松場 大二郎 院長の独自取材記事
そらいろ歯科
(八尾市/河内山本駅)
最終更新日:2025/09/10

近鉄大阪線の河内山本駅のすぐそばにある「そらいろ歯科」は、地元密着型の歯科クリニック。優しい香りが漂う院内はやわらかな色調で整えられ、清潔感にあふれている。院長の松場大二郎先生は大学卒業後、滋賀県立成人病センター(現・滋賀県立総合病院)の口腔外科・麻酔科など、総合病院で口腔外科を中心に多くの診療経験を積んできた。特にインプラント治療を得意とし、国内外で習得した豊富な知識を生かして、さまざまな症例に対応している。「人が好き」だと話す松場院長のモットーは、患者と正直に向き合うこと。専門的になりがちな治療内容を、ウイットに富んだ語り口でわかりやすく説明するよう心がけている。気さくな人柄と専門性の高い治療で多くの患者に寄り添う松場院長に、じっくり話を聞いた。
(取材日2023年3月9日)
患者と何でも話せる関係を築き歯科への苦手意識を解消
開業までの経緯を教えてください。

東北大学歯学部を卒業後、滋賀県立成人病センターの歯科口腔外科と麻酔科、滋賀医科大学の口腔外科に勤務し、街の歯科医院では対応が難しいような手術や専門的な治療の診療経験を積みました。個々の歯だけではなく顔面全体としてトータルで診療すること、患者の全身の状態を管理しながらの治療や、持病がある方への歯科治療なども幅広く学び、現在の僕の大きな土台になっていると感じています。開業は当初から考えていました。患者さんとより近い距離で診療を行いたいと考え、梅田や難波のような大都市圏ではなく、地域の人、地元への貢献ができる場所を探しており、縁あってこの場所での開業に至りました。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?
2015年の開業以来、お子さんから高齢の方まで幅広い患者さんにご来院いただいています。午前中は高齢の方や近所の病院への診察と合わせて来られる方が、お昼過ぎからお子さんやご家族連れの子育て世代が、そして夕方以降は会社帰りの方が多くいらっしゃいます。当院の名前「そらいろ歯科」も歯科診療への怖いイメージを和らげ、すべての世代が通いやすい優しそうな表現にしたいとの思いで名づけました。「ちょっと入れ歯が痛いから、そらいろさんへ行こうか」と気軽に思ってもらえるよう、親しみやすさをイメージしてひらがな四文字にしたんです。月曜・水曜は22時まで診療しているのは、働き世代の通いやすさを考えた結果です。また突然起きた不調でも患者さんをできるだけ断らず受け入れられるよう、体制を整えています。
診療の際に心がけていることはどんなことですか。

患者さんが悩んでいることや、今後の治療方針などをフレンドリーに話し合える信頼関係を築き、一般的なことも専門的なことも、丁寧に説明するように心がけています。歯科には、治療方法の選択肢がたくさんあります。例えば、歯が1本なくなったときには入れ歯、ブリッジ、インプラント治療、さらには移植や矯正などの方法があります。それぞれの違いなどを理解してもらえるように説明し、「あなたにとってこの治療方法がどうなのか」という情報を、わかりやすく提供することが大事だと思っています。歯科には怖いイメージがあったけれど、話しやすいし怖くなかったと言ってもらえたらうれしいですね。また、お子さんの場合、押さえつけて無理やり治療することは絶対にしたくありません。場合によっては治療はせずに、その子と遊ぶこともあり得ます。乳歯は1度生え替わりますから、苦手意識を改善し、通うのが楽しくなるまでゆっくりお付き合いします。
国内外で得た知識を生かしてインプラント治療に注力
先生の得意な治療について教えてください。

