全国のドクター13,757人の想いを取材
クリニック・病院 156,839件の情報を掲載(2025年5月19日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 相模原市中央区
  4. 橋本駅
  5. けい産婦人科クリニック
  6. 西迫 啓 院長

西迫 啓 院長の独自取材記事

けい産婦人科クリニック

(相模原市中央区/橋本駅)

最終更新日:2025/04/02

西迫啓院長 けい産婦人科クリニック main

「産む想いとともに。生まれる想いとともに」。この言葉をモットーに掲げ、母親と赤ちゃん両者の想いに誠心誠意向き合う「けい産婦人科クリニック」。看護師、助産師だけでなく、コンシェルジュ、医療ソーシャルワーカー、アロマセラピストなど多彩なスタッフを配置し、安心・安全だけでなく接遇や生活上のケアをも重視した、患者に寄り添った医療の提供をめざす同院。ソフロロジー式分娩法を中心に、分娩の途中から無痛分娩への切り替えにも対応していることが特徴だ。重なるお産の合間を縫って取材に応じてくれた西迫院長は、忙しい中でも言葉を丁寧に選んで伝えてくれる優しさに満ちていた。「選ばれるクリニック」をめざすため、理念や分娩にかける想いについて西迫院長に聞いた。

(取材日2025年1月23日)

必要に応じて無痛分娩へ。分娩法は臨機応変に対応

こだわりが随所に感じられる内装や設計ですね。

西迫啓院長 けい産婦人科クリニック1

院内は全体的にストーン柄のクロスを採用し、シンプルでシックな、落ち着いたイメージを演出しています。ところどころに緑も飾り、特有の冷たい雰囲気が出ないように配慮しました。設計では、1階を分娩棟、2階を入院棟に分けています。1階で外来と分娩の連携を取るため、妊婦さんや私たちスタッフも効率良くスムーズに分娩に集中できるようにしました。2階でお母さんたちが入院しますが、中扉で外部と仕切られ、ご家族は指紋認証でないと入れないシステムです。母子同室で安全面と衛生面に配慮し、誰でも出入り自由にはしていません。出産で疲れた体をゆっくり癒やしてほしいという思いから、部屋は洗面・トイレつきの個室で、和室タイプ・洋室タイプの全11室を設置しました。パートナーや上のお子さんの宿泊も可能な、ゆったりとした設計です。

ソフロロジー式分娩法により、自然なお産をめざしていると伺いました。どのような分娩法なのですか?

ソフロロジー式分娩法の原点は、“赤ちゃんを思う心”です。これを最も意識していただくことが、つらい陣痛を乗りきる方法と考えています。“赤ちゃんを思う心”を育むために、「妊娠中から、おなかの赤ちゃんとたくさん話してくださいね」と、妊婦さんやご家族にお願いしています。「ご飯がおいしいね」「今日は寒かったよ」など、どんな言葉がけでもいいんです。コミュニケーションを取ることで、妊婦さんからたくさんのオキシトシンという母性愛ホルモンが分泌されると考えられています。母性愛ホルモンは、陣痛の激しい痛みを我慢できる程度の痛みへと変えるとされています。妊娠36週あたりでは、呼吸法の指導も行います。準備することで落ち着いてお産と向き合うことができ、おなかの赤ちゃんにもたくさんの酸素が届いて、妊婦さんも陣痛の波を乗りきれることがあります。

ソフロロジー式分娩法で乗りきれない場合、無痛分娩にも対応して選択肢を広げているそうですね。

西迫啓院長 けい産婦人科クリニック2

陣痛が起きてから、妊婦さんご自身が痛みに対して「つらい」「体力の消耗が激しい」「パニックになる」といった状態になると、おなかの赤ちゃんも苦しくなりそうな事態となる場合があります。その際は妊婦さんのご希望も踏まえて、医師の判断により無痛分娩に対応しています。無痛分娩とは、硬膜外麻酔をすることで直接的な痛みを和らげるための分娩法です。無痛分娩は麻酔をかけるタイミングが早すぎると陣痛が遠のいてしまうことがあるため、タイミングを図るには技術と経験が必要です。私は、開業前に働いていた産院で無痛分娩を数多く担当していました。お産の進行具合や妊婦さんと赤ちゃんの状態などを把握しつつタイミングを見て麻酔を施しますので、安心していただけたらと思います。

コンシェルジュや医療ソーシャルワーカーが常駐

コンシェルジュが常駐している点は貴院の大きな特徴ですね。

西迫啓院長 けい産婦人科クリニック3

当院で重視しているのは安心・安全かに加え、同じくらい力を入れているのが接遇です。妊産婦さん、つまり妊婦さんや産後ママさんには、ここでは非日常を味わってもらい、心地良く過ごしてほしいと思っています。2年間の接遇の勉強では、おじぎの作法や表情のつくり方、お声がけの心得などを教わりました。例えばコンシェルジュは、妊産婦さんの顔とお名前はすべて覚えています。受付で待っているときも、その方のそばへ行って「あちらへどうぞ」とご案内するなど、お一人お一人に丁寧な対応を心がけています。そしてコンシェルジュは妊産婦さんだけでなく、スタッフへの気配りも欠かしません。今は当院のコンシェルジュが、スタッフの接遇指導を担当しています。

医療ソーシャルワーカーも在籍しています。どのような役割なのですか?

