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岸 克自 院長の独自取材記事

岸歯科医院

(鹿児島市/谷山駅)

最終更新日:2021/10/12

岸克自院長 岸歯科医院 main

中山小学校や東谷山中学校からほど近い「岸歯科医院」は、2015年に開業。子どもやファミリー層から高齢者まで、幅広い年齢の患者が通う地域に密着した歯科医院だ。虫歯治療はもちろん、入れ歯、インプラント治療なども手がけている同院だが、院長の岸克自先生が最も力を入れているのは、虫歯や歯周病を防ぎ、歯と口の健康を保つための予防歯科。福岡出身の岸先生が中山に開業したきっかけや、予防歯科にかける思いを語ってもらった。

(取材日2020年5月28日)

大学病院などで重ねた16年の経験から予防歯科に尽力

歯科医師をめざしたきっかけや、中山に開業した理由を教えてください。

岸克自院長 岸歯科医院1

高校3年生で進路を考えた時に、資格を持って働きたいと思ったんです。教師や研究職も考えたのですが、できるところまで挑戦してみようと思い歯科大学を受験しました。合格後も実はまだ迷いがあり、学校の先生をしている親戚に相談したんです。すると、歯科医師には定年がないし、自分で方針を決めて、思うようにやれる職業の一つだと聞きました。広がりのある仕事なのかもしれないと感じ、福島にある東北歯科大学(現在の奥羽大学)に進学しました。開業場所に中山を選んだのは、鹿児島出身の妻の実家が近くにあるからです。私自身は福岡出身ですが、妻の地元で場所を探しているときに、中山はこれから人口が増えていく地域だと聞いたこともあり、ここでの開業を決めました。

地元を離れ、福島での大学生活はいかがでしたか?

福島のことを何も知らなかったので、かえって不安や心配はありませんでした。でも、食文化の違いには戸惑いましたね。最初は学食のみそ汁が口に合わなくて食べられなかったことも、今となっては笑い話です。親戚の言葉に背中を押されて入学した歯科大学ですが、授業を受けるうちに「歯科医師に向いているかも」と感じるようになりました。勉強についていくことはもちろん、治療には手先の器用さも求められます。実習でつまずく人もいるようですが、私は手先の細かな動作が得意で自信になりました。部活は友人に誘われてバドミントン部に入っていました。交流戦で、宮城や岩手の歯学部生とつながりができるのがありがたかったですね。この時に出会った友人の勧めもあり、卒業後は東北大学の大学病院で研修医として勤めることになりました。

卒業後のことを詳しく教えてください。

岸克自院長 岸歯科医院2

私が卒業した頃は、研修医の制度が整い始めたタイミングで、どこに勤めるか先生や先輩に相談していたんです。そんな時宮城の友人から「東北大学の大学病院は、患者さんが多くて忙しいけれどやりがいがあるよ」と聞き、そこに勤めようと決めました。せっかくならバリバリ働きたくて、体力勝負といわれることの多い口腔外科へ。研修医は2年間で、1年目は歯科の全体的なこと、2年目は口腔外科の専門的なことを学び、当直にも入りました。長時間のオペのサポートなど充実していましたね。2年勤めた後は、地元の福岡で勤務医としていくつかの歯科医院に勤め、14年経験を積みました。各歯科医院に特徴があり、吸収することは多かったです。30代、40代になると私にも家族が増え、少しずつ考え方も変わってきました。そこで開業をめざし、2014年頃から鹿児島で場所探しを始めました。

地域に根差し、子どもたちの歯と口の健康に力を注ぐ

先生が特に力を入れていることを教えてください。

岸克自院長 岸歯科医院3

一番力を入れているのは予防歯科です。虫歯や歯周病などを未然に防ぎ、自分の歯をなるべく多く残すため、継続的なメンテナンスが必要だと伝えています。ただ現状では、歯の痛みや噛み合わせの不具合を感じてから歯科医院に行く人が多いですよね。そういう場合にはまず治療を行い、治療が終わってからは3ヵ月ごとなど定期的なチェックを呼びかけます。鹿児島ではまだメンテナンスの重要性が十分に広まっていないこともあり、患者さんの中には「虫歯が治ったのにまた来ないといけないの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃいます。そんな方にも理解を深めてもらえるよう、待合室や診察室に予防歯科のポスターを貼り、診察の際には定期検診の大切さを丁寧に説明しています。

