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史 常徳 院長の独自取材記事

常徳医院

(さいたま市南区/武蔵浦和駅)

最終更新日:2025/09/10

史常徳院長 常徳医院 main

武蔵浦和駅からバスで8分の曲本クリニックモール内にある「常徳医院」。整形外科・外科・リハビリテーション科を中心に、婦人科や泌尿器科にも対応した幅広い診療体制を整えている。院長の史常徳(し・じょうとく)先生は、50歳で日本の医師国家試験に合格。高い志とたゆまぬ努力で地域医療に尽力し、地域の患者の健康を支えてきた。「私はあなたたちのためにいるんです。心配せず、恥ずかしがらずに来てください」と語る史院長の診察には、常に温かいまなざしがある。一人ひとりとの対話を重んじ、家族ぐるみで通院する患者も多い。院内には先進の医療機器も備え、快適な診療環境と適切な診断をめざすための体制を両立。史院長の「医療にかける想い」を聞いた。

(取材日2025年7月29日)

国境を越えた挑戦。「医師」として日本に根を下ろして

医師をめざされたきっかけを教えてください。

史常徳院長 常徳医院1

両親ともに医師だったため、小さい頃から病院が遊び場のような環境で育ち、医療現場は私にとって日常の一部でした。当時は医師になろうとは考えておらず、むしろ工学や設計といった分野に興味を持っていました。そんな私の転機となったのは、大学進学を考えていた頃、父からかけられた「医師は自分の健康を守りつつ、人を助ける仕事だ」という言葉でした。私は喘息を抱えており、体が弱かったこともあって、その言葉が強く心に響いたのです。自分の体を理解し管理する力を持てるという点に大きな魅力を感じ、医師という職業に目を向けるようになりました。その後は、父の専門であり、私自身が得意とする手を動かす作業の多い外科に自然と惹かれていきました。

なぜ中国から日本へ来て医師になろうと思われたのですか?

中国で8年間外科に関する研鑽を重ね、もっと広い視野で医療を学びたいという気持ちが芽生えてきた頃に、日本の胃がん検診などの先進的な取り組みに感銘を受けて、日本への留学を決意しました。外国人が日本で医師になるためには、日本の国家試験に合格する必要があります。日本語の壁は非常に高かったので、まず日本語をマスターするために日本語学校を卒業しました。その後東京大学大学院で勉強し、獨協医科大学医学部の解剖学教室で、教員として学生を指導していました。やはり医師として医療現場に戻りたいという思いから、日本の医師免許取得をめざすように。そこで日本で働きながら、一から猛勉強して、やっと夢をかなえました。国籍を超えて、努力は必ず実を結ぶのだと実感しました。

常徳医院を開業されるまでの経緯を教えてください。

史常徳院長 常徳医院2

国家試験に合格した後は、独協医科大学埼玉医療センターで研修を重ねました。その後、自分が医師になった原点を見つめたとき、「地域の医療に貢献し、困っている人の力になりたい」という想いに立ち返り、大学を離れる決断をしました。地域の「入り口」として、どんな患者さんもまず受け入れ、必要な医療へとつなぐ「仕分け役」でありたいと考え、第一線で患者さんを診て、重症の場合は大きな専門病院へ紹介し、クリニックでも対応できる患者さんはしっかり治療する。さらに、早期発見・早期治療・予防ができるクリニックをつくりたい。という思いで開業に至りました。

患者と「同じ目線で」考える診療をめざして

診療科目と来院される患者さんの特徴について教えてください。

史常徳院長 常徳医院3

整形外科・外科・リハビリテーション科を私が中心に診療しており、妻が婦人科、娘婿が泌尿器科を担当しています。泌尿器科は2025年6月から週1回、火曜日に外来を開設しました。この地域では泌尿器科の診療機会が限られていたため、少しでも地域の皆さんの力になれればという思いから始めたものです。患者さんの年齢層は本当に幅広く、0歳の赤ちゃんから100歳のご高齢の方まで来られています。例えば、お子さんは公園での転倒やスポーツによるけが、ご年配の方は膝や腰の痛み、骨粗しょう症による骨折など、来院する理由も実にさまざまです。ご家族みんなの健康を見守るかかりつけ医として、どんな世代の患者さんにも安心して通っていただける診療体制を整えています。

