岡部 聡 院長、林 瑠理子 先生、林 寛仁 先生の独自取材記事
岡部クリニック
(相模原市緑区/橋本駅)
最終更新日:2025/02/14

橋本駅北口から徒歩3分の所に「岡部クリニック」はある。2004年の開業より地域の健康を守ってきた岡部聡院長は、外科医として22年間大学病院で大腸がんの手術を行った経験をもとに、内視鏡検査によるがんの早期発見に注力している。モットーは「全身管理」。がんだけでなく生活習慣病をはじめとする全身疾患に幅広く対応する。現在は岡部院長と娘である林瑠理子先生の2人が主に診療にあたる同院。瑠理子先生の専門である糖尿病治療を求める患者も増えている。エネルギーあふれる岡部院長と、静かな情熱を燃やす瑠理子先生、そして2024年の12月から非常勤で勤務する林寛仁先生に、診療にかける想いを聞いた。
(取材日2025年1月23日)
胃・大腸がんや糖尿病を専門的に診察するクリニック
まずはこちらのクリニックの特徴を教えてください。

【岡部院長】当院では、「胃がんと大腸がんの早期発見・早期治療」と「生活習慣病の早期発見と管理」の2つを大きなテーマとして治療を行っています。私はもともと出身である東京医科歯科大学で外科医をしており、大腸がんの手術を数多く行ってきました。そのため、開業してからもがんの早期発見に注力し、今でも数多くの内視鏡検査を実施しています。内視鏡検査はつらさの軽減のために鎮静剤を使用しているので、痛みや苦痛に不安がある方にも安心して受診いただけます。2cm以下のポリープであれば当院で切除も可能です。約3年前からは、娘の林瑠理子先生も医師として診療に加わりました。内分泌代謝と糖尿病に精通していて、とても頼もしい存在です。インスリンを使用した専門的な糖尿病治療も可能となり、近隣クリニックの先生からご紹介いただいた患者さんも増えています。
瑠理子先生はクリニックに入る前はどういったご経験を?
【瑠理子先生】私は、父と同じ東京医科歯科大学医学部を卒業し、研修医時代は大学と横浜市立みなと赤十字病院、その後は東京逓信病院、東京医科歯科大学と移り、直近の3年間は都立多摩総合医療センターでお世話になりました。総合病院は難しい症例の患者さんが多くいらっしゃいます。そうした環境で専門的な治療を数多く経験できたので、この知見を父のクリニックで生かしたいと思い、当院で日々患者さんに対応しています。
なぜ糖尿病を専門にしようと思われたのですか?

【瑠理子先生】多くの病気の予防には、早期の血糖コントロールが重要だと思ったからです。研修医時代にさまざまな科を回る中で、心筋梗塞、脳梗塞、足壊疽など、長年のコントロール不良の糖尿病を背景に発症した症例を数多く拝見しました。動脈硬化の進行を抑えるためには、早期の糖尿病治療が重要だと考え、自分の専門科にしようと思いました。
患者のことを常に考える、その姿勢を受け継ぎたい
瑠理子先生が医師を志されたのは、やはり岡部院長の影響なのでしょうか。

【瑠理子先生】そうですね、父が医師であったことで、一番身近な職業ではあったと思います。高校生の時から、将来の職業として医師という選択肢が自然に出てきたという感じです。父は常に多忙で、私にできるかなという多少の心配はありました。ただ、将来は身近な人を守れる職に就きたいと思い、中でも健康を守る医師という職業に魅力を感じました。
【岡部院長】大学病院に勤務していた頃は大学で寝泊まりしていたので、顔を合わせることが少なかったんです。父として接する機会が少なかったにも関わらず、子どもたちが同じ医師になってくれたことはとてもうれしく思います。
岡部院長は瑠理子先生が医師をめざしていると聞いて、心配などはなかったですか?
【岡部院長】女性医師も増えていますし、特になかったですね。私が大学に入学した時は、80人中10人しか女性はいませんでした。それでもその年は女性が多いといわれていたくらいです。それから比べると今は約半数が女性医師なので、現場も働きやすくなっていると思います。これは親目線の意見ですが、コミュニケーション力も含めて彼女には適応能力があると思います。人と接するのが苦手では、患者さんの診療をするという医師の仕事は難しいですから。彼女は子どもの頃から感情が安定していて、落ち着きのある子でした。気持ちも弱いほうではないと思っていたので、そういった意味でも医師に向いていると思います。
お二人から見て岡部院長はどういった医師だと思われますか?

【瑠理子先生】とても仕事熱心な医師だと思います。患者さんのために無理をしてでも全力を尽くし、休みの日もずっとクリニックで仕事をしているような仕事一筋の人です。父のような医師には出会ったことがないと思うほどです。そうした父の患者さんへの思いが、患者さんからの厚い信頼につながっているのだと思います。
【寛仁先生】病気ではなく、患者さんを診る医師だと思います。私が感銘を受けた言葉に「diseaseでなく、illnessを診ろ」というものがあります。院長はその言葉を体現されていて、毎日夜遅くまでクリニックで患者さんのデータを整理して、いつも患者さんのことを考えています。そうした信念を私も受け継ぎたいと思います。
早期発見・早期治療に向け主訴以外も総合的に診る
岡部院長は全身管理を大切にして診療されてきましたが、今後もそこは変わらずにいかれるご予定ですか?

【岡部院長】はい。生活習慣病を中心に、がんや特殊な病気も含めて、患者さんの全身をしっかり診ていければと思います。病気は早期発見・早期治療が大切です。そのために検査機器も新しいものを取り入れ、HbA1cや脂質、尿検査などは即日結果を確認できます。また、検査技師や糖尿病に詳しい看護師なども在籍していますので、専門クリニックに匹敵するチーム体制で今後も患者さんを診ていきたいと思います。
【瑠理子先生】糖尿病の治療法も日進月歩なので、常に最新の情報を確認しながら新しい治療も取り入れていきたいと思います。当院に入職して、総合病院にいた時以上に、プライマリケアにおける早期診断・早期治療の必要性と重要性を強く感じました。父を見習って患者さんの全身管理を積極的に行っていきたいと思います。
内分泌疾患、とりわけ糖尿病については新たな取り組みも始められたそうですね。
【瑠理子先生】徐々に糖尿病患者さんの数が増えてきたので、今後は定期的に糖尿病教室を開催する予定です。普段の診察でも、患者さんとじっくり話すことを心がけているのですが、診察時間内に伝えきれなかったことを、場所をつくって患者さんにお伝えできればと考えました。患者さんも、診察時に遠慮して質問できなかったこともあると思うので、気軽に質問できる機会になればうれしいですね。
今後の展望についてお聞かせください。

【岡部院長】基本的にはこれまでと変わらずに診療を続けていく予定です。ただ、私も70歳なので、内視鏡検査は徐々に少なくなるかもしれません。ですが、頼りにしてくれる患者さんがいる以上、辞めるわけにはいかないと思っています。今取り組まなければならないのは、スタッフの働きやすさです。二診制になり、患者さんも増えているので、受付業務や検査が逼迫しています。このままでは患者さんにも不利益となってしまうので、できるだけ早く業務効率化を図って解消していきたいですね。