小学生向けの予防歯科にも力を入れていらっしゃるとか。

虫歯の治療は、後回しにされてしまうことが多いと感じています。例えばお子さんがやけどしたら、すぐに病院に連れて行くと思うんです。ところが「歯が痛い」と聞いても、「じゃあ今度の週末、仕事が休みの時に歯医者さんに行こう」となってしまうことが多い。そもそも歯科医院に苦手意識を持っている子も多いですしね。ですので、なるべく痛みの少ない治療を心がけているほか、小学生対象の「キッズクラブ」というシステムをつくり、子どもの予防歯科に努めています。フッ素塗布を受けに、虫歯リスクの高いお子さんは月1回のペースで通っていますよ。家で使っている歯ブラシを持ってきてもらい、ブラシが古くなっていないか、口の大きさに合っているか、きちんと磨けているかなどをチェックし、歯磨き指導も行います。

地域の中学校の学校歯科医もされていると伺いました。

岸克自院長 岸歯科医院4

はい。それまで学校歯科医をしていた先生が高齢で後任を探していると聞き、手を挙げました。今年で3年目になりますが、実は明日、新学期の検診で東谷山中学校に行くんですよ。2日間かけて400人ほど診ています。虫歯がある生徒には、治療に行くよう知らせるはがきが後日送られますが、学校保健委員会の報告によると受診率が上がってきているそうです。まだまだ高い受診率とは言えませんが、地域の子どもたちの歯と口の健康に携わることができるのはうれしいですね。中学生になると部活や塾などで忙しく受診しそびれる生徒が多いようなので、これからも学校歯科医として虫歯の治療や予防を呼びかけていきたいです。

患者に寄り添い、豊かな人生の手伝いをすることが使命

こちらへはどのような患者さんがいらっしゃいますか?

近くに小中学校がありますので、患者さんはお子さんやファミリー層が多く、障害のあるお子さんも治療に通っています。中には「以前、治療できつい思いをしたことがあって……」と親御さんから聞くことがあり、治療に怖いイメージを持つ患者さんもいるんです。私たちは、優しく声かけを行うことで待合室に入った時から明るい雰囲気に包まれるよう心がけ、少しでも不安を取り除けるように気を配っています。ですが、治療器具を使っているときなど体を動かすと危ないタイミングもありますよね。なので診察室に入ったら「ここは治療をするところだよ」「ここに来たら静かに治療をしよう」とルールを説明しています。診察が終わったら「とても頑張っていたね」とたくさん褒めます。真剣に向き合うことで信頼関係ができ、お子さんの成長を見守れるのもうれしいです。

具体的に患者さんが過ごしやすいよう工夫していることはありますか?

岸克自院長 岸歯科医院5

皆さん環境が違いますから、それぞれに寄り添えるよう待合室に工夫をしています。例えば虫歯の治療をしたいけれど子どもの預け先がなくて困っている方のため、キッズルームを造りました。キッズルームは受付から見えるようになっていて、親御さんも治療に通いやすくなっています。私にも小学生の息子が2人いるので、子育て世代の力になれてうれしいです。また、当院では入れ歯やインプラント治療も手がけているので、高齢の患者さんも多くいらっしゃいます。診察室から出てすぐの受付横にソファーを置き、最小限の移動で済むよう配慮しています。ちなみに待合室にはスタッフ手作りの冊子があり、イラストつきで虫歯や歯周病、たばこの影響などをわかりやすく説明してあるのでぜひ手にとってほしいです。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いいたします。

岸克自院長 岸歯科医院6

当院では「院長・スタッフは、私たち自身と地域の皆さんの人生を豊かにし、QOL日本一をめざす」ことを、当院の「使命」として掲げています。理念ではなく使命としているのは、地域の皆さんと一緒に人生を豊かなものにする、そのために尽力することが私たちの使命、つまり役割だと思っているからです。この役割を果たし、「ここに治療しに来て良かった」「こんなに話を聞いてくれて、親切にしてもらえてうれしい」と患者さんに言ってもらえるような歯科医院をめざしています。未来の展望というより、現在進行系であり、将来的にもずっとそうでありたいのです。理念や思いだけでとどまるのではなく、そこからさらに踏み込んで行動に移すことを大切にしています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

・入れ歯(金属床)/1床20万円〜
・入れ歯(ノンクラスプデンチャー)/1床8万円〜
・インプラント/1本30万円〜
・床矯正/20万円〜

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