篠原 和幸 院長の独自取材記事
しのはら整形外科クリニック
(岸和田市/東岸和田駅)
最終更新日:2023/11/06

阪和線・東岸和田駅から徒歩7分の住宅街で、2015年から幅広く整形外科の診療を行う「しのはら整形外科クリニック」。院長の篠原和幸先生は、長年、病院で重症患者の手術や治療を診療を行ってきたが、人が自由に体を動かし、痛みに悩まずに豊かな生活を送るには、相談や検査、リハビリテーションに気軽に通える街のクリニックが必要と考えて開業に至った。篠原院長のポリシーは、「幅広く標準的な医療を提供すること」。特殊な治療を行うのではなく、患者の悩みに耳を傾け、必要な検査を行い、スタンダードな治療を提供し、精密な検査や手術が必要な場合は、近隣の医療機関との連携体制も整えているという。こちらの質問に対し、飾らない言葉で端的に答える姿に、篠原院長の実直な人柄が現れているように思えた。
(取材日2023年9月12日)
予防的医療で地域の人のQOL向上に貢献
医師としての歩みをお聞かせください。

天才的外科医が主人公の漫画に憧れて医師を志し、大阪医科大学に進学しました。大学卒業後は、母校の整形外科学教室に入局し、大阪や京都の病院で臨床経験を積みました。骨折や脱臼、靱帯損傷などの一般外傷や、運動器疾患では特にスポーツ障害や膝関節疾患を中心に診療を行っていました。手術加療と機能回復をめざす治療ですね。2003年から岸和田にある葛城病院に勤務し、そのうち2年半ほどは母校の大学院で研究に携わりました。当院を開業したのは2015年になります。
院長はなぜ、整形外科を専門に選んだのでしょうか。
高校時代からラグビーをしていて、当時はけがは日常茶飯事。幸い手術に至る大けがはしませんでしたが、しょっちゅう整形外科のお世話になっていました。特に膝や足首の負傷が多かったですね。そうした経験から、なじみのある整形外科を専門に選びました。特にスポーツに特化した医療を行おうとは思っていなかったのですが、高校の後輩があるラグビーチームのチームドクターをしていた縁で、試合に帯同するなど協力していたこともあります。
開業の経緯をお聞かせください。

医師になったときから、いずれは開業したいという思いはありました。しかし、病院の勤務医として重症の患者さんに手術を行う中で、予防的医療を提供できる身近なクリニックも重要だと感じるようになりました。痛くて我慢できないとか歩けないとか、そこまで悪化したら迷わず病院を受診すると思います。でも、軽症の患者さんが気軽に相談できるクリニックがあれば、通院やリハビリテーション、定期的な検査により、悪化を防いだり症状の改善を図ったりして患者さんの日常生活の質を高めることにつながり、健やかな日々を過ごせるサポートができるのではないかと考えたんです。そこで、手術が必要な患者さんはきちんと紹介できるように、葛城病院とも連携しやすくなじみ深い岸和田での開業を決意しました。
幅広く整形外科の標準的な診療を提供
こちらで行っている診療内容について教えてください。

骨折・脱臼・捻挫・打撲・靱帯損傷などのけが、肩凝り、腰痛、ぎっくり腰、股関節、加齢による関節症、手足のしびれ、腫瘍、関節リウマチ、骨粗しょう症など、幅広く対応しています。手術は行わず、保存的加療法を行っています。また、リハビリテーション室を設置し、理学療法士と連携して理学療法を用いた治療も実施しています。運動療法や温熱・電気療法などによる物理療法、けん引などですね。
どのような設備を備えていますか。
検査機器としては、エックス線撮影と骨密度測定の機器があります。リハビリテーション室には、ウォーターベッド、温熱療法に用いる機器、低周波・干渉波・中周波治療器、けん引器を備えています。いずれも、整形外科やリハビリテーション科の標準的な機器ですね。
診療の際にはどのようなことを心がけていますか。

できるだけ標準的な診療を提供することを心がけています。当院には、小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い年代の患者さんがさまざまなお悩みで来院されます。そのため、特殊な治療を行うというわけではなく、あまねく幅広く、あくまでスタンダードな治療を行えるように、日々心がけています。
気になることがあれば気軽に相談や検査に来てほしい
幅広くスタンダードな診療を提供しておられるとのことですが、得意分野についても教えてください。

勤務医時代は膝全般の手術が得意で、変形性膝関節症の骨切り術をメインに診療していました。当院では手術はしませんが、膝全般の治療は得意分野ですね。例えば、膝をねじるなどして膝の靱帯が断裂した場合、関節に針を刺して血液を抜いたり、サポーターで固定しながら筋力低下の予防を図ったり、可動域訓練を行ったりしつつ、手術が必要か判断し、連携する病院に紹介します。手術は必要な場合も、状態によってはすぐに手術せず、膝機能の回復のためのアプローチを優先させることもあります。また、膝の軟骨組織の半月板を損傷すると、曲げ伸ばしで痛みが出て、ひどいと膝に水がたまります。半月板はエックス線に映らないので、損傷が疑われる場合は、連携する病院でMRI検査をしていただきます。リハビリテーションやお薬で治療しますが、改善が見込めなければ、病院を紹介して手術を受けていただく場合もあります。
オフタイムに楽しんでいる趣味はありますか。
実は、5年くらい前からサックスを習っています。レッスン以外にも週に2回くらい練習するように言われていますが、平日はなかなか難しく、もっぱら週末に吹いています。管楽器というと肺活量が鍛えられるイメージかもしれませんが、意外と口の周りの筋力が必要なんですよ。サックスを吹くには、しっかり口を閉じてリードをくわえないといけないんですが、長時間演奏し続けると、口の周りの筋肉がつらくなってきて、安定した音を鳴らし続けるのが大変なんですよね。
最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

勤務医時代、重いけがを負った患者さんが、手術や機能訓練などがスムーズに進んだことで喜ぶ姿を見るのが、何よりのやりがいでした。現在は、かかりつけの整形外科クリニックとして、地域の皆さんが健やかに過ごせるサポートをしたいと考えています。当院では、予防を重視しておりますので、もし、痛みや違和感があるなら我慢せずに気軽に相談していただきたいですし、例えば関節痛など持病がおありの方は、歯科医院にクリーニングに行くのと同じように、定期的にチェックに来ていただきたいです。また、寝たきりの引き金になる骨折を防ぐためにも、65歳を過ぎたら骨密度検査で骨粗しょう症のチェックをお勧めします。