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洪里 和良 院長の独自取材記事

こうり痛みと漢方の医院

(豊中市/庄内駅)

最終更新日:2019/08/28

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阪急宝塚本線庄内駅から3分ほど。庄内WEST商店街の中にある「こうり痛みと漢方の医院」は、今まさに患者を苦しめている自覚症状を治療するためのクリニックだ。院名をペインクリニックにしなかった理由について、「お年寄りの中にはきっと、ペインクリニックの意味がわからない人もいるからね」と笑顔で答える洪里和良院長。麻酔、ペインクリニックを駆使して早期の痛みの除去をめざし、科学的なアプローチでは原因がわからない病態や、他科で「不定愁訴」と片付けられてしまう訴えに対しては、専門性を極めた漢方で症状の改善を図る。「痛みは人間にとって本当につらいもの。庄内からすべての痛みをなくすことが目標」と熱く語る洪里先生に話を聞いた。
(取材日2018年1月12日)

ペインクリニックと漢方薬で「痛みゼロ」をめざす

まずはクリニックの特徴について教えてください。

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当院はペインクリニックと漢方に特化したクリニックで、あらゆる痛み・しびれや検査をしても原因がわからない症状など、自覚症状に苦しんでいる人を対象としています。ペインクリニックの目的は、短期間で痛みを取り除くことです。適切な診断を行い、神経ブロック療法のほか、内服薬が効く場合にはできるだけ注射なしで、痛みの悪循環を断ち切ります。腰下肢痛、全身の関節痛、頭痛や生理痛、急性でも慢性でも痛いところがあれば我慢したりせず、なんでも相談してください。

そもそも先生が、今の痛みに対する治療を行うようになったのには、何かきっかけが?

患者さんがつらいと感じているところを多く治せる医師になりたいと思ったのは、幼少時代の経験からでした。子どもの頃よく体調を崩して病院に連れて行かれたのですが、いつも「検査の結果悪いところはないので帰っていいですよ」と言われたのです。つらいのは病院に来たときのままなのに、何の対処もしてもらえずに帰されるのっておかしいですよね。医師が治せる病気かどうかを調べてほしいのではなく、患者さんのつらい症状の原因を見つけて、治療法を提示してほしいのにと、常に感じていました。

ペインクリニックはどんなときに受診したらいいですか?

ペインクリニックは他科で治療を受けても痛みが取れないときに、最後に受診するイメージがありますが、実は最初にかかってもらいたい科です。麻酔科の医師はさまざまな内科疾患を抱えた患者さんの手術管理をしているので、広範囲の内科疾患や全身管理に精通しており、病態に応じて適切な診療科を紹介することができます。早期治療のためにもペインクリニックをかかりつけにもつことは、人生において有意義なことだと私は思います。

痛みに対してどのようなアプローチをされているのですか?

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患者さんの痛みに寄り添い、痛みをきちんと取り除く治療を基本としています。エックス線透視下の神経ブロックだけでなく超音波診断装置を導入しているのは、無用な放射線被ばくを避けることはもちろん、痛みの原因となっている箇所を確実に捉え、より早くより安全なブロック注射を行うためです。神経ブロックの後は、患者さんがゆっくり休息できるように、ベッド数を多めに設置しています。

患者に寄り添い、早期に確実に痛みを取り除く治療を

漢方を取り入れたのはなぜですか?

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医学生時代に私自身のアトピー性皮膚炎に見よう見まねで漢方を試してみたところ、その時はたまたまだったのですが驚くほどきれいに治ったんです。それで有用性に目覚め、漢方の古医籍を読みふけるようになりました。基礎からしっかり学んで漢方の良さを患者さんにも還元したいと考え始めたんですね。開業前は大阪医科大学麻酔科で11年間勤務していましたが、2年間ほど、北里大学東洋医学総合研究所の花輪壽彦教授に師事し、漢方を学びました。漢方はいわば職人芸で、本を読んだだけでは実際に使いこなすのは難しく、師匠について技術を実地で身につける必要があります。今は教える立場となり、大阪医科大学薬理学教室の非常勤講師として医学部の学生に漢方の系統講義をしていますし、また麻酔科の臨床教育准教授として臨床教育も担っています。友人の医師にも漢方を習得したいという人が多く、週に1度私の自宅に集まり漢方の古典を素読から教えています。

