全国のドクター9,008人の想いを取材
クリニック・病院 161,455件の情報を掲載(2020年2月26日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 鎌倉市
  4. 大船駅
  5. 大船静脈瘤クリニック
  6. 稲澤陽介 院長

稲澤陽介 院長の独自取材記事

大船静脈瘤クリニック

(鎌倉市/大船駅)

最終更新日:2019/08/28

173344 df 1 main 1422955881

「子どもの頃、自分自身にアトピーや心臓の病気があったことから、どうして病気になるのか、体の仕組みを知りたいと医師になり、迷わず循環器・心臓外科領域に進みました」と語る「大船静脈瘤クリニック」稲澤陽介院長。患者にも、病気や治療のことをよく説明し、自分の病気について充分に理解したうえで治療を選択してもらうことを心がけているという。下肢静脈瘤は、すぐに命に関わることはない良性の病気だが、足のむくみや腫れ、変色などに悩んできた患者は多い。「長い間一人で悩んでいた」「話を聞いてもらえたのは初めて」と喜ぶ患者に接し「今まで悩み、日常生活に制限を受けていた患者さんの生活の質を向上させたい、役に立ちたい」と語る稲澤院長。静脈瘤診療への強い使命感が感じられる頼もしいドクターだ。そんな稲澤院長に、下肢静脈瘤という病気や同クリニックで受けられる診療についてお聞きした。

(取材日2015年1月20日)

患者に寄り添いながら下肢静脈瘤診療に取り組む、心臓血管外科医

開院までの経緯を教えてください。

173344 df 1 1 1422955881

子どもの頃からアトピー体質で、また軽度な僧帽弁逸脱症という心疾患があり、病院が身近だったこと、自分の体に興味があったことから、医師を志しました。循環器科に進んだのも、自然な成り行きでしたね。心臓領域の先進医療を手がける東京女子医科大学で研修を受け、その後、各地の病院で心臓外科診療の研究や臨床に携わってきました。そして静脈瘤クリニックグループに参加し、この大船でクリニックを開院しました。大船を選んだのは、横浜や東京までは行けないという方々のニーズが多いのではないかと考えたからです。開院当初は鎌倉や藤沢の患者さんが多かったですが、最近、横須賀や横浜南部の患者さんも増えてきました。

下肢静脈瘤とはどんな病気なのでしょうか。

下肢静脈瘤は、足の付け根の静脈内にある、血液の逆流を防ぐ弁が壊れる病気です。何らかの原因で、弁に損傷や病変が生じて心臓に戻るべき血液が足にたまり、静脈圧が上昇し、皮膚の近くにある表在静脈がボコッと浮き出た“こぶ”のようにふくれます。血管がクモの巣状や網の目状に浮き出る異常、足のむくみや倦怠感、痛み、皮膚の変色なども起こります。足の傷が治りにくくなり、難治性の足の潰瘍になることもあります。動脈瘤と間違えて「怖い病気」と思われる方もいるのですが、破裂することはまれで、基本的には命にはかかわりません。潜在的な患者さんは多いのに、一人で悩まれていたり、治療ができないと思われていた方などが多く、治療にたどりつけない方が多い、いわば放置されていた病気でした。

どのような人がかかりやすい病気なのですか。

173344 df 1 2 1422955881

中高年の女性に多く、調理師や美容師など立ち仕事の方などにも多いですね。女性の場合は妊娠、出産で一時的に血液の量が増えた際に血管がダメージを受け、加齢と共にだんだん悪くなっていくケースが多いのです。ただ中には30代ぐらいの若い方も来られます。男性は、筋肉がしっかりしている分、むくみがあまり感じられず、患者さんも女性に比べると少ないのですが、自覚がない分、受診されるときには重症になってしまうことが多いようです。

高周波治療やレーザー治療が保険適用となり、治療が身近になった静脈瘤

ではどのような治療法があるのでしょうか。

173344 df 1 3 1422955881

以前は、静脈に細い針金を入れて静脈を抜き去る治療法が一般的で、「血管を抜くのは怖い」と治療に踏み切れなかった方や「入院するのが大変」と様子をみていた方も多かったと思いますが、最近は、外来で高周波と高性能レーザーによる治療が保険適用で受けられるようになりました。高周波治療は、血管内に高周波カテーテルを挿入しますが、細い静脈がターゲットなので、比較的簡単な手技でトラブルもほとんどありません。局所麻酔で30分程度で治療が終わり、すぐに歩くことができますし、痛みもほとんどなく患者さんの体の負担もとても軽いのが特徴です。またクモの巣状や網目状に見える程度の軽いものならば、薬を注射してこぶを消す硬化療法という治療法で簡単に治療することもできます。

