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佐藤 研 院長の独自取材記事

はまみこどもくりにっく

(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)

最終更新日:2019/08/28

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新築医療モールの一画、広くとられた待合スペースの中央で、ひときわ目をひく鉄道模型は、院長自らが組み上げたものだという。市主導のプロジェクトにより生まれ変わりつつある茅ヶ崎南西部の住宅街・浜見平地区に2015年オープンした小児科医院が「はまみこどもくりにっく」。日本小児科学会小児科専門医、日本小児神経科学会小児神経専門医である佐藤研院長による診療は、一般外来に加えて、てんかん、けいれん、発達障害などの専門外来の枠も設け、ST(言語聴覚士)と二人三脚で診療を行っている。院長がめざすのは小児科に限らず、外科から皮膚科、子育て相談まで、「なんでも相談できる地域のプライマリケア拠点」。自然治癒力を生かすために、なるべく薬を使わないなど、「子どものため」を最優先にした医療の提供を心がけているそう。ご自慢の自作鉄道ジオラマをバックに、クリニックのなりたちや今後のこと、めざす医療についてなど、熱のこもったお話を聞かせていただいた。
(取材日2015年10月6日)

一人の子どもを継続して診療し、その成長を見守りたいと開業を決意

まずはこの場所での開業に至られた経緯を伺えますか?

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生まれは世田谷、育ちは町田、大学に通ったのは仙台と旭川なのですが、縁あって8年前より茅ヶ崎市立病院の小児科医長を務めさせていただいてきました。茅ヶ崎という街は、一度暮らしてみると分かるのですが、とにかく住みやすいのです。私はマリンスポーツはしませんが海に近いだけでなく、街としての機能も十分にそろっている上、少し足を伸ばせば山や温泉などのリフレッシュスポットにもアクセス至便。すっかり気に入って、「開業するなら茅ヶ崎で」と思うようになりました。浜見平地区は現在、市が街の再開発に取り組んでいるのですが、医療モールに小児科が必要だとお声がけいただいたことが直接のきっかけです。長く住んでいるので土地勘もあり、また市立病院で診ていた患者さんもここなら通っていただきやすく、継続して診られるということも決め手となりました。

もともと、「いつかは開業」という思いはあったのですか?

総合病院に長く勤めるうちに、「一人の子どもを継続して診て、その成長を見守りたい」という思いが強くなったことから、開業を意識するようになりました。さらに、私は国立精神神経センターで学び、小児神経科を専門として、発達障害の子などを積極的に診てきました。現状では、そうした傾向にある子の親御さんが相談したいと思っても、受け皿が大変厳しいという事実もあったのです。これまでは小児の精神科の医師に相談することが多かったのですが、予約を取ろうと電話をかけても3ヵ月待ちなんてこともざら。待っている間に子どもたちはどんどん成長してしまい、発達のチャンスを逃してしまうかもしれない。そうした気がかりがある子どもたちの相談の場を作りたいというのも、当院を開業したきっかけです。

こちらでは発達障害やてんかんの専門外来枠も設けていらっしゃるとか?

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水曜午後と第一・第三土曜午後14時半からを専門外来枠としてご用意して、ADHD(注意欠陥・多動症)、LD(学習障害)、ASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害や、てんかんなどの診療を行っています。一般外来に関しては当日の順番受付予約のみの対応ですが、専門外来はお一人30分ずつの完全予約制で対応させていただいています。また、当院にはST(言語聴覚士)が常勤しており、診察と並行して言語療法や療育も行っています。気がかりのあるお子さんの相談先として、ぜひご利用いただきたいと思います。

必要でない薬は出さない、飲ませない。子どもの将来を考えた診療が基本

どのような患者さまが多くいらしていますか?

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ちょっとした風邪から切り傷、打ち身などの外傷、アレルギーやアトピー性皮膚炎などの皮膚のお悩みなど、さまざまな症状でご来院いただいています。小児科に限らず、外科、皮膚科の症状から発達・発育の相談まで、「なんでも相談できるプライマリ・ケア拠点」というのが当院の理想ですので、それに合致しているといえます。かつての小児科は風邪を中心とした感染症を診る科でしたが、予防接種のおかげで乳幼児の重症感染症は激減しています。その一方で、核家族化が進み、世に処理しきれないほどの情報があふれる現代環境での子育ては、ストレスフル。親御さんのストレスは子どもたちの精神発達に大きな影響を与えるといわれます。そこで当院では、できる限り子育てのストレスを軽減するよう、子育て相談をお受けし、アドバイスを行うなど、積極的に子育て支援をしています。発育、発達やアレルギーの子への食対応など、なんでも気軽にご相談いただきたいですね。

診療の際に心がけていらっしゃることは?