医療ソーシャルワーカーは、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つスタッフです。妊娠・出産にあたり、妊産婦さんからの相談援助をお受けします。妊娠中から子育て期間まで、女性はさまざまなストレスを抱えるケースもあります。産休・育休による仕事の変化、パートナーや義実家との関係性、経済的負担などが変化することで、身体面だけでなく精神面にも大きな影響を受けることで、産後うつや育児不安などにつながることがあるんです。妊婦さんが安心して妊娠中を過ごし、不安のない産後の育児へと導いていくには、医療の側面に加え、心の健康と地域とのつながりを守るための調整も必要だと感じました。医師や看護師に言いにくいこともきっとあると思います。だからこそ医療ソーシャルワーカーが間に入り、医療者との橋渡しを行うことで、妊娠から産後までをサポートします。

診療のモットーを教えてください。

西迫啓院長 けい産婦人科クリニック4

ホームページにも書いていますが、「産む想いとともに。生まれる想いとともに」という言葉を大切にしています。妊娠・出産では妊婦さんがクローズアップされがちですが、私はおなかの赤ちゃんも1人の人格者として捉えています。ソフロロジー式分娩法を採用しているのも、赤ちゃんが自分のペースで生まれてくることを優先したいと考えているから。赤ちゃんはもちろん、妊婦さんを含めた両者を尊重する診療を心がけています。スタッフ全員で、妊婦さんと赤ちゃんの想いの傍らに立つ伴走者として、誠心誠意サポートしたいと思っています。いつも対等な関係でクリニックを考えてくれる看護師、助産師には感謝の気持ちでいっぱいですね。

多職種のスタッフがチームで患者に寄り添う

先生のご経歴をお聞かせください。

西迫啓院長 けい産婦人科クリニック5

父が産婦人科の医師で、実家で開業していました。幼少期から、父が多くの妊婦さんと向き合い、たくさんの赤ちゃんを取り上げる姿を見て尊敬し、当たり前のように「産婦人科の医師になり、実家を継ぎたい」と思っていましたね。1994年に北里大学医学部を卒業し、同大学病院の産婦人科教室へ入局後、誘発硬膜外麻酔の管理法やハイリスク周産期の管理などを学びました。別の病院でも、自然分娩や外来の妊婦健診について経験を積みました。その後実家の産院を経て、2004年に当院を新規開業しました。

多くの恩師との出会いが、先生の医療におけるベースになっているとか。

はい。佐賀県唐津市の「たなべクリニック産科婦人科」の院長である田邉良平先生からは、ソフロロジー式分娩法の考え方や具体的方法、意義などを学びました。山口県宇部市の磯部孟生先生に、無痛分娩の硬膜外麻酔や、産痛除去のエッセンスを教えていただいたことも感謝しています。また、胎内記憶の研究で知られる池川明先生にも影響を受けましたね。「まだママのおなかにいたかったのに、無理に外へ出された」と話す3歳男児の話を聞き、「赤ちゃんは、おなかの中ですでに意志を持っていて、自分のペースで生まれたいのかもしれない」と思うきっかけとなりました。妊婦さんたちにも「赤ちゃんには胎内記憶があるのではないかといわれているんですよ」と話すと、おなかの赤ちゃんへの言葉がけがしやすくなるようです。

昨年で20周年を迎えられました。現在の想いと、これからについてお聞かせください。

西迫啓院長 けい産婦人科クリニック6

さまざまな恩師、妊婦さん、赤ちゃんやご家族との出会いがあって、ここまでたどり着きました。すべての方に感謝しています。今が最終形ではなく、これからもより良い技術やシステムを取り入れて、進化していきたいです。当院の大きな強みは、医師、看護師、助産師、コンシェルジュ、医療ソーシャルワーカー、アロマセラピストなど、多様な職種のスタッフがそろっていることです。コミュニケーションツールを利用しリアルタイムで情報共有しており、それぞれが専門性を生かして一丸となって、妊産婦さんと赤ちゃんを支えます。新しいご家族とのスタート地点として、ぜひ当院へお越しください。

Access