都丸 誠 院長の独自取材記事
そがさくら歯科
(千葉市中央区/蘇我駅)
最終更新日:2025/12/18
蘇我駅から徒歩で15分。「そがさくら歯科」は青葉の森通り沿いにある。院長の都丸誠先生は、東京医科歯科大学大学院で高齢者歯科を研究後、ホスピスに力を入れる静岡の病院で緩和ケアなどに携わった経験を持つ。さらに研究や教育の分野でも活躍。乳児の診療から高齢者のターミナルケアまで幅広い実績を重ねてきた。近年では提供する歯科医療の選択肢を増やすためにセラミック歯を削り出すCAD/CAMシステムやマウスピース型装置を用いた矯正などを導入し、時代のニーズに合わせた歯科医療を提供している。「口の中の健康維持を通じて全身の健康に貢献し、ひいてはその方の幸せに寄与」したいと理念を語る都丸院長に、5年、10年先を見据えた歯科医療への思いについて話を聞いた。
(取材日2025年6月11日)
幅広い年齢層への臨床経験を生かす
なぜ歯科医師をめざされたのでしょうか。

もともとは小児科の医師になりたいと思っていました。というのも、子どもたち、次の世代のために貢献したいという強い思いがあったのです。学生時代の夢は、国際的に緊急医療を行う組織の一員として活躍することでした。アフリカなどにあるフランス語圏の国で、農業をしながら子どもたちを診ていきたいとも思っていましたね。農業は生活の基盤として重要ですし、フランス語も好きでしたので。でも、歯科医師としても小児科の医師と同じように次世代を担う子どもたちのためにできることはたくさんあると思っています。当クリニックの理念は、「口の中の健康維持を通じて全身の健康に貢献し、ひいてはその方の幸せに寄与する」ことですが、子どもたちだけでなく高齢者まで幅広く貢献していきたいです。
幅広く診療の経験を重ねられてきたそうですね。具体的に教えてください。
大学卒業後、東京医科歯科大学大学院で高齢者歯科を専攻しました。歯は全身疾患との関連が深く、高齢になると生活習慣病も発症しやすいので、体全体の健康を考えながらの歯科医療を学びました。当時は少子高齢化が問題になってきた頃で、高齢者歯科のニーズが高まると予測したのです。その後、ホスピスに力を入れている静岡の総合病院に勤務しました。歯科医師としてターミナルケアに取り組み、摂食嚥下障害についても学びました。さらに2つの大学では助教をしながら分子生物学や環境医学の研究や、衛生学、予防歯科などの教育にあたってきました。乳児の口腔衛生に携わっていたこともあります。このように0歳児や障害がある方の診療、高齢者のターミナルケアまで幅広い経験を持っていることが私の一つの強みでもあると思っています。
診療の際、大切にしていることはどんなことですか?

一人ひとりの健康状態を考慮して、単に見た目や一時的な結果にこだわるのではなく、長期的に見て有用となる治療を行っていくことを心がけています。体全体のことを見据えて、今、どのようにアプローチするのが最善かということも考えます。例えば、免疫抑制剤やステロイド外用薬を使用している方は感染症にかかりやすく、歯周病や誤嚥性肺炎になりやすいため、より丁寧な口腔ケアを提案し、指導しています。またエックス線検査などの検査を十分に行い、歯の状態だけでなく顎の骨の状態などもしっかりと確認していきます。医療はエビデンスが重要といわれますが、歯科においても同じです。感覚に頼るのではなく、客観的なデータに基づいた治療が大切ですね。
時代のニーズに合わせCAD/CAMシステムを導入
CAD/CAMシステムを導入されたそうですね。