今の子どもたちは「薬漬け」の状態です。当院では子どもの自然治癒力を重視し、必要なものを除いてなるべく薬を使わない診療を心がけています。風邪に「念のため」と抗生物質を処方するドクターはまだまだ多いですが、ウイルス性の風邪に抗生物質は効かないどころか、腸内の良い細菌まで殺すことで風邪症状を長引かせてしまったり、耐性菌をつくることで、実際に細菌感染した時に抗生物質が効かなくなってしまったりという可能性も。風邪に伴う咳や鼻水、発熱はすべて体がウイルスに対抗する正常な反応であり、それらの症状を抑えるための薬は本来必要ないものなのです。不安なお母さまなど、どうしても薬を出して欲しいというご要望にはお応えするようにもしていますが、風邪には薬が必要ないということをきちんとお伝えしていきたいと思います。子どもの将来を考えると、飲むのは必要最低限の薬にとどめ、本来備わっている自然治癒力、免疫力ですね、これを伸ばすことの方が大切ですから。

子どもの将来を考えた、子ども中心の診療ということですね?

子どもの視点に立ち、それぞれの子どもにとってベストな診療をするというのは、当院の基本理念です。また、将来を担う子どもたちが、心身ともに健やかに成長することを助けることも大切であると考えています。まだ幼い子どもたちは、彼らにとって必要なことを求める声をまだ持っていません。そのために、私たち小児科の医師など子どもたちと関わる大人が代弁者となる必要があるのです。子どもたちのために社会へのさまざまな提言や啓発活動を行うことを「アドボカシー」と言いますが、これも小児科の医師の重要な役目なのです。

子どもたちが本当に必要としている医療を実践されているのですね?

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医療は日進月歩で進んでいます。例えば、喘息の治療や食物アレルギーへの対応など、10年経てば真逆の対応が主流となっているなんてこともあたり前にあるのです。また、医療にはまだ分かっておらず、経験に頼る部分も沢山あります。医療に正解はなく、また個々によってベストの治療も異なるのです。この事実を念頭において、一人ひとりの子どもと向き合うことが大切だと思っていますし、お母さま、お父さま方にも理解していただきたいと願っています。

発達障害児が社会で困らないよう、気がかりを相談できる受け皿に

発達障害について教えていただけますか?

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こだわりが強い、落ち着きがない、コミュニケーションが取れないなど、周囲との意思疎通や集団での行動に適応が難しいお子さんがいます。コミュニケーション能力、想像力、社会性や集中力など、特定の力が劣り、発達がアンバランスなために社会生活において困難を抱える子を発達障害といいます。発達障害は個性とも言えるその子の特性であり、ちょっとしたアドバイスや環境を整えることで、問題なく過ごせるようになる子も多くいます。当院では社会でできるだけ子どもが困らない、ストレスを溜めない生活をできるように、手助けを行っているのです。また、近年では発達障害児が増加傾向にあると言われますが、これには親との関わりが深く関係していると思われます。赤ちゃんの時からしっかりと目と目を合わせて語りかけるなどの対人刺激を受けることが少ないと、子どもの発達に影響が出てくるという考え方です。スマートフォンやTV、ゲーム機などに子守をさせず、お父さん、お母さんがしっかりと子どもたちと関わりを持つことが重要なのです。

ところで、待合室の鉄道模型は院長が自作されたとか?

はい。医療モール自体の完成が遅れたため、約20日という短期間での突貫工事となってしまいましたが(笑)、お子さんとご家族の方の会話が弾むきっかけになればと思っています。私は子どもの頃から電車が大好きで、一度は工学部に進学。医師になる前には東京都交通局に勤務して都電や地下鉄などの保守・管理業務を担っていた経験もあります。だから電車好きの子に喜んでもらえるとうれしいですね。それと、女の子や保護者の方も興味を持ってくれて、私に興奮して話してくれるのは意外でしたが楽しいですね。電車と並んで好きだった昆虫に関しては、環境の変化からか最近「好き」と言ってくれる子が少ないようで、少し寂しく感じています。

今後はどのようなクリニックにしていきたいですか?

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親御さんとのコミュニケーションを大切にして、信頼関係を築けるクリニックであり続けたいと思っています。どんなアドバイスも啓発も信頼関係があってはじめて有効となるもの。子どもに関わる大人同士が積極的に対話することで、お互いに信頼しあう環境が、子どもたちの健やかな成長には欠かせないのです。これまで聞けなかったこともどんどん聞ける小児科クリニックとして、セカンドオピニオンなどにも活用していただけるといいですね。これまで同居のおばあちゃんがしてきたような、育児にまつわる助言やアドバイスもしていきたいと思っています。気になることがあれば、ぜひご相談にいらしてください。

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