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上枝 正幸 理事長の独自取材記事

上枝循環器内科クリニック

(三豊市/本山駅)

最終更新日:2023/12/27

上枝正幸理事長 上枝循環器内科クリニック main

「上枝循環器内科クリニック」は、西讃エリアの拠点病院で17年間、循環器内科部門を率いてきた上枝正幸理事長が2014年に開業。三豊市豊中町で、広く四国圏の患者を迎え入れている。温かな院内デザイン、先進の設備を活用した質の高い診療もさることながら、最大の魅力は上枝理事長の患者を安心させる人柄だと言えるだろう。上枝理事長が循環器内科医を志したのは、循環器診療が急速に発展した1980年前後。留学先の南フロリダ大学では異国の医療文化を体験し、培った「外の目」を持って研究、臨床に臨んできた。現代日本において、高齢化に伴う動脈硬化性疾患の予防は最重要課題の一つ。「血管さえ若々しく保てば、人は生体機能を維持できるはずです」と訴える血管診療のスペシャリストに、これまでの人生や、循環器診療に懸ける想いを聞いた。

(取材日2023年11月16日)

光差す、温かな場所をめざして

ビタミンカラーがかわいらしい待合室ですね。

上枝正幸理事長 上枝循環器内科クリニック1

ありがとうございます。この土地にはもともと「はっさく」の畑がありまして、待合室もその当時の風景をイメージしているんです。はっさくの果実と葉の色のチェアを並べ、頭上には太陽の形を象った時計を飾っています。まばゆい太陽の光を浴びて、すくすくと柑橘が育つような、そんな温かい場所になるようにとデザインしました。当院のロゴマークはご覧いただきましたか? そちらにも、同じオレンジ色とイエローグリーンをあしらっているんですよ。

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

高校時代に、ある有名な医療漫画が流行していたことと、祖母が病気がちだったことが医師を志すきっかけとなりました。循環器内科を専門領域に選んだのは、岡山大学医学部4年生の頃ですね。この頃、業界で初めて経皮的冠動脈形成術(PTCA)の症例報告が上がったんです。つまりは、カテーテル治療の先駆けです。カテーテルという細い管状の器具を用いることで、医師は開胸手術をせずに、狭心症の治療に取り組めるようになりました。当時は循環器診療がもっとも華やかに進化した時代。その後も毎年のように新しい治療法が生み出され、モノクロだった超音波検査の画像も、私が卒業する1983年頃には血流の色を示せるようになりました。急速に発展する医学に追いついた教科書はなく、自分自身の力で勉学に挑み、医療のフロンティアに身を投じる。そういう、熱い時代だったと思います。

大学院を出た後は、アメリカの大学にも行かれたそうですね。

上枝正幸理事長 上枝循環器内科クリニック2

岡山大学の大学院を経て、アメリカ・南フロリダ大学医学部に留学し、3年ほど研究助手を務めました。大学のラボではアデノシンという血管を拡張する物質や、冠動脈の循環システムの基礎研究に打ち込み、多くの論文を執筆しました。南フロリダ大学はフロリダ州のタンパという都市にあるんですが、世界最大のテーマパークや、ロケットの発射基地などが移動圏内にあり、休日の観光先にも困らなかったです。当時はまだ結婚して3ヵ月目。英語も思うように話せない中でしたが、あの3年間は今まで生きた人生の中で、一番楽しい日々でした。

その後は、臨床の場に出られています。

大学の先輩の誘いを受けて、最初に勤務したのが福山市の市民病院です。先輩に教えられながら、心臓カテーテル治療の実践経験を積んだ上で、故郷・香川県の三豊総合病院に赴任しました。三豊総合病院といえば、三豊市、観音寺市、四国中央市からも患者さんが集中する地域の中核病院ですが、当時病院に在籍していた循環器内科医は2、3人のみ。私は39歳で、このチームのトップに立ちました。忙しくなかったと言えばうそになりますが、カテーテル治療・検査の腕は鍛えられましたね。病院で10年以上過ごし、50歳を過ぎた頃からでしょうか。今後の身の振り方を考えて、開業準備に入りました。病院のシステム変更などで3年ほど時間を要しましたが、2014年に、循環器内科医の少なかったこの場所で開業へ。近隣には大型商業施設や高速道路IC、三豊総合病院があり、地域医療に専念するにはぴったりの環境だと感じています。

時代の先を行くDX環境を構築

病院時代から通われている患者さんも多いのでは?

