全国のドクター13,667人の想いを取材
クリニック・病院 157,052件の情報を掲載(2025年4月24日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 富田林市
  4. 富田林西口駅
  5. ますみ小児科
  6. 益海 大樹 院長

益海 大樹 院長の独自取材記事

ますみ小児科

(富田林市/富田林西口駅)

最終更新日:2025/01/15

益海大樹院長 ますみ小児科 main

大阪府富田林市の閑静な住宅街にある「ますみ小児科」。医院前の看板にはかわいい動物たちが描かれ、診療に訪れる親子の心を和ませてくれる。前院長の益海利恵氏が約30年前に開業して以来、地域の小児科医療に貢献してきた同院を新たに受け継いだのは、前院長の息子である益海大樹院長。日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を持ち、これまで大学病院や地域の基幹病院の小児科で経験を積んできたが、「これからは自分の育ったこの街の医療に貢献したい」と優しい笑顔で話す。前院長が長年続けてきた丁寧で温かみのある診療スタイルはそのままに、新鋭の医療知識や技術を駆使して、今まで以上に地域住民に頼られる医院をめざしている。益海院長に、医院継承までの経緯や同院でのアレルギー診療の体制、小児科医療に対する思いなどを聞いた。

(取材日2024年11月27日)

大学病院で感じた、子どもの成長に寄り添える喜び

医院を継承されたきっかけは何ですか。

益海大樹院長 ますみ小児科1

実は数年前から、前院長である母は、この医院を閉じようかと考えていたのです。しかし新型コロナウイルスの第一波の流行が始まったことで、閉じるに閉じられなくなってしまいました。それから数年たって流行が少し落ち着いたところで、今度こそ医院を閉じようかという話になったのですが、この医院がなくなってしまうと患者さんが困るだろうという心配は残ったままでした。また、私自身は大学病院で勤務していたのですが、ちょうど体力的な負担を感じ始め、この医院を継ぐことが両親への恩返しになるのではと思っていたところでもありました。そしてやはり第一に、これからは自分の育ったこの街の医療に何かしらの形で貢献したいという思いが強くなってきたことから、継承することを決めました。

継承して大きく変わったところ、逆にこれからも受け継いでいきたいところはどんなところですか。

電子カルテを導入した他、オンライン予約にも対応できるシステムを整えました。お薬はこれまで院内と院外に分けて処方していたのを、院外処方のみに切り替えました。また、私は日本アレルギー学会アレルギー専門医なので、小児アレルギー科を診療科目に加えました。受け継ぎたいところとしては、患者さん一人ひとりに向き合う丁寧な診療を基本とするところでしょうか。母が院長だった時は、患者さんから「優しい」とか「笑顔がかわいい」とか言ってもらえていたので、そういう親しみやすさは私も引き続き大事にしないといけないと思っています。

小児科の医師をめざされたのは、やはりお母さまである前院長の影響が大きかったからでしょうか。

益海大樹院長 ますみ小児科2

母が小児科で働く姿を間近で見ていたわけではないのですが、自分の進路を考える時には小児科医を選択肢に含めていたので、やはり母の影響は受けていたと思います。成人の内科医になろうかと考えた時期もありましたが、大学病院で研修医をする中で、成人と違って子どもはとても素直に自分の気持ちを表してくれることを実感し、未来ある子どもの成長に貢献できる小児科医の仕事にやりがいを感じるようになってきました。NICU(新生児特定集中治療室)に入っていた赤ちゃんが大きく成長していく様子を見られるだけでなく、時には感謝をつづった手紙を渡してもらえたり、退院してからもわざわざ病棟まで会いに来てもらえたりして、とてもうれしかったことをよく覚えています。そういう時が、小児科医で良かったと思える瞬間ですね。この医院でも、患者さんからちょっとしたことにも感謝してもらえるように頑張らなくてはと思っています。

アレルギーの治療は子どもの気持ちを尊重しながら

アレルギー診療を専門にしたのはなぜですか。

益海大樹院長 ますみ小児科3

大学病院に入局した当初はアレルギーの患者さんが年々増加していた状況でした。そこで、アレルギー診療を学べば、いつか医院を開業した時にでも役立てられるかなと割と安易に考えたことが、アレルギー診療を専門にしたことの始まりです。しかし、きちんとした考えをもとに指導してくださる先生と出会い、教育体制の整った環境に身を置くうちに、腰を据えて勉強していこうという気持ちに切り替わりました。アレルギーのグループに属してからは多くの研究や論文に携わることになったのですが、これも医師としての大事な仕事の一つなのだということがよくわかりました。勉強を重ねるうちに研究へのやりがいが出てきて、開業への思いを忘れるほど研究に打ち込む日々を過ごしました。

