穂坂 春彦 院長の独自取材記事
ほさか内科クリニック
(所沢市/東所沢駅)
最終更新日:2025/08/13

東所沢で2014年開業した「ほさか内科クリニック」。院長の穂坂春彦院長は心筋梗塞、心不全、狭心症といった循環器疾患を主に診てきたスペシャリスト。「勤務医時代の患者さんに開業することを言ったら、『先生が移るならくっついてくよ』と、今でも来院してくださってます」と笑顔で話す。現在は日々の診療の傍ら、週1回は母校の防衛医科大学校病院に勤務しているが、ボランティアで働いているのだとか。これはひとえに母校を助けたいという思いからだという。まずはそんな先生が医学の道を志した原点から聞いてみた。
(取材日2016年9月8日/情報更新日2025年7月31日)
医師の仕事に人生を捧げたかった
少年時代、先生はどんなお子さんでしたか?

学校が終わると缶けりにドッジボール、草野球など、日が暮れるまで外でよく遊んでいましたね。ただ、体はあまり丈夫ではなくて、風邪もよくひいていました。また他の人の体調が悪いときは「優しくしなければいけない」ということも子どもながらに思っていましたね。今思えばそんな性格も医師をめざす下地になっていたのかもしれません。ただし将来の進路を決めたのは高校生の頃。自分が一生懸命になれる仕事は何かを考えたとき、世の中で一番大切な「命」を預かる仕事なら自分の人生を捧げるのにふさわしいと思ったんです。
内科、それも心臓といった循環器疾患の道をめざしたのは?
内科に進んだのは人の体全体を診ることができるという魅力があったからです。他の科は例えば眼科であれば目、耳鼻科であれば耳と鼻と、どうしても局所の診察になる。外科の領域は一見全身のようですが治療箇所はやはり限定されています。その点、内科は病気だけではなく患者さんの生活や家族構成など人生をトータルに診られます。そして内科をめざす以上は、臓器の中でも生命の根源である心臓の病気を治せるのが一番のやりがいにつながると考えたのです。
大学や研修医時代は何を学びましたか?

治療技術はもちろんですけど、患者さんへの接し方は勉強になりましたね。当時の教授の先生からこう教えてもらったんです。「『診察するときは、患者さんを診てあげているのではなくて診させていただいている』という気持ちで臨みなさい」と。私たちは日々診察を繰り返すことによって知識も深まり、技術も高まっていく。また何より患者さんも私たちを信頼してくれているからこそ、日々のことを話したりしてくれる。だから「『診察させていただく』という姿勢が大事なんだ」ということでした。これは今も私の中の基本になっています。また、患者さんの話をよく聞くということも重要です。その方のお話を、患者さんの言葉で聞くようにしています。また、とかく検査に頼りがちですけれども、やはり自分の目で見たり触診で感じられる所見が大事。足がむくんでいないか、目の色はどうかといった診察を経て初めて検査に移るようにしています。
ペースメーカー相談・管理栄養士による食事指導
先生は心臓疾患だけではなく、糖尿病など生活習慣病の治療にも力を入れています。

はい。実はこの心臓疾患と生活習慣病には密接なつながりがあるんです。というのも心筋梗塞といった心臓疾患は、日々の不摂生やストレス、間違った食習慣によって引き起こされることが多いのです。つまり心臓を良い状態で保つためには糖尿病や脂質異常症、高血圧の治療もきちんとしなければならないんですね。大学を卒業して約20年間心臓病を診てきたということは、同時に20年糖尿病の治療にも注力してきたことを意味します。
そんな生活習慣病と心臓疾患に対し、何かより専門的な治療を行っていたらお聞かせください。
生活習慣病の診断や治療そのものは私がしますが、その中で大切な「食生活」に関する指導については毎月第1火曜日、管理栄養士が来て実践しています。日々何を食べているかきめ細かにチェックし逐一アドバイスしていただいています。また毎月第1水曜日の午後は私がペースメーカー相談を開いています。これはもちろんペ―スメーカーを入れた患者さん向けのもので、定期的に機械の作動状態をチェックします。勤務医時代にはペースメーカーを埋め込む手術を数多く担当させていただきました。その時私がオペした患者さんに私が開業すると伝えたときは「先生が移るならついていくよ」と言ってくださる方が多く、その頃からの患者さんもありがたいことに来院されています。ただし機械のチェック法は決まっているので、この地域周辺にお住まいで今まで遠くの病院に通っていた方もお越しいただいています。
ほか、設備的な特徴はありますか?

例えばエコー検査。当院には検査技師が毎日勤務しているため、初診でかかった当日に検査が可能です。もちろんその場で結果も出せるようになっています。勤めてもらっている技師はもともと都内にある大きな病院の主任クラスの女性で、15年以上のキャリアをお持ちの方です。子育てを機に自宅のそばで働きたいと考えていた折、ちょうど私の医院の技師募集の広告を見て応募してくれました。私としても非常にありがたかったですね。もちろん大きな病院と同じレベルの検査が受けられます。
しっかりとした説明をし、医師の責任を
先生が日頃スタッフの皆さんに言ってることはどんなことですか?

患者さんを暗い気持ちにさせない、嫌な思いをさせないでほしいということを言っています。病気で困って医療機関を訪ねたのにかえって不愉快な気分になるということはあってはならないことですからね。特に私の専門領域である心臓は生命をつかさどる大事な器官。来院が心の負担になってしまったら本末転倒です。もちろんそれは風邪の患者さんなどでも同じことです。医院の雰囲気も和らいだ雰囲気のデザインにしてあります。つまり患者第一主義ということです。
診察日以外は何をされていますか?
今、長男は9歳になりました。大きくなりましたが、寝顔を見るとまた頑張ろうという気持ちになります。将来的には医師になってくれたらうれしいですが、いかんせん年齢が離れていますから、医院を継いでくれるかどうかはわかりません(笑)。私の親も、自分の夢を応援してくれたので、最終的には私も、彼の就きたい仕事を見守ってあげられたらと思います。
最後にこれから来られる方にメッセージをお願いします。

専門領域以外の病気でも私が治せる範囲のものであれば私が治療しますし、難しい場合は治療してくれる医療機関を紹介させていただきます。通院されている患者さんからよく言われるのは説明がわかりやすいということです。「こんなに説明がわかりやすかったのは初めて」だとか、「こんなに丁寧に説明してもらったのは初めて」と、説明の良さを患者さんからお褒めいただくことが多いですね。いずれにしましても良い結果につながるよう最後まで責任を持ちますので困ったら来てください。それが医師としての責任だと思っています。