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今泉 眞一 院長の独自取材記事

今泉歯科医院

(福岡市城南区/別府駅)

最終更新日:2021/10/12

今泉眞一院長 今泉歯科医院 main

別府駅より徒歩10分の場所にある「今泉歯科医院」は、2002年の開院から間もなく20年。「全身の健康はお口から」を理念に、患者の体を大事に想えばこそ、時に厳しく接してきたと今泉眞一院長は言う。その言葉どおり、無理を言うなじみの患者をビシッと正す姿や、最期を見届けた患者からの言葉を思い出し、思わず感極まるなど、今泉院長の人間味あふれる人柄を目の当たりにできた今取材。地域住民への愛情の深さは、少しでもリラックスできるようにと、自身が育てたという院内外に飾られている色とりどりの花や観葉植物からも感じられた。そして今、今泉院長が積極的に取り組んでいるという口腔がん検診、治療、予防。そのすべての根底にある想いを、貴重なエピソードを交えながら語ってくれた。

(取材日2021年1月18日)

口腔がんのさまざまな症例に携わり、経験を積む

小さな頃は小児喘息でよく病院に通われていたそうですね。

今泉眞一院長 今泉歯科医院1

体が弱く、発作が治まるので注射が大好きな子どもでした。幼稚園も半分は欠席。ですので、呼吸器を鍛えるために、実家がある天神から大濠公園までマラソンをよくしていましたね。幼稚園児ですので、結構な距離ですよ。今、歩いても息があがるくらいの距離ですから(笑)。しかし、そのおかげもあってか、ずいぶんと良くなりましてね。医療の道に進みたいという気持ちも、当時よく病院通いをしていたことが大きく影響しています。人を救う医師の姿を実際に見ていましたから。そういったことから、歯科の中でも外科的な治療に携われる口腔外科にも興味が湧き、長崎大学歯学部卒業後は友人の勧めもあって、九州大学の口腔外科に入局しました。

大学病院では重篤な疾患をはじめ、さまざまな症例を診られたのでは?

12年間いましたからね。携わらせてもらった疾患の一つ一つが勉強でした。口腔外科ですので、がんの患者さんを担当することもあり、中にはお看取りした患者さんも。口腔がんというのは気づきにくく、発症率は低いとされるものの、気づいた時にはかなり進行した状態であることが少なくありません。さまざまな症例を実際に目にすることができる環境で学べたのは、今の自分にとって財産です。がんにしても状態によって顔つきが違いますから、経験を積んだことでその段階を見分けられたり、見逃しがちなことにも気づきやすいですからね。

そして2004年にここ城南区別府で開院を。

今泉眞一院長 今泉歯科医院2

間もなく20年たちます。あっという間ですね。開院当初から患者層に変化はなく、幅広い年代の方がおみえになります。ただ、この地域も高齢化が進んでいますので、高齢の患者さんは増えました。ですので、歯周病や入れ歯、インプラントなどの治療も多いですし、地域の方とも交流が深まるほど指導の内容が変化することも多くなりました。今ではすっかり「今泉歯科の先生は厳しいよ」と、この地域で評判です(笑)。ただ、その厳しさの根底には、ご自身の歯を大事にしてほしいという想いがあってこそ。だから一切、遠慮と妥協はしません。

痛くなったら行くのではなく、歯を守るために行く場所

幅広い中でも特に力を入れて取り組まれている治療はありますか?

今泉眞一院長 今泉歯科医院3

審美歯科に関しては、基本的に歯を削らず、歯の表面に非常に薄いセラミックの膜を貼り、理想とする歯並びをめざす施術に取り組んでいます。これは、歯を削る音が苦手な方や、歯への意識が高い方が希望されることが多い治療で、県外から来られる患者さんも。それから、早期発見のために口腔がん検診にも力を入れています。大学病院では口腔がんも診てきましたし、この病気の怖さも実感していますからね。一人でも多くの命を救いたいという思いから、手軽に検査ができる機器を導入しました。毎月検査を希望される方もいますが、少なくとも半年に一度のペースで受けられることをお勧めしています。疑わしい場合は、医局にもいましたので、すぐにその道に長けた専門家へとつなげます。

