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越智 清純 先生の独自取材記事

まごころクリニック行徳

(市川市/行徳駅)

最終更新日:2021/07/28

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行徳駅から徒歩5分の立地にある「まごころクリニック行徳」は、訪問診療をメインとする地域密着型のクリニックだ。同院では通院が困難になった患者に対して、医師や看護師が定期的に訪問して診察や治療を行っている。2021年4月から診療に携わっている越智清純先生は「ご自宅で療養生活を続けているとさまざまな問題も出てくるでしょう。そんな問題一つ一つに対して相談しながらきめ細かく対応できるのが訪問診療の大きな利点だと思います」と話す。越智先生が訪問しているエリアには90代や100歳を超えている患者も多く、今後ますます高齢化が進む中、訪問診療はさらに重要性が高まるという。越智先生に訪問診療について話を聞いた。
(取材日2021年4月23日)

患者や家族の身近な存在としてきめ細かく対応

こちらは訪問診療をメインとしていますが、訪問診療とはどのような医療なのでしょうか。

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訪問診療は何らかの理由で通院が困難になった方や、退院後に自宅や施設で療養が必要な方などに対して、医師や看護師がその方の居宅を定期的に訪問して診察や看護を提供する医療です。寝たきりの方だけでなく、長距離の移動に不安のある方、認知症などによって外来で待つことが難しい方、脳梗塞の後遺症や事故などによるまひ、神経難病など重度障害の方など、さまざまな患者さんにご利用いただいています。住み慣れた地域や自宅でゆっくりと療養しながら、できる限りこれまでどおりの日常生活が過ごせるようサポートするだけでなく、最期は自宅で、というご本人やご家族の希望をかなえられるよう看取りも行っています。訪問エリアは、市川市全域、浦安市全域、船橋市一部ですが、ほかにも鎌ケ谷市、松戸市、江戸川区についてもご相談いただければ可能な限り対応しています。

具体的にどんな治療や処置を受けられるのですか?

最初にご本人やご家族などと相談して診療計画を立て、それに従って診療を行います。医師と看護師の訪問は基本的に月に2回ですが、急に体調が崩れた場合は往診というかたちで診療に伺います。訪問先では、体温や血圧、呼吸状態、栄養状態の確認、服薬状態といった全般的な体調管理から、患者さんの症状に応じて酸素吸入や人工呼吸器の管理、中心静脈カテーテルの留置、経管栄養の管理、気管内吸引、床ずれのケア、人工肛門の管理、緩和ケアなどさまざまな処置に対応しています。また、脳卒中や脳梗塞、認知症、パーキンソン病に対しても継続的加療が可能です。さらに最期のお看取りまでご家族に寄り添いながら患者さんを見守っていきます。

訪問診療の利点としてはどんなことが挙げられますか?

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患者さんの体調や病状に応じてきめ細かく対応できるのが、訪問診療の大きなメリットです。ご家族が看護や介護を行っていると、いろいろな問題が出てきますが、そんな問題に一つ一つ丁寧にお聞きして、プロの視点からどんな医療を行うのが最も適切か解決策を見いだし、フットワーク軽く対応できる点が病院での医療とは大きく異なると思います。がんの緩和ケアを病院で受けるとなると、慣れない環境で不安やストレスも大きくなります。ですが、ご自宅にお帰りになると、ご家族と一緒にゆったりとした時間を過ごせます。人生の最終段階をご自宅でその方らしく過ごせることは、その方にとって大きな価値があると思います。

看護師や事務、地域医療のスタッフとの連携が重要

診療の際、どんなことを心がけていますか?