医療機器やリハビリテーション設備の特徴・こだわりについて教えてください。

当院では、特にリハビリテーション設備に力を入れています。地域の皆さんが安心して治療を受け、健康を維持できるようにとの想いから、ウォーターベッドやけん引機器、電気刺激装置など、すべて先進の機器をそろえました。また、エックス線装置にはデジタルパネル式を導入し、被ばく量を従来より抑えることができるようになりました。鮮明な画像と表示の速さにこだわって機器を選んだため、数秒で診断に生かせます。診断の精度向上がめざせるのはもちろんのこと、患者さんの待ち時間も短縮でき、診療の効率も高まります。設備は医師にとって武器です。より適切で迅速な診療を実現するために、常にアップデートを心がけています。早期発見・早期対応にもつながる、欠かせない要素だと考えています。

多くの患者さんが来院される中で、大切にされている診療姿勢を教えてください。

史常徳院長 常徳医院4

診療の際は、パソコンの画面ばかりを見るのではなく、患者さんと目を合わせてしっかりお話を伺うことを大切にしています。私は、患者さんの相談相手として、必要な治療を一緒に考えていく立場でありたいと考えています。「こんなことで病院に来ていいのか」と遠慮される方もいらっしゃるかもしれませんが、私はいつも「どんな小さなことでも、気になったら来てください」とお伝えしています。軽い痛みや違和感と思われる症状でも、エックス線で骨折や思わぬ病気が見つかることもあります。もちろん、検査を無理にお勧めすることはありません。「念のため見ておきませんか?」と、あくまで選択肢の一つとしてご提案するようにしています。患者さんご自身が納得して選択できることが大切だと考えており、そうした丁寧な関わりの積み重ねが、信頼につながると信じています。

診療が終わった後も患者さんと向き合う時間を作っているそうですね。

診療中はどうしても慌ただしくなりがちですが、診療後には電子カルテを見返しながら、冷静に患者さん一人ひとりの状況を振り返る時間を大切にしています。必要があれば、診療後に改めて患者さんにお電話し、治療についてお話しすることもあります。自分の時間を削ってでも、常に患者さんを第一に考える姿勢を貫いていたいです。

この場所で、一人ひとりの力になれる医療を

特に増えている疾患や健康課題について、感じていることはありますか?

史常徳院長 常徳医院5

新型コロナウイルス流行の影響で外出を控える生活が長く続いたこともあり、圧迫骨折や腰痛、膝の痛みを訴える方が増えています。50代~60代の方でも、少し重いものを持ち上げただけで骨折してしまったり、1日たくさん歩いただけで疲労骨折になる可能性もあるんです。人間は本来、動いてこそ健康を保てる動物ですから、急に動かなくなると骨も筋肉も弱くなってしまいます。太陽の光を浴びて、適度に体を動かす。それが骨密度や筋力の維持につながるんです。私は患者さんにいつも「無理な運動ではなく、少しずつ、負荷をかけて継続することが大事ですよ」とお伝えしています。健康は一夜では手に入りません。毎日の小さな積み重ねこそが、一番の予防になると考えています。

健康でいるために日々心がけてほしいことは何ですか?

私は栄養と運動、この2つが健康寿命の鍵だと思っています。特にご高齢の方は食べても吸収しづらいので、栄養不足になりがちです。肉や卵を体に悪いと思って避けてしまう方もいますが、それは逆に筋肉量の減少につながってしまいます。私はいつも「卵1日1個、魚も肉も野菜もバランス良く食べましょう」とお伝えしています。さらに、私自身もストレスをためない・激しい運動はしない・足りない栄養は意識して補うということを心がけています。患者さんにも、頑張りすぎず、気楽に続けられることを大切にしてもらいたいですね。

先生が大切にしている医療の在り方や今後の展望をお聞かせください。

史常徳院長 常徳医院6

娘は婦人科、娘婿は泌尿器科、息子も研修医として医療の道を歩んでおり、家族とともにこの地で診療を続けていけるのは本当にありがたいことです。開院当初からこの地域に根差し、目の前の患者さん一人ひとりと丁寧に向き合う医療を大切にしてきました。誠実な診療を日々積み重ねていくことで、患者さんの信頼に応え続けたい。これからも患者さんのために頑張っていきたいので、お気軽に当院を利用してください。

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