弾性ストッキングやふくらはぎのマッサージは効果がありますか。

筋肉をほぐすことによって、局所の溜まっている血を戻すことはできますが、根本的な解決にはならないので、すぐにまたむくんでしまうことになります。もむのがよいか悪いかは議論の分かれるところで、その人によるのではないかと思います。弾性ストッキングも対症療法で、はいている間はいいのですが脱ぐと元に戻ってしまうことが多いのです。予防としてはよいと思いますが、根本的な解決にはなりませんね。診断すれば、治療が必要か、弾性ストッキングをはく程度で予防できるかということもわかりますので、安心して生活していただくことができると思います。

先生の診療方針を教えてください。

まず患者さんご本人に、今の状態を理解していただくことを重視しています。また今まで「どの診療科にかかればいいかわからなかった」「相談しても弾性ストッキングをはけばいいと言われただけ」など悩まれていた方が多いので、とにかくお話をじっくり聞くことを心がけています。そして病状がどの程度なのかを理解していただいて、治療を受けるかどうかを選択していただきます。しっかり説明して、治療する場合、治療しない場合のメリット・デメリットをしっかり理解したうえで選択していただきたいと考えています。

院長として心がけられていることは?

173344 df 1 4 1422955881

ここ鎌倉は、患者さんが物知りで意識の高い方が多いので、失礼のないように接遇には気をつけています。私以外はみんな女性スタッフで、女性の気持ちを100パーセント理解することはできませんが(笑)、気持ちよく働ける職場環境づくりを心がけています。下肢静脈瘤の患者さんは潜在的には多いはずですが、そこだけをフォーカスしたクリニックなので、どうやってアピールしていくか、うまく軌道に乗せていけるかどうかは開業の際は少し心配でしたが、おかげさまで多くの患者さんに来院していただいています。同じ静脈瘤クリニックグループのドクターにいろいろ相談したり、最新情報などが共有できるので助かっていますね。

将来的には皮膚科のアプローチも加え、より幅広い静脈瘤の診療をめざす

印象的な患者さんのエピソードがありますか。

173344 df 1 5 1422955881

静脈瘤が原因で足を出すことができず、パンツしか持っていないという女性患者さんが、「久しぶりにスカートを買いました」と明るく言われたのが印象に残っていますね。治療を始めると、2週間ぐらいでむくみが消え、1ヵ月ぐらいでこぶが消えることが多いので、1ヵ月で「楽になりました」「足を出せるようになりました」と喜んでくださる方が圧倒的に多いのです。この病気の診療で、もっともやりがいを感じるところですね。

お忙しい毎日ですが、プライベートな時間の過ごし方を教えてください。

子どもが小さいので一緒に遊んだり、ゴルフに行くぐらいでしょうか。学生時代に比べて15キロも体重が増えてしまったので、数年前から、低糖質ダイエットをしています。白米の代わりに玄米を少しだけ食べるのですが、子どもの前では、ちゃんと食べているふりをしなければならないのがちょっと苦労です(笑)。自分では子育てにはできるだけ協力しているつもりですが、女性の目からみるとたいしたことはないかもしれません(笑)。

今後の展望をお聞かせください。

妻は皮膚科医で、今は大学院で研究生活を送っていますので、将来的には2人で診療を行い、皮膚科的なアプローチもできるようにしたいと考えています。下肢静脈瘤の場合、潰瘍や変色も多いので皮膚科的なケアにも対応し、より総合的に静脈瘤を診療できるクリニックにシフトしていきたいのです。またこの病気は、潜在的な患者さんが多いのに、放置されることが多かった病気です。有効な治療法が開発され、外来で保険適用の治療が手軽に受けられるようになりましたから、ぜひ、多くの方に病気や治療について知っていただきたいと考えています。何の病気かわからない、どの診療科にかから

最後に読者へのメッセージをお願いします。

173344 df 1 6 1422955881

こぶがなくても、足のむくみが気になるという方は、ぜひ専門医や専門クリニックの診断を受けていただきたいですね。特に女性で、妊娠や出産を経験されている方は下肢静脈瘤が考えられますから、相談していただくと解決できることが多いと思います。血管がクモの巣状に見えたり、変色があり、美容的に悩まれている方も、簡単な注射で治りますのでご相談ください。診察で足を診せるのが恥ずかしいという方も多いのですが、私たちは慣れていますし、当クリニックはプライバシーを重視し診察室の構造などにも配慮していますので、ぜひ安心して受診してください。

Access