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患者さんやご家族と信頼関係を築けるよう、よくお話を伺っていろいろな点からサポートできるよう努めています。ご自宅で看護や介護を行っていると、さまざまな疑問や不安が生じたりストレスを感じたりすることも多いと思います。そんなご家族をねぎらいながら、問題点や不安に感じていることをしっかり伺って一緒に問題解決し、より良い在宅医療につなげるようにしています。訪問診療ではお看取りも重要ですが、やはりご家族との間に信頼関係がなければ良いお看取りにはなりません。ですので、ご家族とはできるだけコミュニケーションをとって信頼関係を築いていきたいと思っています。

スタッフ間の連携も重要ですね。

訪問診療はまさにチーム医療で、医師と看護師、事務スタッフとの連携がとても重要です。看護師らスタッフとは電子カルテの共有のほか、通信アプリを使って連絡を密にとり、患者さんの情報を迅速に把握できるようにしています。今後はさらに情報共有の効率化を図り、訪問診療がよりスムーズに行えるシステムをつくっていきたいと考えています。訪問は月に2回ですが、当院の看護師は皆コミュニケーション能力がとても高く、限られた短い時間でも患者さんやご家族の気持ちをしっかりくみ取って、悩み事や相談に親身に乗ってくれています。各家庭の状況に即して適切な生活環境のアドバイスもできますので、何か困ったことがあれば相談していただきたいですね。

地域の福祉介護スタッフや近隣の病院との連携についても教えてください。

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訪問診療を円滑に行うには、ケアマネジャーさんや福祉施設のスタッフやヘルパーさん、各自治体のスタッフなど、地域医療に携わるさまざまな職種の人たちとの連携も非常に重要です。当院のスタッフはこれまで地域のケアマネジャーさんや福祉施設のスタッフの方々と「顔の見える関係」を築き上げてきていて、患者さんやご家族のために親身になって尽力してくれています。近隣の病院とも密な連携体制を整えていて、体調が急変した場合は、症状や患者さんのご要望に即して東京ベイ・浦安市川医療センターや順天堂大学医学部附属浦安病院、東京歯科大学市川総合病院、江戸川病院など、適切な病院に迅速に紹介しています。

住み慣れた場で暮らせる在宅医療は価値ある医療の一つ

先生のこれまでのご経歴を教えてください。

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宮崎大学医学部を卒業後、東京大学大学院医学系研究科の病因・病理学講座で博士号を取得し、その後、東京都立墨東病院や東京大学医科学研究所附属病院、国立がんセンター中央病院などで血液内科を専門に診療してきました。また、東京大学医科学研究所の幹細胞治療研究センターで研究員を務め、幹細胞の基礎研究や幹細胞を用いた造血細胞分化に関する研究、人工知能を使った白血病の治療の研究にも従事し、一時期は、京都大学iPS細胞研究所との共同研究に参加したこともあります。このほか、都立墨東病院では救急医療に携わっていたこともあり、その時の経験が今の訪問診療において役立っていると思います。

長年研究に携わってきた先生がなぜ訪問診療を行おうと思われたのでしょうか。

研究も臨床も、両方しっかりと行える医師になりたいと思ったのです。特に訪問診療は、地域の中に入って患者さんやその家族をサポートする医療で、病院医療とはまた別の価値ある医療だと思います。これまで病院では急性期だけを診ることが多かったのですが、急性期を終えた患者さんがご自宅でどのように過ごしているか、病院の医師は知ることができません。その点、訪問診療では長くずっと患者さんを見守ることができます。医療や社会の問題点もいろいろと見えてきますし、今後、訪問医療を取り巻く環境の改善に少しでも寄与できればと考えています。実際、地域に入ってみますと、超高齢者と言われる90歳以上の方々がとても多いのですね。90代や100歳を超えた方から見ると70代80代はまだ若いという感じです。今後はさらに超高齢化が進みますから、訪問診療の重要性も高まると思います。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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今後はよりスムーズな訪問診療を行えるようなシステムをつくっていきたいと考えています。訪問診療について悲観的なイメージを持っている人も多いようですが、それはまったくの誤解です。訪問診療ではご自宅でクリニックとほぼ同様の診療を受けられますし、住み慣れた環境で暮らすことができます。病院医療の隙間を埋める一つの医療のかたちとしても、価値ある医療だと思います。在宅での療養を考えている方や介護保険の使い方がわからないなど、当院ではどんなことでも相談に乗っていますのでぜひ一度ご連絡ください。

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