陸田 美樹 院長の独自取材記事
ひまわりデンタルクリニック
(川崎市幸区/川崎駅)
最終更新日:2025/04/07

川崎駅西口から徒歩5分の場所にあり、間もなく開業10周年を迎える「ひまわりデンタルクリニック」。小児から高齢者まで幅広い診療に対応し、誰もが安心して通える歯科をめざしていると語る陸田美樹院長は、大学病院の口腔外科で勤務した経験もある歯科医師だ。幼少期、ナイチンゲールの伝記に魅せられて医療従事者をめざしたという院長。その語り口は穏やかで物腰柔らかな印象だが、結婚、出産などでキャリアが中断しかけた際もその意思を貫き、これまで信念を持って地域医療に力を尽くしてきた。歯科は決して口の中のトラブルに終始するものではなく、全身の健康に関わるものだと語る陸田院長に、同院がめざす診療の在り方など、詳しく聞いた。
(取材日2024年12月9日)
大学病院で培った経験を生かし、幅広い診療を提供
開業10年という節目にあたり、振り返ってみていかがですか。

開業以来、患者さんからの信頼を大切に、お子さんからお年寄りまで安心して通っていただけるクリニックづくりに努めてきました。そして同時に、患者さんに支えられた10年でもあったと感じています。ご家族で通ってくださっている方やご紹介でいらっしゃる方も多く、たいへんうれしく思っています。当院は、幅広い年齢層の診療に対応するだけでなく、多種多様なお口周りのトラブルに対処できるよう開業当初より診療体制を整えてきました。矯正歯科の分野では専門の先生に月に1度来てもらっている他、週に何度か、根管治療やかぶせ物、詰め物などの分野を専門とする大学病院の先生方にも応援に来てもらっています。当院は小さな町のクリニックですが、大学病院レベルの知識・技術を生かした診療を行うことを目標にしながら診療を行っておりますので、地域の皆さんのお役に立てればと思います。
先生自身も大学病院にお勤めの経験があるそうですね。
日本大学の付属病院で口腔外科に勤務していました。口腔外科はお口の中から顎、顔面に生じるさまざまな疾患を治療する科で、手術も行います。歯科の中でも、より患者さんの全身に関わっていく領域なんですね。実は私の幼い時の夢は看護師になることで、「患者さんの全身のケアをしたい」という気持ちがその頃からずっとありました。それで何かしら医療関係の職に就こうとは思っていたのですが、歯科医師として開業していた父の影響もあり、お口の中から全身の健康をめざす、そんな歯科医師になりたいと考えるようになりました。その想いは今も変わりません。大学病院で患者さんの全身の健康に深く携わった経験は、現在の診療にも生かされていると感じています。
診療の特徴について教えてください。

当院では一般歯科をはじめ、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科に幅広く対応しています。虫歯治療というとすぐに削るというイメージがありますが、当院では自分の歯を長く残すために、削る範囲や痛みを最小限に抑えることをめざす治療を行っているのが特徴です。その他、私自身が食いしばりに悩んだ経験からマウスピースでの食いしばり治療にも力を入れています。食いしばりの自覚がなくても、歯がしみる原因は食いしばりによる歯のひびや欠けからきていることが多いのです。放置すると最悪、歯の神経を抜いたり、抜歯につながったりすることもあります。「肩こり」「頭痛」「目の疲れ」といった症状がある方は特に注意してください。当院では食いしばりの度合いを把握できるように顎の筋力測定器を導入しており、今後、噛む力を測定する機械も導入予定です。お子さんについては小児歯科を専門とする私の娘を中心に、ブラッシング指導から丁寧に対応しています。
信頼と安心につながる歯科診療を
予防にも力を入れているのはなぜですか?