漢方とペインクリニックの相乗効果を教えてください。

現在でも原因が解明されていない痛みはたくさんあります。ですが、その中には、科学的にわからないだけで、東洋医学の視点では、はっきりと原因があるものがたくさんあります。こういった場合には、漢方を使った別のアプローチが可能ともいえます。これまでの僕の経験から、科学的な検査でも東洋医学的視点から診ても原因がわからないという例はほとんどなく、大体どちらかで病因が特定できると考えています。ペインクリニックに漢方を取り入れるのは、科学的なアプローチではカバーしきれない病態に対して治療の幅を広げるためです。漢方は病名にではなく、その人の体質や状態に合わせて処方します。いろいろな検査をしても、原因がわからない症状で苦しんでいる人は、漢方を試してみる価値は十分にあると思います。

漢方はどのように処方されるのですか?

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生薬を組み合わせた漢方はサッカーチームのようなもので、攻撃的な生薬もいれば、守りが得意な生薬、個性的な動きをする生薬など、それぞれ異なる特徴があり、組み合わせ方によって多様な作用を発揮します。そして、どんなチーム編成の漢方を選ぶのかを考える際に重要なのが、その人の状態を見極めることです。漢方診療では、患部だけでなく、脈や舌、おなかなどを丁寧に診察し、治療の手がかりを探します。また、患者さんの観察も重要な診察手段で診察室に入ってこられる際の歩き方、話す様子、座っている姿勢などを注意して見ることでおよその診断ができるんですよ。

痛みをとることは、その人の幸せな時間を増やすこと

洪里先生の目標は、庄内から痛みをなくすことなんですね。

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私の祖父は日本統治時代の台湾出身で戦前に大阪に移住し、庄内の薬品工場で働いていました。そのお金を元手に始めた事業が成功したのが私の実家なんです。そういったご縁で、庄内に恩返しをしたいという思いからここを開業の地に選びました。庄内は庶民的な町で、私もその雰囲気が肌に合い、患者さんと自然な感じで接しています。漢方の処方は保険が効くエキス剤をメインに使っています。煎じ薬を処方する場合もできるだけ保険適用の生薬を使い、費用負担を抑える努力をしています。

帯状疱疹ワクチン接種を呼びかけておられますね。

子どもの頃にかかった水痘(水ぼうそう)のウイルスは治った後でも体内に潜伏しており、中高年になって体の免疫力が低下すると再び活動を始めて、帯状疱疹(たいじょうほうしん)が発症することがあります。神経に沿って帯状の発疹が現れ、さらにウイルスが潜伏していた神経節にダメージを与えると神経痛が起こり、帯状疱疹後神経痛として激痛が長期間続きます。ですが帯状疱疹は予防ワクチンによって発症率を大きく低下することができます。50歳からの予防ワクチン接種を厚生労働省は承認していますが、過労やストレスが引き金となり30代も好発年齢とされています。

今後の展望をお聞かせください。

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世界からすべてのがんを撲滅しても平均寿命は3歳も伸びないといわれています。それならば痛みのない人生を5年でも10年でも長くするほうが患者さんの幸せにつながると考えるのが私のスタンスです。漢方とペインクリニックの共通点は、検査結果に表れない自覚症状を治すことができることです。医学は科学だから検査値の改善を指標にするべきだという意見もありますが、私一人くらい数字ではなく自覚症状の改善に取り組む医師がいてもいいじゃないかと考えたのが医師をめざしたきっかけです。患者さんのつらい症状を取り除くのに、漢方とペインクリニックは特に秀でています。私のクリニックの目的は、患者さんがより良い人生を過ごすためのお手伝いをすることです。痛みのつらさは経験した人にしかわかりません。この庄内の町の人の痛みを少しでも軽減できるように、またすべての人から痛みを遠ざけることができるように、これからも尽力していきます。

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