これは、口の中をスキャンして、コンピューターで詰め物やかぶせ物の設計を行い、その補綴物をセラミックの塊から削って作っていく一連の工程を行う機械です。まずは光学スキャナーで口腔内を撮影します。石膏を使った従来の型採りですと、いくつもの工程を踏む中で実際の歯との誤差が生じてくることもありましたが、スキャナーを使うことで口腔内の状態を高精度でスピーディーに読み取れるようになりました。また唾液との接触が少ないため、感染症対策の面でも優れているといえますね。次に、読み取ったデータをソフトウエアに取り込んで、詰め物やかぶせ物を設計し、ミリングマシンで削り出して詰め物を製作します。削り出しに使うのは主にセラミックでできたブロック。硬さや色合いもさまざまなブロックをそろえ、歯の色や状態に合わせて適したものを選んでいます。
なぜこのシステムを導入したのですか?
補綴物の院内製作の必要性を感じたからです。現在、国内の歯科技工所は減少傾向にあります。このような流れの中で、精度にこだわった補綴物を院内で製作することは、歯科医院にとって大きな課題なんです。そこで数年前より、このシステムを導入しました。機械で読み取りと削り出しをしていきますが、最後は必ず私の手で仕上げを行っています。私は患者さんの歯を実際に治療していますので、歯の色や状態をよく理解しています。機械の精密さと人の手によるこまやかな作業で、色も形も満足してもらえるよう丁寧に製作しています。
この補綴物の素材としては、今までは金属が多かったのではないでしょうか。

金属は保険診療の範囲で取り扱えるメリットがある一方で、汚れやさびのデメリットがあります。最近の世界情勢によって金属の価格が上がり続けていますので、もしかしたらこのメリットも変わりつつあるかもしれませんね。最近は、体への親和性にも強みがあり、汚れがつきにくいセラミックが注目されています。歯の寿命を長く保つ上でもお勧めできる素材ですし、金属を用いていないため金属アレルギーの心配がないのも利点でしょう。また、このCAD/CAMシステムを使うことは、最近、世界的な取り組みとなっているSDGs(持続可能な開発目標)の観点からも時代の流れに適していると私は考えています。例えば従来の型採りでは、医療廃棄物としてさまざまなものが排出されていました。その廃棄物を運搬するガソリンや焼却するエネルギーを考えると、CAD/CAMシステムを使うことが、それらの課題への取り組みにつながると思うんです。
今より先の健康を考えた歯科医療を提供
ほかに、取り組みたい歯科医療はありますか。

マウスピース型装置を用いた矯正です。数年前から考えてはいたのですが、ようやく準備が整ってきて導入することにしました。マウスピース型装置を用いた矯正は歯全体がずれているような重度の不正吻合には適応が難しいのですが、軽度の歯並びの乱れにアプローチするには適しています。利点は取り外しができるので、矯正中も歯のお手入れがしやすく、お口の中を清潔に保ちやすいことですね。矯正の意義は、歯並びの改善を図ることによって歯を磨きやすくして、虫歯や歯周病になりにくいお口にすることが望めることだと思います。そういったことも考えながら、マウスピース型装置を用いた矯正もCAD/CAMシステムも、お口の健康を保つための手段の一つとして取り入れました。もちろん、どちらも自由診療ですので、患者さんに押しつけるようなことはしませんが、お口の健康のための選択肢は増やしていきたいと思っています。
地域医療や福祉活動にも取り組んでいらっしゃいますね。
現在日本では、全身的な疾患を持ち、医療的ケアが必要などの都合で歯科医院に来られない子も多いんです。そういった子たちはお口の中が汚れやすく、治療が必要になるだけでなく、肺炎になりやすかったり、誤嚥しやすかったりします。だから、こちらから出向いてケアの手伝いをしてあげたいと思っています。そう考えるのは、私も子ども時代に難病を抱えていたことがあったからです。私自身も院内学級という、病院内にある学校を経験していますし、疾患や障害など抱えているものは違っていても気持ちがわかるというか。「子どもたち、次の世代のために貢献したい」という気持ちがあるので、今後、そうしたお子さんの健康管理に携わっていく時間を増やしていきたいと考えています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当クリニックの理念は「口の中の健康維持を通じて全身の健康に貢献し、ひいてはその方の幸せに寄与する」です。そのことを一番に考えつつ、5年後、10年後と今より先の健康を考えて、歯の治療に取り組んでいきたいです。今より1年後を良くしたら、5年後はもっと良くなる可能性が高くなりますよね。そんなふうに患者さんのお口のより良い未来を想像して、患者さんと共有しながら治療のステップを上がっていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはCAD/CAMシステムを用いた治療/5万5000円~、オールセラミッククラウン/12万6500円~、オールセラミックインレー/6万500円~、マウスピース型装置を用いた矯正/49万8000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

