野村芳子小児神経学クリニック

野村芳子小児神経学クリニック

野村芳子 院長

頼れるドクター

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病気に対する理解を深めて、適切な治療を受けてほしい

―小児神経学分野の病気の兆候はどんなところに現れるのでしょうか。

一人ひとり症状が異なる場合が多いので兆候を見分けるのは難しいのですが、早く対処することでその後の進行を抑えることもできますので、親御さんはぜひ注意してお子さんを見てあげてほしいと思っています。例えば自閉症であれば通常3歳までは確定診断はできないといわれていますが、しかし3歳から治療するのともっと早期に治療を始めるのとではその後の症状にかなり差が出ることが多いのです。生まれてひと月の子どもでも、おとなしくて泣かない、色が白く、筋肉が柔らかいなどの場合は一度病気を疑って専門家の診療を受けてみてください。何もなければそれで良いと思いますし、環境要因が深く関わる場合が多いと言われている病気ですので、早期に睡眠のリズムを整えてあげ、ハイハイの年齢になりましたら手足の交互運動を促すことを指導してあげるだけでも症状をやわらげることができる可能性が高くなるはずです。また、5歳頃のお子さんが、足を引きずったり夕方になると疲れて動けなくなってしまうなどの場合は瀬川病が疑われるのですが、この病気の存在を知らない親御さんは整形外科や精神科に連れて行ってしまうことがあります。瀬川病は稀な病気ですがぜひこのような病気の存在を知っていていただき、適切な時期に適切な治療を受けていただきたいと思います。

―発達障害という言葉は最近よく聞くようになった気がします。

そうですね。でも実は以前からあった病気なのです。今は病名がつくような子どもでも、昔は「あの子はちょっと暴れん坊だね」とか「言葉を覚えるのが少し遅いね」というくらいで、性格として受容される社会でした。今は一定の基準に入らない子どもを発達障害としてある意味疎外してしまうのですね。それはあまり良いことだとは思いませんが、社会の変化ですので仕方ない部分もあると思います。また、実際に都市部においては発達障害のお子さんが増えているという研究結果もあります。昼夜の区別のない生活で睡眠のリズムが悪く、テレビを見たりゲームをする時間が長いと、例え病的な状態にならなかったとしても脳内のモノアミン神経系の変調をきたしホルモンや情緒にも影響を与えてしまいます。ですから親御さんは、お子さんの脳が発達する段階では、ぜひしっかりと生活を管理していただきたいと思います。

―患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

特に親御さんへの接し方には心を砕いています。自分の子どもが神経難病にかかってしまったという事実は、親御さんにとって大変な心配になるはずですから。その上で、親御さんとはしっかりコミュニケーションを取って治療を進めるようにしています。お子さんの脳の状態を改善するには、環境要因、すなわちご家族やお友達、周りの人との関わり方が大きな要素になりますから、周りの方、特に親御さんのご理解を得ることがとても重要です。また、長くつきあう病気ですから、今自分の病気はどこまで研究が進んでいるのか、どんな治療法があるのかといったことを患者さんご自身やご家族がよく知っておくことも重要ですので、患者の会を結成して情報共有を行うようにしています。



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