アレルギー専門の外来を新設されて、患者さんにとってますます頼りになる医院になりますね。

私が院長になったことで、患者さんから「アレルギーの先生が来てくれて相談しやすくなりました」と言われるようにもなりました。食物アレルギーになって特定の食べ物を除去しないといけなくなると、生活にいろんな制限がかかってしまうようになるので、それを少しでも緩和して除去の解除をしていけるよう、お役に立てたらと思っています。そのように、大学病院などで得たアレルギーの専門的な知識や経験をこの医院で生かしたいと思っていますが、今はとにかく一般的な症状の困り事やちょっとした悩みなど、何でも質問しやすいような環境を整えて、一人ひとりの患者さんを大切にして丁寧に診ていくことも大事だと思っています。

地域の医院としては珍しい「食物経口負荷試験」も受けられるそうですね。

益海大樹院長 ますみ小児科4

「食物経口負荷試験」とは、アレルゲンと考えられる食べ物を実際に院内で医師の管理のもとに少しずつ食べて、食べても症状が出ない量はどれくらいかを調べる検査です。食べ物の完全除去を続けるよりも、少しでも食べられる量が見つかれば、患者さんの生活の質がより上がってきます。今ではメジャーになってきていますが、医師がアレルギーに精通していないと難しい試験です。地域の医院で実施されているところはあまり多くはないと思います。当院でも、私に大学病院での経験があるとはいえ、実施するかどうかは問診や血液検査などを経てから慎重に決めます。また、本人がその食べ物を食べたがらない時は、無理して検査を進めるようなことはありません。お子さんの気持ちを尊重し、実施する日を延期したりする場合もあります。

些細なことでも気軽に相談してもらえる小児科をめざす

診察の際、どんなことに配慮されていますか。

益海大樹院長 ますみ小児科5

診察では親御さんがきちんと納得されているかどうか確認し、終わった後には必ず「他は大丈夫ですか」とお聞きするようにしています。すると、診察中に聞きそびれたことについてお話ししてくださることが多いので、最後の声がけはとても大事だと思います。お子さんが怖がって泣いている時は、できるだけ早く処置して「終わったよ」と安心させてあげるようにしています。不安そうな表情で診察室に入ってくるお子さんもいますが、パッと見て元気そうなら「何も痛いことはしないと思うよ」と言ったり、何か処置をする場合でも「ちょっとだけ痛いの我慢してね」、「頑張ったね」などと声をかけています。痛みを和らげてあげられるわけではないのですが、なるべく不安のない状態で受診して帰ってもらえたらと思います。

お休みの日はどんなふうに過ごしておられますか。

最近は、カブトムシやクワガタムシを繁殖させて飼育することにはまっています。もともと田舎育ちで男3人兄弟だったこともあり、子どもの時から昆虫採集をしたり川に入って遊んだりすることが好きだったのです。中学生や大学生の頃はバスケットボールに熱中していたので昆虫のことは一旦忘れていたのですが、社会人になる頃に上の兄に誘われて久しぶりに昆虫採集に出かけた時、また昔の記憶がよみがえってきたような感じで、楽しくなってしまって。最近は小学生と年長の子どもたちも昆虫に興味を持ち始めたので、夏場は一緒に近くの山に虫採りに行っています。でも飼育にまでは興味がないらしく、私一人で育てています。

読者へのメッセージをお願いします。

益海大樹院長 ますみ小児科6

前院長の頃と同じように丁寧で優しい対応を心がけ、地域の皆さまに信頼していただき、「ここに行けばなんとかしてくれるんじゃないか」と思ってもらえるような小児科をめざしていきたいです。何か症状が出た時に「何科に行ったらわからない」ということもあるかと思いますが、悩むくらいなら一旦こちらにご相談ください。小児科で診られる症状ではない場合も多々あるので、そういう場合は外科や耳鼻咽喉科、皮膚科など、症状に応じた適切な診療科をアドバイスしたり、信頼できる病院を紹介させていただいたりします。どんな些細なことでも気軽に相談していただけたらと思います。

Access