お口の健康を守るためには、虫歯や歯周病の有無はもちろん、修復物や義歯に問題がないか定期的にチェックすることが大切です。また、全身状態が悪いと歯の土台となる歯茎や骨の状態も悪くなることがあるので、歯の定期検診は健康チェックの入り口にもなるんです。予防を意識し、長く自分の歯で食べることができれば、全身の健康にもつながっていきます。受診頻度としては本来3ヵ月に1度を目安に歯石やバイオフィルムの除去にお越しいただき、口腔内の菌を少ない状態にすることが望ましいのですが、忙しければ半年に1度でも構いません。ご自分のリズムで検診を受けていただき「きれいな状態に維持したい」という気持ちになっていただければうれしいですね。いずれは顕微鏡を導入して唾液中の細菌を調べる検査なども行い、予防にさらに力を入れていきたいと考えています。
診療において大切にしていることとは何でしょうか?
やはり患者さんに信頼して通っていただける歯科であるということが大切だと考えています。たとえ適切な治療を行ったとしても、患者さんとの間に信頼関係がなければ満足してはいただけないと思うのです。そのために、患者さんのお話をよく伺い、わかりやすくご説明することが肝心だと思っています。例えば、歯の根っこの治療というのは時間がかかるものですが、なぜ時間がかかるのかをきちんとご説明しなければ、「どうして通わなくちゃならないんだろう」という不信感につながってしまいます。そうすると治療自体が続けられなくなる可能性もありますから、丁寧な説明は欠かせません。歯の治療は口を開けて行うので、患者さんはうまくしゃべれず、会話が一方通行になってしまいがちです。だからこそできる限り時間を取り、患者さんの訴えや疑問をお聞きすることを重視しています。
患者さんとのコミュニケーションを大切になさっているのですね。

ご自身のお口の中の状態と治療の必要性をしっかりと認識していただくことで、納得して治療に臨んでいただけるだけでなく、患者さんの安心感につながると思うんです。そのために言葉でコミュニケーションを取ることはもちろん、当院ではマイクロスコープや歯科用CTといった先進の機器を導入することで、より視覚的に、よりわかりやすく口腔内の状況をお伝えするようにしています。また、衛生面でも安心して受診していただけるよう、当院では安全性に配慮して高い除菌力が見込める次亜塩素酸水を使用し、治療前の洗口や治療器具の清掃を行うなどの取り組みを実施しています。
地域医療にさらに貢献するべく、医科との連携もめざす
キッズスペースが親子連れに好評だそうですね。

親子連れでも気軽にお越しいただけるようにキッズスペースを作ったのですが、感染症の流行があって一時的に閉鎖していました。利用できなくて残念そうにしているお子さんや保護者の方がいらっしゃったので申し訳なく思っていましたが、ようやく開放できて良かったです。私にも経験がありますが、育児中は子どものことを優先して自分のことは後回しになってしまいがちですよね。私の場合、夜泣きに疲れ果てて唾液が少なくなり、虫歯になってしまったということがありました。ですから、小さなお子さんがいらっしゃる方でも遠慮せず、お子さんの検診をチャンスだと考えていただき、ぜひお子さんと一緒にメンテナンスを受けていただけたらと思います。
今後の展望についてお聞かせください。
これまで培ってきた知識や診療技術を地域の皆さんに還元していくために、クリニックとして何ができるだろうと考えています。私個人や当院でできることには限りがありますが、今後歯科医師会に入会することで、例えば学校の歯科検診に従事したり、介護の分野で多方面と連携したりするなどして、より大きな視点から地域の皆さんのお力になることができるのではないかと思っています。お口の健康は全身の健康への入り口ですから、歯科だけでなく今後は医科とも密に連携を取り、地域医療に貢献できれば幸いです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

予約をキャンセルしたことを気兼ねして足が遠のいてしまう方がいらっしゃいますが、そんな遠慮はしないでください。当院は、必要な方のためにいつでも扉を開けている、安心して通っていただける歯科でありたいと思っています。20時まで診療していますので働き世代の方もお気軽にお越しください。小児歯科では今後マウスピース型装置を用いた矯正にも対応していく予定ですので、お子さんの歯並びに関するお悩みもご相談いただければと思います。歯科医師に言いづらいことがあれば、受付や歯科衛生士に伝えていただいても構いません。スタッフ間で情報共有を徹底していますので、その点についてもご安心ください。皆さんがリラックスして安心して通えるクリニックになることをめざし、今後も努力してまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/小児矯正:22万円~、成人のワイヤー矯正:70万(全顎)、成人の部分ワイヤー矯正・1歯:10万円~(検査・装置代含む)