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櫻庭 志乃 院長の独自取材記事

リーヴァレディースクリニック

(藤沢市/辻堂駅)

最終更新日:2023/02/07

櫻庭志乃院長 リーヴァレディースクリニック main

2014年11月に開業した「リーヴァレディースクリニック」。ゆったりとしたソファが置かれた広い待合室は、オフホワイトでまとめられたシンプルな空間だ。院長の櫻庭志乃先生は、数々のレディースクリニックでの勤務経験を持ち、総合病院の周産期センターや救命センターなど緊急時に対応できるスキルも積んだ医師である。明るい笑顔と快活な口調から気さくでオープンな印象を受けるが、自身もスランプに陥った経験があり、だからこそわかる女性の心の悩みにも相談に乗りたいという。「病気を治療するだけでなく、患者さんの悩みを聞くことも自分の仕事ではないかと思っています」と語る櫻庭院長に、医師になった経緯やプライベートなことまで、じっくりと話を聞いた。

(取材日2014年12月5日/情報更新日2023年1月23日)

女性特有の不安を除く“女性のかかりつけ医”をめざす

シンプルで落ち着いた雰囲気ですが、どういったコンセプトですか。

櫻庭志乃院長 リーヴァレディースクリニック1

来院される方にリラックスしてほしかったので、「癒やし」をテーマにしました。設計士の方になるべく病院っぽくないようにしてくださいというオーダーをし、サロン感覚でゆったりできるシンプルな造りにし、壁紙も原料に自然素材を使っているとのことで、温かい印象になったと思います。待合室の椅子やソファーなどは、アジアンテイストでまとめました。個人的な嗜好もあるのですが、やはりアジア人なのでハワイ系よりもアジア系のほうが落ち着くのではないかということと、ヒーリングという点でもアジアンテイストがいいのではないかと思いましたので。

クリニックの診療方針を教えてください。

女性特有の病気を含めて、女性の不安を取り除けるクリニックでありたいと考えています。女性の悩みは多種多様ですが、症状によってどの科に行けばいいのかわからないという方も多いと思います。そういった方々のご相談に乗って症状の緩和を図ったり、必要であれば専門家がいるクリニックや病院をご紹介したりするという、窓口のような存在をめざしています。例えば、ご本人は更年期だと思って悩んでいても数値的には問題がなく、ストレスがたまってホルモンのバランスが崩れているということもあります。あるいは婦人科系の病気ではなく、甲状腺の病気だったということも。ですから微妙な年齢で更年期の症状が出ていても、「実は違うんですよ」とお話しすると、安心される方もいます。体だけでなく、心の部分も含めて、「どうすればいいかわからない」という不安のご相談に乗り、女性が元気になれるお手伝いをしていきたいというのが基本方針です。

どんな患者さんに来院してほしいとお考えですか。また、力を入れている治療などはありますか。

櫻庭志乃院長 リーヴァレディースクリニック2

対象にしている患者さんはすべての女性です。小さなお子さんでも外陰部のかゆみなどは小児科や皮膚科では診づらいということで、幼稚園のお子さんがいらっしゃることもあります。女性の悩みは生理不順や不妊、更年期や閉経に関してなど、多岐にわたります。診療内容は婦人科、産科、女性内科などがありますがどれがメインということはありません。女性として困っていることや不安に思っていること、不思議に感じていることがあれば、何でもご相談いただきたいと思っています。私はさまざまな病院やクリニックで産科・婦人科系の臨床を経験していますので、その経験を生かした治療はもちろん、専門的な治療が必要な場合は患者さんにとって適切な医療施設をご紹介したいと思っています。

人を助けたいという熱い思いから、医師の道へ

先生が医師を志した理由をお聞かせください。

櫻庭志乃院長 リーヴァレディースクリニック3

私が中学2年生の頃、祖母が胆管がんで亡くなったのがきっかけです。秋田に住んでいたのですが、抗がん剤治療をすることになり、私の実家から東京の病院に通院していました。今から思えば、かなり悪くなっていたんでしょうね。当時はわからなかったのですが、がんになってからだんだん落ち込みが強くなって、性格的に卑屈になっていきました。大好きだった祖母がそんなふうに変化していくのが、当時の私には耐えられず、それで優しくできませんでした。祖母は治療の途中で亡くなってしまい、葬儀のときに「おばあちゃんに冷たくしちゃった」という罪悪感でいっぱいになり落ち込みました。それで罪滅ぼしではありませんが「医者になって、病気の人に優しくできたらいいな」と思ったのが、医師をめざしたきっかけです。

