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患者と家族の不安や緊張に寄り添い
信頼関係を築く障害者歯科

森田歯科クリニック

(富田林市/川西駅)

最終更新日:2025/08/04

森田歯科クリニック 患者と家族の不安や緊張に寄り添い 信頼関係を築く障害者歯科 森田歯科クリニック 患者と家族の不安や緊張に寄り添い 信頼関係を築く障害者歯科
  • 保険診療

知的障害や身体障害による体の不自由や緊張、恐怖感により、歯科診療をためらうケースも少なくないだろう。そんな特別な配慮を必要とする患者の対応を、障害者歯科は担っている。大阪府富田林市にある「森田歯科クリニック」では、障害者歯科において豊富な経験を持つ森田幸介院長が、自閉スペクトラム症をはじめ、知的障害や身体障害がある幅広い年齢層の患者の診療にあたっている。大切にしているのは、千差万別な患者それぞれに必要な時間をかけて治療に慣れてもらうこと、そして患者に付き添う家族や施設職員を含めて密なコミュニケーションを取り、信頼関係を築くこと。丁寧で穏やかな雰囲気の森田院長に、障害者歯科における診療の進め方や同院での工夫について、話を聞かせてもらった。

(取材日2025年7月8日)

患者一人ひとりに必要な時間をかけて慣れてから治療を開始、 家族や施設職員を含めた信頼関係の構築を重視

Qこちらの障害者歯科ではどのような方を受け入れているのですか?
A
森田歯科クリニック 車いすなどでも通院しやすいように院内はバリアフリー設計

▲車いすなどでも通院しやすいように院内はバリアフリー設計

身体障害の方もおられますが、知的障害や自閉スペクトラム症の方が比較的多く、3歳くらいのお子さんから軽度の知的障害でグループホームにお住まいの若い方、高齢者に近い方まで幅広い年齢の方がいらしています。他院での受診を断られたことをきっかけに来院いただくことも多く、一般的な患者さんと同じ限られた時間枠の中での治療が難しかったというお話をよく聞くんです。当院ではその枠を一旦取っ払って、30分、1時間などと、その方に必要な時間を使って対応しています。そのため「治療をどんどん進める」というスタンスではなく、患者さんが慣れてから次のステップへ進むことをご理解いただけるような説明も大切ですね。

Q障害者歯科における設備や体制に特徴はありますか?
A
森田歯科クリニック 一人ひとりに合わせた説明方法や治療を心ががけている

▲一人ひとりに合わせた説明方法や治療を心ががけている

診療台周辺は余裕を持ってスペースを取り、お連れの方にそばにいていただけるようにしています。完全にドアが閉まる個室も一つ設けていますので、大声を出してしまう患者さんなど、必要な場合にご案内しています。スタッフに対しては勉強会への参加を推奨しているほか、私からも、個々の障害にはどんな特徴があるのかレクチャーしています。また障害者歯科では、患者さんが一人で来院し、治療を受け、帰っていくという多くの歯科とは違う状況が多いので、身体的な急変がないか、急に動きそうな気配がないかなど、ケガや事故につながることのないよう、常に目配りをすることもスタッフ全員で心がけている部分です。

Q治療に入る前のカウンセリングについて教えてください。
A
森田歯科クリニック 全身状態を把握しながら、患者の様子を確認しながら治療を行う

▲全身状態を把握しながら、患者の様子を確認しながら治療を行う

患者さんの情報を、一緒に来られたご家族や施設の方から伺うことが重要です。他院で治療を断られた方も多いので、何が嫌だったのか、どこが怖かったのかをよく確認します。障害のある方は「どこが痛い」という訴えを自分で伝えられないことも多く、診療台に寝ることができるか、歯ブラシで触れたり鏡を口に入れることができるかなど、状況も人それぞれです。その患者さんがどういった方なのか確認に時間をかけています。また、私は障害に関する知識を持ち、経験を積んだ上で取り組んでいるので、対応できるということを言葉で明確に伝えずとも「あなたのお子さんは大丈夫ですよ」という雰囲気を出すことで安心していただけるよう心がけています。

Q治療の際にはどのような工夫をなさっているのでしょうか?
A
森田歯科クリニック 知的障害や身体障害がある幅広い患者の診療にあたっている

▲知的障害や身体障害がある幅広い患者の診療にあたっている

初めは最低限の歯ブラシと鏡だけを出して、慣れていくにつれて使う道具を増やしたり、治療の時間を伸ばしたりしていきます。カウント法といって「1、2、3……」と数えながら治療を進めることで、いつまで続くのかわからない不安の解消につなげたり、「今日は6まで頑張ろうね」と目標を立てることで頑張れるようにしています。また、私のほかにもう1人アシスタントをつけ、全身状態を把握しながら治療を行っています。障害者歯科では、患者さんが不安やパニックに陥ることで治療中に体が動いてしまい、事故につながることも。治療中は一本の歯に集中しがちですが、一呼吸置いて、体の動きがおかしくないか配慮することが大切です。

Q患者さんやご家族が安心できるよう配慮されているのですね。
A
森田歯科クリニック コミュニケーションを取りながら、信頼関係を築くことが重要

▲コミュニケーションを取りながら、信頼関係を築くことが重要

そうですね。患者さんご本人に慣れていただき、ご家族や施設の方と信頼関係を築いて、次も来院していただけるように努めています。通常の歯科診療では患者さんと「一対一」でのやりとりになりますが、障害がある方はご本人からの発信が少ない場合が多いので、私とアシスタント、そしてご家族や施設の方を含めた「一対三」のように、一人の患者さんに対するコミュニケーションや信頼関係が複数にわたらないと障害者歯科は成立しません。患者さんとの間だけで完結しないよう、ご家族や施設の方への説明や会話も大切にしています。

ドクターからのメッセージ

森田 幸介院長

実際の診療内容は、虫歯や歯周病の治療など通常の歯科と変わりません。当院ではほとんどありませんが、体の動きをコントロールする必要があったり、事故につながる可能性があったりする場合は、大きな病院に紹介させていただいています。障害者歯科では、発達障害のあるお子さんなど、これまでできなかったことができるようになった姿を見られることや、ご家族や施設の方が患者さんを連れて来院し続けてくださることに二重の喜びを感じます。障害者歯科の経験も長くなり、さまざまなケースに対応できる自信もありますので、ご本人との相性もあると思いますが、選択肢の一つとして選んでいただけると良いなと思います。

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