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櫻庭新吾 院長の独自取材記事

さくらば歯科クリニック

(横浜市緑区/長津田駅)

最終更新日:2019/08/28

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地域医療を支えるクリニックモールの脇に立つ、1階前面がガラス張りの新しい建物。看板や診療時間の表示がなければヘアサロンと見紛うようなその1階部分こそ、「さくらば歯科クリニック」である。中へ入ると、壁一面が真っ白で清潔感に溢れている。待合室から受付、診察室への動線は連続的かつ開放的で、2台の歯科ユニットのまわりもたっぷりとスペースがとられている。全体に色を抑えた中、ジョイントマットを市松模様に敷いたキッズスペースのカラフルなおもちゃが一際鮮やかだ。これらの印象を形作るどの要素も、櫻庭新吾院長が大事にする「患者を緊張させない空間」のための工夫にほかならない。
(取材日2015年6月9日)

先輩たちの姿から患者との接し方を実地に学ぶ

歯科医師なろうと思ったきっかけは?

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歯科技工士として働いていた父の影響ですね。入れ歯を作る仕事というイメージは子どもにも明確で、受け入れやすかったのでしょう。ただ、自分も同じことがしたいという風にはならず、父よりも偉くなりたくて、それなら歯医者だろうと、単純に考えたわけです。だから対抗意識じゃありませんけど、開業して自分でクリニックを経営したいという希望も早くから持っていました。僕がそういう生意気な目標を追いかけたのに対し、7つ違いの弟はすんなり技工士になったのだから、親の背中を見て何を思うかは人それぞれですね。

勤務医時代に学んだことを1つだけ挙げるとしたら、何が思い浮かびますか?

よい歯科医師は、治療の技術が優れている以前に、人間として素晴らしい、ということですね。神奈川歯科大学を卒業後、助手をめざす道も選択肢に入れつつ1年間だけ学内で勉強を続けましたが、やはり将来の開業に向けてまっすぐに歩もうと決意して、神奈川県内のクリニックで勤務医として働き始めました。18年間にいくつかの職場を経験する中で、絶えず意識していたのは、自分が院長になったらこうしたいという感覚を具体的につかむことでした。当然ですが、個々のクリニックの方針は、院長の考え方によって異なります。勤務医の目から見ても、素直に感心するところもあれば、正直これはどうかなと疑問に思うところもあるわけです。そんな無数の場面の中で、僕が一番に注目したのは、患者さんとの接し方でした。できれば歯医者には来たくなかったと思っている患者さんの心をほぐすのも、さらに緊張させてしまうのも、歯科医師の接し方次第──お世話になった院長先生たちの姿に、そう教えられた気がします。

クリニックの間取りや設備の配置に関して、特に工夫した点について教えてください。

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診察台や診療用の機械などで構成されるユニットを、限られたスペースにぎゅうぎゅう押し込むように並べるのは嫌でした。設計会社から渡された図面には4台配置されていましたが、いかにも窮屈そうだったので、部屋を3つに等分して奥から2台だけ置き、窓際の空いたところはジョイントマットを敷いてキッズスペースにしたんです。最初、待合室のほうに子どもが遊びながら待っていられる場所を作ろうかと思ったのですが、それだと診察中のお母さんが「ほかの患者さんに迷惑をかけているんじゃないか」と気になって落ち着かないらしいと分かったので、今の形になりました。結果、ユニットとパーティションの壁1枚隔てた場所で子どもの寝そべる姿が見られるようになっています。

「歯科医師の当たり前」をとことん分かりやすく伝える

診療で一番に心がけていることは何ですか?

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治療そのものを除くと、患者さんに治療の内容について分かりやすく伝えることですね。歯科医師にとっては当たり前のことだからと説明を省いてしまうと、そこで患者さんの理解がつまずくことはよくあります。それだけに神経を使いますし、経験を重ねても簡単にできることではありません。言葉だけの説明には限界があるので、なるべく口腔内カメラを使用し、口の中の様子を患者さんと一緒に見ながらお話しするようにしています。その際、例えば表面から確認できない虫歯がある場合は、まずレントゲン写真で見てもらい、削って虫歯が出てきたところで今度は口腔内カメラで撮影、一通り修復が終わったらもう1回撮って、治療の過程を順番に見せたりすると効果的ですね。

開業時に「どうしてもこれだけは」と思って導入した設備はありますか?

