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腰原 公人 院長の独自取材記事

かがやきクリニック川口

(川口市/西川口駅)

最終更新日:2019/08/28

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「かがやきクリニック川口」は、大学病院をはじめ市中病院、介護老人保健施設、グループホームへの訪問診療など豊富な診療経験を持つ腰原公人先生が2015年に開業。内科、皮膚科、臨床検査科の3つの科に、「物忘れ相談」と「物忘れサポート相談」を通じた認知症治療にも力を入れており、ホームページなどでも情報発信も積極的に行っている。明るく緑がいっぱいの待合室で腰原院長に話を聞いた。
(取材日2016年9月23日)

急性疾患に対応した検査体制

木漏れ日が差し込んでいるような、素敵な雰囲気の待合室ですね。

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ありがとうございます。頂いた植物の緑が多いんですが、個人的にも緑が好きでこのような待合室になりました。「患者さん自身が輝く」という意味を込めて「かがやきクリニック川口」という名前にし、看板には明るいオレンジ系を選びました。もともとは東京医科大学病院に勤めていて、臨床検査や感染症対策に取り組んでいたのですが、足を悪くして電車通勤が難しくなったので退職し、両親がお世話になっていた介護老人保健施設長をはじめ、グループホームの訪問診療などを行ってきました。そんな経験から内科、臨床検査科、皮膚科に加えて認知症の方のご相談を受ける「物忘れ相談」と「物忘れサポート相談」も設け、認知症には特に力を入れて取り組んでいます。風邪や高血圧などの生活習慣病の患者さんは近隣の方、認知症のご相談は浦和やふじみ野、所沢辺りから電車を乗り継いで来られる方も多くいらっしゃいます。

「臨床検査科」という科名は初めて見ました。これはどんなものなのでしょう?

臨床検査医学は、まず、検査そのものを臨床の場で有効に活用すること、そして、国内のどの病院で検査を受けても同じ結果が得られるように、医療機関別の検査データのばらつきを標準化して誤差を少なくすることの2つが基本です。平たく言えば、検査をいかに診断・治療に役立てるかを追求する学問です。大学病院では十数年間この科の研究・臨床に携わっていたので、やはり標榜科としてここは譲れませんでした(笑)。検査の数値と病気は1対1の関係ではありませんから、検査結果を正しく生かすのはなかなか難しいですし、そもそも最も有効な検査を受けること自体も大切です。「健康診断で異常が見つかったけれど、次に何をすればいいの?」「ある病気が心配。どんな検査を受ければいいの?」などの相談も気軽に来ていただければと思います。

検査体制についても教えてください。

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診断のための検査には力を入れています。例えば、吐いて気持ちが悪いという訴えで来られた患者さんがいたとして、検査をしなければ胃炎と判断するかもしれません。しかし心電図検査で特異なパターンの出現や採血による肝機能検査で心筋由来の酵素の値の上昇があれば、急性心筋梗塞の場合もあります。そういう緊急性を要する疾患に対応できるように、肝機能・腎機能といった一般的な生化学検査にはなりますが、その場で結果が見られる検査装置を導入しました。また、一般的な特定健診・健康診断に加え、認知症のスクリーニング検査も実施しています。認知症は誰もが「私は大丈夫」と思ってしまいますが、体と同じで頭の機能もだんだんと落ちてくるもの。ただ自分でその状況を把握できていれば予防や将来の人生設計にも役立つので、活用してもらえればと思います。

認知症の本人・家族をサポート

「物忘れ相談」と「物忘れサポート相談」はどんなものでしょう。

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「物忘れ相談」は通常の内科診療の中に設けているもので、お話を聞いて、物忘れ・認知症レベルの診断と治療、必要なら認知症薬によるチャレンジテストを行っています。ただ「診療」となるとどうしても敷居が高く見られてしまい、「病気の相談はできても普段困っていることまでは相談しづらい」という方もいらっしゃいます。そこで診療とは別に、ご家族が日常の看護・介護で困っていることを看護師さんに相談してもらえる「サポート相談」を設けました。こちらは介護施設で認知症の患者さんを多くみてきた経験豊富な看護師さんにお願いしています。

