松浦 崇 院長の独自取材記事
まつうら歯科クリニック
(西宮市/鳴尾・武庫川女子大前駅)
最終更新日:2025/10/09

阪神本線の鳴尾・武庫川女子大前駅から徒歩10分。武庫川や阪神甲子園球場からも近い住宅地に「まつうら歯科クリニック」はある。ダークブラウンを基調としたシックな内装と、子ども連れに優しい広いキッズルームも完備している。さまざまな歯科医院で経験を積んだ松浦崇院長がめざすのは、ただ口の中の虫歯を治すような治療ではなく、「全身を見た上で行う噛み合わせ治療」だ。トップウェイクスケーターとしての顔も持つ爽やかさ漂う院長に、その熱い想いを聞いた。
(取材日2019年10月7日)
家族ぐるみで通う、キッズルーム完備のクリニック
歯科医師になって、こちらに開業されるまでの経緯を教えてください。

この仕事を選んだのは、故郷の岡山で歯科医師をしている父の姿がきっかけですね。大学卒業後は、梅田のクリニックで4年間働き、歯周病の外科や補綴の勉強をしたことを振り出しに、さまざまなクリニックで手術や訪問歯科診療などの経験を積んできました。開業にあたりこの場所を選んだのは、西宮浜が近いから。実は私、歯科医師の傍らトップウェイクスケーターとしても活動しているんですよ。その活動の本拠地が西宮浜なんです。「やはり土地勘があるところがいいな」と思いまして。ちなみに妻もプロのウェイクボーダーなんです。
どんな層の患者さんがいらっしゃいますか? また、患者さんへの配慮にはどんなものがありますか?
ご家族だったり学生さんだったりいろんな方が来られますが、お子さん連れのお母さんが多いようですね。そういった患者さんのために、当院では一部屋を丸ごと使ったキッズルームを用意してるんですよ。クッションで囲ってあるので、転んでも大きなけがにはならないかと思いますよ。また、当院には保育士の資格を持ったスタッフもいるので、お母さんが治療を受けている間はスタッフがお子さんの様子を見ています。また、当院の治療スペースはすべて個室なので、周りに気兼ねなく治療を受けていただくこともできると思いますよ。
内装もおしゃれですね。

この内装は知り合いの大工さんにお願いしたものなんです。ダークブラウンをベースにしたシックな内装にしました。あまり壁に貼り紙をしたくないので、セミナーの修了証書などは飾っていません。また、蛍光灯はできる限り使わず、ダウンライトを多く使っています。もちろん歯の色を見るには蛍光灯が必要なので各部屋に用意していますが、照明は基本的に自然なダウンライトで、ぬくもりがある落ち着いた雰囲気にしています。院名も、もっとカッコいい名前にしようと思いましたが、地域の人を遠ざけてしまうのではないかと考えオーソドックスな名前にしました。
「噛み合わせ」は、体のバランスを左右する重要な要因
先生が提供するのはどのような治療でしょう。

「全身を見た上で行う噛み合わせ治療」ですね。歯科治療というと、口の中しか診ないイメージをお持ちの方は多いかと思います。しかし口は体の一部なので、口の状態が体全体に影響を及ぼすことも多いんです。肩や腰の凝りや腰痛なども噛み合わせが原因であることも多いですし、目などにも関わってきます。顔のパーツは、目も耳も鼻もすべてつながっているでしょう? だから、噛み合わせが悪いと視力に影響が出たりすることも。そのため当院では、眼鏡店と組んで目と歯の同時介入を行ったり、スポーツのトレーナーさんや柔道整復師さんと連携して治療を進めたりすることもあります。「マッサージをしても肩の痛みが治らない」と思っていたら実は噛み合わせに影響があった、ということは実はよくあることなんです。逆に「まずは歯の治療よりも整体に行ったほうがいい」という場合もありますよ。
「噛み合わせ」が全身に及ぼす影響についてもう少し教えてください。
噛む力というのは、だいたい100kgくらいの負荷がかかるといわれていますが、これがうまく噛み合わないと、頭蓋骨も変形しますし、首の骨も曲がってきます。全身のバランスが崩れてくるんですね。インプラント体を入れた患者さんでも、噛み合わせを調整しなかったために、症状が目の痛みとして出たこともありました。現在、他科の先生とも話をして、こういったデータを蓄積して、ほかの歯科医師の先生方にも広めていけたらと考えています。実は私も、同じく歯科医師をしている兄が噛み合わせ治療を行っていることに影響を受けて始めました。今も兄は3ヵ月に1回当院に来てくれます。これで多くの方を苦しみから解放できればと思いますので、もっと当院の取り組みについて広く知っていただきたいと考えています。
患者さんを診る際、どんなことに気をつけていますか?

「全身を見ること」です。診察室に患者さんが入ってきたら、歩き方から、爪先がどちらを向いているかなど、あらゆる点に目を配ります。その中で、患者さんといろんな話をしながら「ほかにどんな治療を受けているか」や「肩凝りの有無」、「視力の良しあし」などの情報を引き出し、体調を探りながら診療にあたります。歯の治療というのは、結果をすぐに感じやすいものなのでやりがいがありますね。よくスポーツ選手が試合の際にマウスピースをつけていますが、あれには「筋肉の緊張をリラックスさせるため」だけではなく、体のバランスを安定させる意味もあるんですよ。興味のある方はどうぞご相談ください。
「口は全身の一部」という意識を持ってほしい
スタッフさんについて教えてください。

私以外のスタッフは、歯科衛生士が2人と、助手が1人と、助手兼保育士が1人。私がスタッフに求めているのは、「自分たちで考えて責任感を持って患者さんに向き合う」ことですが、あまり口うるさく指示はしないことにしています。よほど患者さんに迷惑をかけたりしない限り、自主性に任せた仕事をしてもらっていますね。せっかく頑張って仕事をしてくれたスタッフには気持ち良く帰ってプライベートを楽しんでほしいので、余計なことは言いたくないんです。スタッフのみんなも私が何も言わないとわかっているので、いつもきちんとするべきことをしてくれています。
休日の過ごし方を教えてください。
だいたいは海にいますね。先ほどもお話ししたとおり、私はトップウェイクスケーターとして活動していますし、スポンサーさんもついてくださっているので、大会に向けて練習も行っています。最近は参加する大会の数は減ってきましたが、それでも年に3、4回はあります。それ以外だと、まだ小さい息子と一緒に海で船に乗ったり、スケートボードをしたりして遊んでいます。海にいるといろんな業種の人が集まるので、そういう方たちと話をすることもいいリフレッシュになりますね。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

今後も歯科治療を「全身の中の口腔を診る」というスタンスで深く追究していきたいですね。まだまだ着目されていない分野なので、救える患者さんはもっと出てくるはずです。それを、同じ道を志す兄と突き詰めていけたらと思っています。患者さんにも、口は「全身の一部」だという意識を持っていただきたいです。もし右足がなくなったとしたら、ただ歩けないだけでなく、さまざまなところに影響が出てくると思いませんか? 虫歯も一緒なんです。たかが1本の虫歯でも、全身のバランスがおかしくなる。この考えがどうか患者さんだけでなく、ほかの歯科医師の先生方の間にも広まっていってほしいと思います。