虫歯を含む一般診療の経験も長く、審美歯科などにも満遍なく対応していますが、もともと口腔外科で経験を積んでいたので、インプラント治療や噛み合わせの治療、奥歯の治療などが得意です。中でも注力しているのは、インプラント治療です。世界的な視野で考えた時に、歯科医師として何か一つ長けた分野をつくり、自分なりの頂点をめざしたいと考えたんです。僕にとっては、それがインプラント治療でした。一般的な歯科治療は補うことが中心ですが、失った歯を完全に補充することをめざすのがインプラント治療です。治療に必要な機器などは高価な物も多いのですが、設備の充実にも気を配っており、常に新しい物を取り入れています。
海外の勉強会にも積極的に参加されているそうですね。
日進月歩で進化するインプラント治療の知識を常にアップデートさせ、より良い治療を提供していきたいと考え、積極的に参加しています。日本人と欧米人では人体構造はもとより、治療基準も方法も少し異なるので、その違いも学びたいと思ったのです。論文や症例の提出、試験などさまざまなハードルもありますが、勉強することが好きなんでしょうね。それに、知識を増やすことは、最終的に患者さんの利益につながると考えています。世界の勉強会で出会う先生方は技術や勉強、経営面も含めた医療への貢献がしっかりできている人ばかりです。同世代や10歳20歳上の世代で「一生歯科医師!」という情熱を持って燃えている人に会うと刺激になりますし、視野が広がります。
先生だからこそ提供できる治療はありますか。

国内外で得た知識と経験を生かし、患者さんにとって最善のインプラント治療を提供したいと考えています。さまざまな症例に対応しており、他院で治療を断られたケースでも対応できることがありますので、ご相談いただけたらと思います。とはいえ逆の場合もあって、他の治療方法が適していると判断したときは、正直にお話しします。例えば、ブリッジにしたほうが費用面で負担が少ないケースや、矯正のほうが隙間が美しく埋まると判断したケースなどです。もちろん、医学的に不可能な場合やインプラント治療が向いていない場合も、事実をはっきりとお伝えしますし、それが歯科医師の役目だと思っています。また、当院での対応が難しい症例の場合、他院の歯科医師を紹介できるようにも体制を整えています。
スタッフ一丸となり質の高い歯科医療の提供をめざす
院内の環境づくりで気をつけているのはどのようなことですか。

リーダーはあえてつくらず、僕自身もいちスタッフという気持ちを忘れず、気軽に接してもらえる環境づくりをめざしています。幸い、スタッフ同士仲が良く、また定着してくれており、良い雰囲気でやれています。中には、開業当初から働いてくれている人もいます。診療前の準備をはじめ、何がどこにあるかまで全部把握してくれていて、スタッフ自身が教育マニュアルのようになってくれているので、とても頼りにしています。患者さんのこともよく知ってくれていて、長年通われている患者さんのことは、電話でお声を聞いただけでわかるくらいに仲良くなっていますね。
今後の展望や抱負をお聞かせください。
僕は人が好きですし、人を大切にしたいという思いをずっと持っています。開業すると、経営面ばかりが気になって経営者目線になってしまうこともあると思います。もちろん健全な経営は質の高い治療を提供するために必要です。しかし僕は、土台は医療人であるべきだと考えています。そのベースは大切にしていきたいですし、利益は患者さんに還元するべきだと思っています。ありがたいことに開業以来、たくさんの患者さんが、長く通ってくれている方もいます。当院を選んでくれた患者さんと、縁あって働いてくれているスタッフ。当院に関わるみんなが幸せになれるように、当院でしかできないこと、当院で働いているからこそできることを提供していきたいですね。
読者へメッセージをお願いします。

僕のモットーは、患者さんに正直にお話しすることです。それが歯科医師としての責務だからです。患者さんは、虫歯がほとんどない方と多くの歯に虫歯があるという方に、二極化が進んでいると感じています。その背景には「歯医者嫌い」があるのではないかと思っています。歯が痛いけれども治療が怖いから行かない、行かないから症状がどんどん悪化するという負のスパイラルがあるのではないでしょうか。これを改善するためにも、患者さんが不安や疑問を伝えやすいフレンドリーで気さくな対応を心がけ、正直にいろいろなことをお伝えしようと思っています。インプラント治療はもちろん、歯の痛みや欠けなど突然の不具合にもすぐに対応できるよう、スタッフ一同で体制を整えていますので、お子さんから高齢の方、仕事帰りの会社勤めの方まで、ぜひお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(一式)/38万円~42万円