認知症は、受診のハードルの高さも問題なのですね。

「認めたくない」という思いから受診拒否はどうしても起こります。なので、あらかじめご家族から、普段の生活状況や受診を拒んでいる理由を聞き、こちらの接し方、接した後にどういうふうに指導するかを変えるようにしています。認知症は昔は全部まとめて「老人性痴呆」で片付けられていましたが、最近ようやくいろんなタイプがあることがわかり、それぞれの治療法がある程度見えてきました。タイプに合ったお薬をきちんと使えば、進行を遅らせたり介護者の苦労を減らすことは可能です。ただ認知症の治療法はまだまだ医療機関にも浸透しきれておらず、「とりあえずこの薬を飲むしかないね。後はどうしようもないよ」という対応で、ご家族が心配して当院へ相談に来られた方もいらっしゃいますし、残念なことに認知症がある方の入院を敬遠する医療機関も多いのが現状です。医療機関、個人、社会全体で認知症に対する認知度を上げていく必要があると思います。

先生が診療の際に大事にされていることを教えてください。

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私は大学病院勤務が長かったんです。大学病院は各専門科ごとに分かれている世界。複数の科にかかっている患者さんのカルテを見て、「1人の先生がまとめて診てあげられれば、もう少し患者さんに合った医療を提供できるのに……」と思うことがよくありました。結局全体を見渡す人が誰もいないんです。病気はあくまで患者さん本人が治すもので、医師はそのサポートですが、サポートをするためには人間を診ないと始まりません。「認知症の症状が出たから薬で頑張りましょう」で片付く話ではなくて、大事なのはその人と家族にとってよい生活が送れること。幸い介護老人保健施設や訪問診療、グループホーム、特別養護老人ホームも経験してきたので、介護と医療を全体的にサポートしていけるような提案ができればいいなと思っています。

関心を持つことが予防への一歩

今後さらに取り組みたいことは?

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現在認知症の患者さんが数多く来てくださっているので、まずはその方々を継続して診ていくこと。それから、世間一般でまだ理解されているとはいえない認知症について、正しい知識を広めていくことです。認知症は個人によって度合いが違うだけで、誰でもなる病気。お年を召されれば歩く時に杖をつくように、頭にだって杖は必要です。その杖になってあげられる仕組みをつくっていかないといけないし、どうすればいいかみんなで考えられるような社会にしていかなければならない。そのためには、一般の人にもう少し認知症がどういうものか知ってもらうことが欠かせません。これまでにも勉強会は開いてきたのですが、今度地域で一般の人向けに認知症について話す時間をいただくことができました。今後も話す機会があれば、知識を広める活動を続けていきたいと思っています。

ご自身の健康やリフレッシュのためになさっていることはありますか?

趣味と呼べそうなものは正直これといってありませんね(笑)。強いて言うならば音楽を聞くぐらいです。生活リズムは結構一定化しているかなと思います。昔は山登りなんかもしていましたが、今は行けていないのが現状です。

最後に、読者へ向けて一言メッセージをお願いします。

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認知症は度合いの差こそあれ、誰しも発症しうる病気です。ただ最近、糖尿病の方がなりやすいとか、タバコを含めた生活習慣から血管にダメージが溜まると脳血管性の認知症になるなどがわかってきたことで、「予防する」という意識も必要になってきました。50歳を過ぎれば徐々に始まってきますから、他人事ではなく自分のことと考えて、若い時から生活習慣病だけでなく認知症の予防のためにも、日常生活に気をつける、健康診断を受ける、疾患があれば適切な治療を受けるといったことが大切だと思います。あとは、趣味はないと言ったばかりの私が言うのもなんですが、生きがいを感じられる趣味を持つこと。そうして輝きのある人生を全うしてほしいし、当院はそれを陰ながら全力でサポートさせていただきます。

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