、自分の話を聞いてくれているという安心感につながると思うんです。それで、いつでもきちんと顔を見て診察するように心がけています。また、患者さんの話をよく聞くようにも努めていますね。当院では必ず検査が入るので、在院時間は長くなりますから、「待っても診てもらって良かったな」と思ってもらえるような、不安や不満を払拭できるような診療を大事にしています。あとは、常に元気に明るく患者さんに接すること。最も心がけているのは実はそこかもしれません。患者さんから「宮地先生に会って元気をもらえた!」とよく言われるんです。お薬プラス私の笑顔を処方するという感じですかね(笑)。

女性に多い甲状腺疾患ですが、知られていない部分も多いように思います。

そうですね。あまり知られていませんが、甲状腺機能異常は不妊の原因にもなり得るんですよ。通常の検診では甲状腺ホルモンが正常値でも、妊娠を希望する場合は医療介入したほうが良いケースもありますから、なかなか赤ちゃんを授からないという方は、婦人科や内科で甲状腺を調べることをお勧めします。肝機能、脂質、血糖値に異常がある場合、甲状腺に機能異常がある可能性も考えられます。また甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドウ病と、反対に分泌されなくなる橋本病を合併するケースがあることも知ってほしいですね。バセドウ病の人が出産や更年期などを機に橋本病に移行することもありますし、またその逆もあります。さらに甲状腺機能に異常があると、代謝が悪くなって血糖値が上がりやすくなり、糖尿病を合併することも。現在は治療の必要がなくても、過去に甲状腺疾患を患っていた方は、年に1回チェックを受けていただくことをお勧めします。

スタッフは女性で構成されているのでしょうか?

宮地真由美院長 まみ内科クリニック4

甲状腺疾患やリウマチは特に女性に多い病気です。検査や診察では甲状腺のある首や手足に触ることになりますから、当院は私をはじめ、看護師、臨床検査技師、管理栄養士、受付まで全員女性。唯一、薬剤師である主人が事務長も務めていますが、皆さんの前に姿を出さないようにしています。管理栄養士は今まで非常勤だったのですが、昨年秋から常勤に。内分泌系疾患では、食事のコントロールはとても重要ですから、患者さんが栄養指導が必要なときにすぐに受けられるようになったことはありがたいです。栄養指導では、管理栄養士の裁量に任せる部分が大きいのですが、常に連携しています。看護師と検査技師も密に連携をとっていますし、情報を共有することで、より深い診察ができるようにしています。

早めに検査し、早期治療につなげてほしい

近隣の医療機関との連携はいかがですか?

宮地真由美院長 まみ内科クリニック5

当院は検診を実施していませんので、近隣の先生方との連携がとても大事です。病気の発見や、検診、目や歯のチェック、整形外科での関節リウマチの検査などをしていただき、お互いに情報交換や連携をしています。ですから当院は近隣病院からの紹介患者さんがとても多いんですよ。「甲状腺疾患や糖尿病、リウマチを患っている地域の患者さんの窓口になれたらいいな」という思いで開院しましたが、埼玉医科大学病院をはじめとする近隣の病院とも互いに連携し合っていますし、手応えを感じます。

休日の過ごし方やリフレッシュ法について教えてください。

旅行が好きで、国内、海外どちらも出かけます。忙しくてなかなか頻繁にというわけにはいきませんが、年末年始や夏季休暇などの大きな休みの時は、主人と娘と、家族3人で旅行してリフレッシュしています。他は、猫を4匹飼っているので、猫と過ごす時間もくつろげますね。休みの日に家族とゆっくり会話したり、お出かけすることもストレス解消になっています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

宮地真由美院長 まみ内科クリニック6

せっかく管理栄養士が常勤で来てくれていますから、患者さん向けの教室を定期的に開けたらと思っています。外来の時間内ではお話しできないことを、私からもしっかり説明をして、栄養指導もあるような教室にしたいですね。また糖尿病の合併症とも関わりの深い眼科や歯科の先生からもお話をしていただけたらなと思っています。忙しくてなかなか実現できていませんが、目下の目標です。メッセージとしては、「もし甲状腺疾患やリウマチに思い当たる症状があってお悩みなら、早めにクリニックに相談して」ということに尽きますね。40代以降の女性の10人に1人は、甲状腺疾患の素因を持っているともいわれています。産後や更年期に出ることが多く、しっかり治療していくことが大切ですから、「年だから」と諦めずに、「もしかしたら」と思ったら一度確認してみてください。

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