口腔内カメラとともに最初から導入を決めていたのは、位相差顕微鏡です。通常の観察では見つけにくい歯周病菌の様子を調べるのに役立ちます。歯周病治療の中には薬によって悪い菌を退治する方法があり、希望する患者さんに自費診療で行う際には、まず位相差顕微鏡でターゲットとなる菌がどれだけ増えているかを見ます。もちろん診察台からもモニターで確認できるので、インフォームドコンセントの参考として欠かせません。この薬には保険が適用されませんが、位相差顕微鏡を使うだけなら無料なので、歯周病が気になるという患者さんにはお試しで口の中の細菌をお見せしています。

子どもの患者を診る際はどんなことに配慮していますか?

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患者として見た場合、子どもも大人も基本的には同じですが、子どものほうが医療に対して恐怖心を抱きやすいとか、大人なら黙って口を開けてくれるけれど子どもはそうはいかないとか、そういった違いはやはり無視できませんし、手間がかかる場面も正直あります。けれど、一緒に来院されるお母さんにいつも言うのは、たとえ口が開けられなくても、恐くて診察台に上れなくても、焦ってできるようにする必要はないということです。しばらくは遊びに来るだけでも構わないから、クリニックの雰囲気に徐々に慣れてもらうようにしています。緊急に治療しなければいけない場合を除き、今日は歯ブラシの使い方だけ練習しましょうとか、それができたら、今度は診察台に座ってみましょうとか、焦らず急がず対応するほうがむしろ近道だと思いますね。

患者と同じ目線でいられる歯科医師でありたい

痛くない治療のために実践していることを教えてください。

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歯科医療をめぐる技術の進歩には目覚ましいものがありますから、新しい設備や道具を積極的に取り入れることも大事です。しかしそれよりさらに重要だと思うのは、歯科医師が一つひとつの手技を丁寧に行う、という当たり前のこと。例えば麻酔にしても、電動麻酔器が優れているのはゆっくりゆっくり時間をかけて注射できるところで、それがイコール、痛みの少ない麻酔ということになる。急ぐとどうしても痛くなってしまうので、どんな手順も飛ばさず、丁寧にすることで、痛みも抑えられ、予後もよくなると思います。あと、患者さんの気持ちの部分については、何度も言うように分かりやすい説明に努め、小まめに話しかけて緊張を和らげることに尽きるでしょうね。

これから先、どんな歯科医師でありたいですか?

患者さんとなるべく同じ目線でいられるようにしたいですね。治療を行う側と受ける側はさまざまな面で非対称な関係だと思うので、自分の動作やかける言葉が、相手の立場になったときにどう感じられるのか、そのことにいつも注意深くありたいです。例えば、よく患者さんが戸惑う、治療の前に十分な説明がなかったというケース。これはおそらく、歯科医師が説明しなかったのではなく、患者さんの側に落ち着いて説明を聞くだけの心の余裕がなかった、その点に歯科医師が配慮しなかったことが原因なんですね。頭では分かっていても、治療する側は患者さんの抱える不安をつい忘れがちです。だから、患者さんに目線を合わせるという基本に、何度でも立ち返らなくてはいけません。院長になってまだ日が浅いですが、幸い、勤務医の頃よりも患者さんがたくさん話してくれるようになりました。やはり責任者として見られるためかもしれませんが、そうした言葉にしっかりと耳を傾けて、立場の違いから生じるギャップを少しでも埋めていきたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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とにかく、気軽に来てほしいですね。よく患者さんから「こんなこと聞いていいのか分かりませんけど……」とか「お口の掃除だけお願いしてもいいでしょうか」などと不安そうな小さな声で言われますが、まったく問題ありません。どんなささいなことでも構わないので、何か歯について気がかりなことがあったら、とりあえずクリニックに来て、どんどん聞いてください。掃除だけとおっしゃいますけど、予防という観点から言えば、掃除こそ大事なんです。歯ブラシだけで落とし切れない汚れを定期的に取り除いているかどうかで、歯周病の進行に大きな差が出てきます。どうか遠慮なく、4ヵ月に1度くらいのペースで掃除にお越しください。お待ちしています。

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