口腔がんは早期発見が難しい疾患とのことですが、予防法はあるのでしょうか。

いろんな要因があるので、定期的に歯科クリニックへ通うことが大切です。例えば、尖った歯がずっと当たっている箇所があったり、虫歯もそうですし、喫煙、辛い物ばかり食べているなど粘膜に刺激を与えるのもよくありません。口腔内の環境が病気の一因になり得ますから、定期的にメンテナンスを行うことが一番です。残念ながら、歯科には「歯が痛くなったら行く」という考えが今も根強くある日本に対し、「歯を守るために歯医者に行く」というのが世界的な考え。決して痛くなってから行くところではないんです。痛くならないために行く。その根本的な認識を変えなければなりませんので、患者さんにはしっかりお伝えしています。

また、治療を行う上で全身管理も重視されているとお聞きしました。

今泉眞一院長 今泉歯科医院4

そこは大学病院で全身麻酔も扱ってきましたから、しっかり勉強もしました。その時は大変だったことのほうが多い記憶しかありませんが、今は勉強していて良かったと実感しています。高齢者は特に、歯科以外の疾患のある方もいらっしゃいますからね。高齢になると健康な状態から要介護状態になるまでに、フレイルという体の機能が低下してくる中間の時期があります。その状態や兆候を知ることができれば、予防策を講じることができます。誤嚥も飲み込む筋力の低下が原因ですから、どのようにしてその筋肉を鍛えるか。それは噛むことです。噛むことと飲み込むことは一連の動作なんです。今、誤嚥性肺炎でお亡くなりになる方が増えています。それを防ぐためにも声を大にして予防の重要性を伝えていくのが役目だと思っています。自分の体は自分で守るしかありません。だからこそ厳しく接しますし、そのぶん責任を持って診ます。

歯の健康、そして自身の命としっかり向き合ってほしい

患者さんへ真っ直ぐに接するのが院長の診療スタイルなのですね。

今泉眞一院長 今泉歯科医院5

この地域には私のビシッと物言う診療スタイルを知っている方が多いですから、「入れ歯はしたくない」など、言うことを聞いてくれない介護が必要なお年寄りがいるご家族からの相談を受けることもよくあります。窒息させてはいけない、でもご飯は食べさせないといけないからと、ご家族の悩みは切実ですよ。そんな時に「あ、今泉歯科だ」と、パッと思い浮かぶんでしょうね(笑)。そこからはもう気合いです。なぜ入れ歯をしなくてはいけないか、歯がないから。じゃあ、歯がないとなぜ困るか、物を食べられないから。食べられないとなぜ困るか、生きられないから。そうなるとどうなるのか、家族が悲しむ。そんな当たり前のことを言って理解してもらわなければ、その方は衰弱する一方ですから、それは強い口調にもなります。でも……まだ言い合いできるうちは、幸せなんですよ。

患者さんとの大切な思い出がおありなんですね。

長くやっていると、患者さんとのお別れも避けられません。私は厳しいことも言いますが、最後まで責任を持って診るのがポリシー。ある患者さんが最後に言ってくれた言葉……。その方ともずいぶんとやりあったものです。しかし、最後に「棺桶に入れ歯を入れてほしい。向こうでもおいしいものを食べたいから」と言ってくれましてね。もう歯科医師冥利に尽きますよ。天国でもしっかり噛んで、おいしいものをいっぱい食べていてほしい……心からそう思います。お年寄りの中には「長生きしたくない」と冗談で言う方がいますが、軽はずみでそんなことを言ってはいけないと、語気が強くなります。今まで口腔がんで看取った方もいますが、その方たちは「死にたくない」と言われ、旅立たれたんです。どんなお気持ちだったか……。それを思うと、やりきれないですよね。その方たちのためにも、早期発見に努め、口腔がんで亡くなる方を一人でも減らすことが私の役目です。

今後も奮闘されると思いますが、最後に読者へメッセージをお願いします。

今泉眞一院長 今泉歯科医院6

実はガーデニングが趣味で、院内外に飾っている花は私が育てたものなんです。花も病気になったり、人の手を必要としますし、元気よく育ってくれたらうれしいんです。歯科医師という仕事もそうで、避けられる病気であれば何とかして助けたいです。自分の手の届く限り皆さんの意識改革に努め、一人でも多くの方に歯科は歯を守りに行くところであることを理解していただきたいと思います。皆さんの健康寿命を延ばすことにもなりますから。持って生まれた歯は、ご自分の体の一部です。歯の健康、そしてご自身の命としっかり向き合ってください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/35万2000円~
ラミネートベニア/8万8000円~
口腔がん検診/5500円~
う蝕除去液による虫歯治療(1歯)/8800円~

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