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金田 悟郎 病院長の独自取材記事

相模原病院

(相模原市南区/小田急相模原駅)

最終更新日:2019/08/28

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約2km先にある北里大学病院とともに、相模原市南部の地域医療の中核を担う「相模原病院」。前身である「臨時東京第三陸軍病院」は天皇陛下の行幸を拝したこともあり、1945年厚生省に移管され国立病院となってからはリウマチ・アレルギー疾患の基幹施設として日本の免疫異常分野をリードしてきた。その後も総合病院として、また2次救急機関としての機能を強化し、現在27診療科と458床を持つ。東京ドームの約2倍に当たる9万平米以上の緑に恵まれた敷地内には、各所から中庭も望めて明るい外来棟、2008年に新築された5階建てで屋上には非常時にも役立つ太陽光発電を備えた病棟のほか、研究棟や職員宿舎、保育所等が点在する。第14代病院長である金田悟郎先生は、1991年に同院に入職して以来、専門である内視鏡設備の拡充をはじめ、総合病院としての診療体制強化に加え、入退院管理、医療情報管理などバックヤードの強化、災害時に地域を支える体制づくり、納涼祭など地域住民に向けたイベントの実行委員など、次々と現場指揮に情熱を注いできた。そうした地域における基幹病院としての取り組みや展望を聞いた。
(取材日2017年2月13日)

日差しが入り開放的、地域に根差す総合病院

相模原市南部地域の中核病院として存在感を放っていますね。

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当院は27診療科を有した地域医療支援病院です。相模原市は政令指定都市ですが、市立病院がありません。高齢化率は高いものの人口がまだまだ増加していく中で、市内の他の病院・診療所との連携を強化して地域完結型医療をめざしています。そうした中で連携登録医は400人を数え、2016年の地域から患者さんを紹介される紹介率は77%、地域にお戻しする逆紹介率は100%を超えるまでになりました。CT・MRIなど放射線検査機器の共同利用では、検査当日にレポートを作成して紹介元の先生にお届けするなど好評で、年間4000件もの病診連携検査件数となっています。救急医療体制については神奈川県北部の第二次救急医療施設に参加し、内科系・外科系・小児科・産婦人科の二次救急輪番制を採っております。今後はさらに相模原市や他の救急医療施設とも連携を取り、急患を断らずに済む体制に向け、ますます充実をめざしているところです。

災害時にも役割が期待されています。

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2011年の東日本大震災は、病院として考えさせられることの多い、貴重な機会でした。当時、統括診療部長だった私は、病院内外の現場の陣頭指揮に当たり、釜石まで2tトラックを仕立てて医療備品や備蓄食品などの支援物資を送る手配もしました。もちろん支援だけでなく、当院でも計画停電が実施されたことを受け、速やかに非常用電源対策の手を打ち、同年7月には病棟屋上に太陽光発電設備を備えました。災害時マニュアルの再整備ももちろんのことです。そうしたこともあって2014年には、神奈川県が医療救護体制の強化のため初めて指定した「災害協力病院」27施設の1つとして当院も指定を受けました。耐震構造や自家発電など一定の設備・機能を有し、発災時には地域の災害拠点病院と連携して傷病者の受け入れや治療を行うことを期待されています。

高齢者が増える中、在宅医療についてはどうお考えですか?

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患者さんのご自宅に行かれる訪問診療を行う在宅医の先生方や訪問看護師、介護士の方々はとても重要です。ただ、在宅療養というと医療的には慢性期ではありますが、具合が悪くなれば急性期医療が必要です。たとえば、肺炎になられる高齢者は相当多いはずで、しかも致死的リスクも高いものです。私自身、母の介護が必要で、しょっちゅう咳き込んでいて夜も寝られないことすらあります。そうした状況での在宅療養ですから、必要があればすぐ入院できる体制が地域に必要で、それには当院くらいの規模の病院がフットワーク良く対応するのがよいと考えています。そのため、後方支援病院として24時間365日体制での入院受け入れと、在宅患者さんの医療情報を地域医療機関で共有するシステム導入を行っています。従来は紙だった診療情報提供や検査データ画像のやり取りも電子媒体で行えるので速やか、かつスムーズです。

2016年には神奈川県がん診療連携指定病院になりました。

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当院はもともとリウマチ・アレルギー疾患の研究・治療施設として日本でも重要な位置を占めてきましたが、地域医療を担う総合病院としても各診療科の充実を図ってきました。私が入職した1991年4月からは、専門である内視鏡治療について治療設備や技術の拡充に努め、胃がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術も導入しました。同時期から大腸外科に対する腹腔鏡下手術も導入しており、大腸がんだけでも2017年1月現在まで600例近い手術を実施しています。がんについては、国の医療計画で求められる5疾病5事業の中でもとりわけ欠かせないものです。そのため、外科手術のほか抗がん剤、放射線治療、緩和ケアなど患者さんの病期や体調に合わせた治療選択のできる体制を整えています。2014年には放射線治療機器の新リニアック棟が完成し、診察室からも近くなって患者さんへのご負担も減りました。もちろん、より精度の高い治療も可能になっています。

職員の方を大切にされていますね。

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それはまず、医療は究極のサービス業であるからです。具合の悪い患者さんやご家族が遠慮なく訴えたりお話していただけるような雰囲気や環境をつくるには、医療者が優しく包み込めるようなメンタリティであるべきでしょう。そのために、職場環境・労働環境といったものを整えることには心を尽くしてきました。職員をハッピーにできれば、患者さんもハッピーにできると考えたのです。当院の長所は、職員が非常勤を含めても850人程度で、皆が仲良く顔が見える感じで声をかけられるぎりぎりの規模だということでしょう。安全管理など組織の目が行き届く関係でいられます。病院長の私からだけでなく、職員から見ても風通しは良いですね。意見や提案なども上がってきますから。毎年春秋に敷地内で行うバーベキューには、職員が家族も連れて400人は集まります。元ホテルのコックだった調理師が調理してくれますが、私自身も肉を焼いてふるまうんですよ(笑)。

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