産婦人科医の道に進んだのはなぜですか。

がんを治したいという思いが強かったので、はじめは外科医をめざしていました。ただ、がんを治すのは手術だけではないですよね。内科は内科、外科は外科としてそれぞれの領域に分かれて治療をしていきます。ところが婦人科は診察、検査にはじまり、内科として抗がん剤治療もする、外科として手術もする。がん治療としてトータルに患者さんを診ていくことができるのは婦人科だけだと、実習で知ることができました。それともう1つ、実は私は学生結婚をしていて、学生時代に妊娠、出産を体験しているんです。衝撃的かつ感動的な経験で、その経験を機に、少し考え方が変わりました。最終的に産婦人科に進むことを決めたのは出産と実習、この体験が大きかったと思います。

はじめから開院しようと考えていたのでしょうか。

櫻庭志乃院長 リーヴァレディースクリニック4

開院はまったく考えていませんでした。基本的にはがんの手術をしたかったので、大きな病院に勤務し続けていくものだと思っていましたから。ただ研修医時代に20代の子宮頸がんの患者さんを担当したのですが、その方が亡くなってしまった経験があるんです。そのとき「医者だからといってなんでも治せるわけじゃないんだ」とはじめて感じました。そんな思いが少しずつ積み重なっていたのかもしれません。「がんの手術をする」ということに対して自分の中で行き詰まってしまい、産婦人科のクリニックを開院するのもいいかもしれないと思いはじめました。以前勤務していた医院の上司に「お前は真剣すぎるくらい患者と向き合う。やり過ぎかもしれないけど、開業医向きだよ」と言われていたことや、もともと「1人の患者さんを、トータルに診ていきたい」という信念があったので、それを実現するためにも開院しようと思うようになりました。

医師として女性として、少しでも悩みを取り除きたい

開院にあたって、辻堂を選んだのはどうしてでしょう。

櫻庭志乃院長 リーヴァレディースクリニック5

好きなんです、この土地が。友人に誘われてサーフィンに目覚めたということもありますが、この地域の人と土地が好きで移り住んできたほどです(笑)。はじめはお産ができる施設を考えていて、海の近くで探していたのですがなかなか難しく、産院を併設するのは諦めました。それなら、通いやすい駅のそばがいいだろうと考えていたところ、この場所に巡りあったんです。辻堂の駅前ということもありますし、テラスモールができたことで人が集まるようになって、通いやすいのではないかと思ったんです。

休日はサーフィンでリフレッシュをしていらっしゃるのですね。

はい。今の住まいは海まで歩いて5分くらいなので、手軽に楽しんでいます。サーフィンという趣味ができたことで、精神的なストレスも溜まらなくなったんじゃないでしょうか。リフレッシュはもちろんですが、サーフィンのために筋トレしたり、体が重くなると辛いのでベスト体重を保つように気をつけたりしているので、体力づくりも健康管理もサーフィンが中心です(笑)。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

櫻庭志乃院長 リーヴァレディースクリニック6

クリニックというよりリラクゼーション施設だと思って、気持ちを楽にしてきていただければと思います。悩み事があるようでしたら、1人で考え込んでいないで1度いらしてください、コーヒーを飲みに(笑)。そのくらいの軽い気持ちで来てほしいです。「よし、病院に行かなきゃ」という、一大決心は必要ありません。本当に軽い気持ちで、話をしに来てくれればなと思っています。たしかに産婦人科は来づらいですよね。でも私も同じ女性です。ですから遠慮なく、何でもお話ししていただきたいんです。更年期が気になる方、あるいは妊娠のことで悩んでいる方もいるでしょう。産後の不安や子育ての悩み、仕事のストレスで体調を崩す方も少なくありません。医師としてはもちろん、妊娠出産や子育て、仕事での壁を経験した女性としてもご相談に乗ったり、お話を聞いたりしたい。体と心、両面から元気になっていただくために努めるのが、私の役割だと思っています。

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