上枝正幸理事長 上枝循環器内科クリニック3

そうですね。三豊総合病院に赴任したのは26年前ですが、その頃からの患者さんも多く来られています。中でも圧倒的に多いのは、高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病を抱えて、循環器疾患を併発している方々です。あとは心不全や、不整脈絡みの方ですね。循環器疾患というものは、やはり高齢化に伴う動脈硬化が原因であることが多い。当院の患者さんも、70代以上の方がほとんどです。皆さんが脳血管疾患や心疾患にならないように、健康寿命を少しでも延ばせるように、血圧、コレステロール、糖尿病のコントロールには力を注いでいます。「人は血管とともに老いる」という有名な言葉がありますが、逆に言えば血管さえ若々しく保てば、人は生体機能を維持できるのではないかと考えています。私は血管診療のスペシャリストとして、これからも患者さんの動脈硬化の進行抑制に取り組んでいく方針です。

こちらでは、DX化も進んでいると聞きました。

診察室では医療クラークさんが隣に座り、電子カルテの入力や診療・検査の予約、検査結果のグラフ化などを行います。電子カルテはすべてクラウド型です。国内トップのセキュリティー会社が手がけるシステムとあって、強力なセキュリティー体制を敷いていますし、複数の端末から同時にアクセスしても、同じ患者さんの情報が見られるところが便利です。またその他にも、マイナンバーカードのICチップなどから内服薬の処方内容などを読み取る「オンライン資格確認」や、エックス線写真、超音波検査画像などの医療用画像データを管理・保存するシステムを導入しました。

検査機器も充実していますね。

上枝正幸理事長 上枝循環器内科クリニック4

当院の強みは、できるだけ当日に検査結果が出るよう、設備環境を整えている点です。心不全などの診断に役立つBNP・心筋マーカーのトロポニンなどの定量迅速測定装置、血糖やコレステロールなどの成分分析を行う生化学自動分析装置、血液中の各種血球数を測定する全自動血球計数器などを活用し、検査結果は迅速に患者さんと共有しています。良好な結果をすぐにお伝えできたとしたら、患者さんもうれしい気持ちで治療を継続できますよね。大型病院ほど多くの検査はできませんが、主要な検査にはほぼワンストップで対応することができます。

病診連携こそ、現代の医療スタイル

今でも病院にお勤めなのでしょうか?

上枝正幸理事長 上枝循環器内科クリニック5

週に1回は三豊総合病院に訪れて、検査の所見づけを手伝ったり、カテーテル治療のアドバイザーを務めたりしています。病院の若い先生方と、顔を合わせて患者さんのお話ができるメリットは大きいです。アメリカでは開業医の先生が基幹病院の外来も担当するケースが多いのですが、三豊市のこの地区も、私と同じように病院に足を運ぶ開業医の先生が増えており、少しずつアメリカに近づいていっていると感じます。今の時代に、一人ですべての診療を担うことは不可能です。病院とクリニックがより緊密に連携した診療を展開できれば、それが理想ではないでしょうか。

お忙しい日々のリフレッシュ法や、先生の健康法があれば教えてください。

最近トイプードルを飼い始めまして、時々散歩に行くのが楽しみです。まだ1歳になったばかりで、しっぽを振りながら近寄ってくる姿には非常に癒やされます。健康法は、3食バランス良く食べることですね。私はかつて、動脈硬化の進行にはコレステロールだけでなく、オメガ3とオメガ6、多価不飽和脂肪酸のバランスも関わっているのではないかと考え、研究を行っていた時期がありました。そのため今でも青魚を意識的に摂取し、朝食ではシリアルとエゴマ油を入れたヨーグルトをよく口にしています。

最後に、読者へのメッセージをいただけますか?

上枝正幸理事長 上枝循環器内科クリニック6

当院の基本理念は、Advanced, Best and Comfortable medical care。高度で最善、かつ温かく心地の良い医療の提供が目標です。診療する際は患者さんの言葉を傾聴し、そしてできるだけ否定せず、肯定し勇気づけます。「こんな状態だと早死にしますよ」などと、脅すような言い方はしません。これからも基本理念の「ABC」を貫きながら、地域の皆さんの健康を維持すること、治療が必要な方にはより専門性の高い先生をご紹介すること、皆さんの健康維持を通じて、地域社会の活性化に貢献することを心がけてまいります。皆さんも健康な血管を維持できるよう、食事と運動にはぜひともご配慮ください。

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