安斉 昌照 院長、北山 幸太郎 先生の独自取材記事
あんざい歯科医院
(相模原市南区/小田急相模原駅)
最終更新日:2025/04/11

小田急相模原駅直結のショッピングモール1階にある「あんざい歯科医院」。このビルが建つ前から駅前で地元の歯の健康を守ってきたかかりつけクリニックだ。2016年に安斉昌照先生が父より院長を継承し、変わらず地域に貢献し続けているが、診療スタンスは大きく変化した。「従来の悪いところだけを治す歯科医療ではなく、お口全体の健康維持をめざし、ひいては体の健康にもつなげる『健口』を理念としています」と安斉院長。その実現のため、3Dスキャナーに位相差顕微鏡、マイクロスコープ等を駆使した精密な治療を行い、インプラント手術にも対応。良質な医療の提供をめざし、歯科医師・スタッフが力を合わせて取り組んでいる。チームを率いる安斉院長と、口腔外科出身の北山幸太郎先生に同院の診療の特徴について語ってもらった。
(取材日2025年3月3日)
従来の歯科医療から飛躍してさらなる実績を
まずはクリニックの特徴、強みについて伺います。

【安斉院長】当院の最大の特徴は、患者さん自身の「健康意識」を高め、虫歯や歯周病といった口腔疾患の負のスパイラルから脱却をめざすという、明確な理念に基づいた診療体制です。従来の歯科医療では「痛いところを治す」ということに終始していますが、当院では患者さんの口腔内状態を詳細に把握し、将来的なリスクまで見据えた予防に力を入れています。例えば水を流しっ放しにして水があふれていたとします。そのあふれた水を一生懸命くみ出して拭いているのが従来の歯科医療の考え方でした。一方、何が原因であふれているのかを突き止め、蛇口を閉めたり配管を修理したりして水を止めましょうというのが、僕たちの掲げている「健口志向」ということになります。
いつから「健口」という理念のもと治療を行っているのですか?
【安斉院長】この場所で父の代から開業していて、僕は2016年に継承したのですが、当初から「健口から健康へ」という理念を掲げています。「痛いところを治す」のではなく、患者さんの口腔内状態を詳細に把握し、将来的なリスクまで見据えて、お口の中をすべて治し、すべてきれいにすることをめざします。そして、継続的なケアによってそうした「健口=お口の健康」を維持していくんです。それはお口だけでなく、全身の健康を維持することにつながると考えています。継承した当初は、この理念はまだまだ展望でした。いくら声高に「予防」をうたっても時間をかけて継続しないと成果が出たかどうかはわかりません。「あんざい歯科医院」からこの理念を発信し、実際に患者さんと共有し取り組んできたことが、今、現実になっているという実感がありますね。
「健口」の維持に向け、具体的にどのような取り組みをされているのでしょう。

【安斉院長】治療を行うにはまず、患者さんの口腔内のどこがどのように悪いのかをきちんと把握しなければなりません。そのために当院では、デジタル技術を駆使した精密な検査・診断と、丁寧なカウンセリングを徹底しています。初診時にはカウンセリング室で、問題のある箇所と内容を具体的に説明し、今後の治療計画について相談させていただきます。その際、オーラルスキャナーを用いて口腔内を3次元的に捉え、全体を詳細に見ていただきつつ、状態を視覚的にもわかりやすく提示することで、問題点への理解を深めてもらっています。同じように位相差顕微鏡を用いた細菌検査では、実際のお口の中で動いている細菌を可視化することで、歯周病や虫歯治療への患者さんのモチベーションと予防への意識を高めていただきたいと考えています。
院内一丸となって「健口」という理念を追求してゆく
カウンセリングはどなたが行われるのでしょうか。

【安斉院長】僕も行いますが、当院には北山幸太郎先生と小山佑先生という若い歯科医師が在籍しているので、彼らが担当することもあります。初診の患者さんに対しては基本的にエックス線写真を撮り、3Dスキャナーで口腔内をスキャンするなど精密な検査を行います。その後、検査結果について歯科医師、歯科衛生士、スタッフで会議の時間を設け、皆で治療方針や患者さんへの対応についての会話を密に行い、その上で患者さんにお伝えをするようにしています。
カンファレンスのほか、勉強会やミーティングも積極的に行っているとか。
【北山先生】私は口腔外科出身で、外科的治療が専門ですが、症例検討会などを開催し、全員で学び合うことで、歯科医院全体のレベルアップをめざしています。ミーティングは単なる指示伝達の場ではなく、皆で意見を出し合い学び合う場。その結果、クリニックの総意として個々の患者さんに合った治療計画を提案することができ、どの患者さんにも安定した医療の提供が担保できています。もちろん私も意見を言いますし、私自身の学びにもなっています。こうした継続的なコミュニケーションによって、スタッフ間での情報共有がスムーズに行われ、患者さんへの対応や治療方針に一貫性を持たせることができていると思います。
スタッフ間の密な連携が、診療の質の向上につながっているのですね。

【安斉院長】毎日の朝礼でも当院の理念を大切にしてもらっています。人というのはどうしても「自分のためにする」とすぐ考えてしまいますが、何かをするとき、判断するときに「健口」という理念を念頭に置くと、おのずと行動が変わってくるんです。つまり、自分ではなく誰かのためにどう動くか。「健口から健康」になるためには、何をするのが一番か。それが、もちろんクリニック内での患者さんへの対応や判断の基準にもなりますし、「少なくともこのぐらいの知識は必要だ」と、みんなが自分で切磋琢磨するきっかけにもなっているんですね。僕が提案したり指示したりしなくても、先生方だけでなくスタッフのみんなが自主的に勉強会やウェビナーに参加したり、院内で開催したりしています。
緻密な検査と治療にさらに磨きをかけ地域に貢献したい
診療で心がけていることは?

【安斉院長】当院では全ユニットが半個室になっていて、内2台にマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を備えています。口腔内の観察と検査に使用されている歯科医院は多いと思いますが、当院では顕微鏡を用いた精密な治療を積極的に行っています。患者さんが気にされている箇所だけでなく、お口の中全体の問題点をすべて治し、それを維持するのが当院のめざすところですが、そのために精密な治療は欠かせません。例えば虫歯1本の治療で、削った箇所に詰めるセメントが少しはみ出てしまったとします。実は特別なことではなく肉眼での治療では発生しがちなミクロなエラーなのですが、それが次の虫歯の原因になることもしばしばあります。そうした通常の治療では見落としがちな、非常に小さな虫歯や歯周病の原因菌、神経の異常なども、顕微鏡を用いることで的確に発見し、治療することができます。
どのような経緯で先生は今の理念を持たれたのですか?
【安斉院長】そもそも私は歯科麻酔科出身で、術後の症状や神経の病気などさまざまな症例を見てきました。自分はそうした病気を起こさないための歯科医療を行いたいと思ったのが一つ。もう1つはインプラント治療に対する思いです。インプラント治療は、失った歯を補い、噛む機能を取り戻すための手段ですが、一度で済まず、追加で何度もインプラントの手術を受けに来られる方がいます。精度の高いインプラント治療を行うことも大事ですが、歯を失って追加のインプラントをしないで済むお口の環境づくりも非常に大切だと考えています。そこを突き詰めると、インプラントがない社会が理想だなと考えるようになりました。歯を失う人をゼロにすることは無理でも、自分が関わった患者さんが予防に目覚め、その結果健康な歯を維持できるようになるほうが、歯科医師としてやりがいを感じます。
今後の展望について伺います。

【安斉院長】口の中の健康が体の健康につながるという理念は今後も追求していきたいです。あとはマイナス1歳から100歳までの健康予防にきちんと取り組んで、かつ患者さんのデンタルIQを高めていくこと。この3つを軸に、このデジタル時代にマッチした仕組みをつくっていきたいですね。僕が継承して以降の最大の変化は、北山先生、小山先生が入職してくれたこと。さらに管理栄養士も加わって、さらに患者さん一人ひとりにより良いサポートができる体制が整いました。皆のチーム力を最大限に生かして、今後もこの相模原市を拠点に、地域の皆さんの健康意識を変えるべく、もっともっと貢献していきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療 /46万2000円~(基本的なインプラント埋入手術から上部構造装着まで)、マイクロスコープを用いた精密根管治療/11万円~16万5000円、セラミックインレー/6万6000円~、オールセラミッククラウン/11万円〜