全国のドクター13,639人の想いを取材
クリニック・病院 157,066件の情報を掲載(2025年5月07日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 貝塚市
  4. 貝塚駅
  5. なかたクリニック
  6. 中田 信輔 院長

中田 信輔 院長の独自取材記事

なかたクリニック

(貝塚市/貝塚駅)

最終更新日:2024/10/15

中田信輔院長 なかたクリニック main

南海本線の貝塚駅より徒歩約4分。寺や昔ながらの商店が立ち並び、どこかノスタルジックな気分にさせてくれるエリアにある「なかたクリニック」。受付カウンターには患者が手作りした、ドングリで作られた人形が置かれ、診察室には「いつもありがとう、幸せです」と、患者直筆の感謝のメッセージが飾られている。「患者さんがうまく病気と付き合っていける環境をつくりたい」と語るのは、中田信輔院長だ。スタッフともども穏やかでアットホームな雰囲気が特徴の同院。他の病院で治療を続けられなかった糖尿病患者も安心して来てほしいという。そんな中田院長に、同院の診療方針や特徴、患者への思いを聞いた。

(取材日2024年9月24日)

糖尿病の子どものサマーキャンプへの参加がきっかけ

糖尿病や内分泌疾患を専門に選んだ理由を教えてください。

中田信輔院長 なかたクリニック1

学生時代、1型糖尿病の子どもたちのサマーキャンプを企画・運営する学生ボランティアサークルに入ったのがきっかけです。そのサークルでの楽しさややりがいから、糖尿病分野を専門に選ぼうと思いました。サマーキャンプでは、子ども1人に対しボランティア1人が担当につき、約1週間のキャンプの間、その子どもをサポートします。子どもたちは親元を離れて大自然の中で集団生活を行いながら、インスリンの自己注射や血糖値の自己測定などを練習し、糖尿病の知識や治療を学び、糖尿病の自己管理や生活面での自立をめざします。学生の私は、おそらく子どもにとっては「ただ一緒に楽しく遊ぶお兄さん」のような役割だったと思いますが、医師ではない立場で患者さんの等身大の生活に接することができて、本当に良い経験でした。

開業前のご経験と、開業のきっかけを教えてください。

2001年に鳥取大学医学部卒業後、糖尿病や内分泌疾患を専門に、大阪大学医学部附属病院や広島の国立病院呉医療センター、市立吹田市民病院などに勤務し、2014年に当院を開業しました。もともとは開業したいという強い気持ちがあったわけではないのですが、大学病院に所属しているとき、東日本大震災の被災地に、1週間支援に行く機会がありました。被災してから半年たっていたので、災害医療というよりも、医師が不足しているエリアでの支援を担いました。短い期間でしたが、住民の皆さんとふれあう中で治療する上での生活環境の整備が重要であることを実感し、大学病院や基幹病院ではできない、地域の診療所ならではの仕事をしたいと考えました。その後ご縁があり、ここで開業したのです。

患者層を教えてください。

中田信輔院長 なかたクリニック2

前身の三杉内科からの患者さんもおられ、風邪や腹痛といった症状も多数ありますが、糖尿病内科を標榜しているためか、やはり糖尿病の患者さんが多いですね。また、高血圧症や脂質異常症など、いわゆる生活習慣病の患者さんも多いです。その他、痛風や甲状腺ホルモンの異常によって起こる甲状腺疾患の患者さんもいらっしゃいますね。年齢層は40~50代以上の方が多く、「健康診断で初めて指摘されたので」といった方にも対応しています。糖尿病は慢性疾患ですので、一度来院すると長期にわたり通院される患者さんが多いので、長いお付き合いになります。

3ヵ月ごとにテーマを決め、糖尿病合併症の予防を啓発

患者さんとの接し方で心がけていることはありますか?

中田信輔院長 なかたクリニック3

まず患者さんの話を丁寧に聞いて、背景の理解に努めます。そして些細なことでも必ず褒めて自信を持ってもらい、モチベーションアップに努めています。不安な気持ちで来院される方もおられますが、診察が終われば気持ち良く帰っていただきたいです。世間では、糖尿病というと、「自分が不摂生な生活を送っているから病気になる」という良くないイメージがついていることも多いですが、同じ生活をしていても糖尿病になる人とならない人がいるように、生活習慣を変えれば症状の改善が見込める方もいれば、遺伝や体質もあって、食事や運動をすごく頑張っても改善が難しい人もいます。糖尿病の治療は、いかに前向きに病気とうまく付き合っていくかが大切です。最近は新しい薬もたくさん出てきていますので患者さんの個々の痛態に合った治療法を一緒に考えていきたいと思っています。

糖尿病では、初診の場合、どのような治療を行うのでしょうか?

血液検査や尿検査を行い、その後、検査結果の説明や今後の治療方針などを相談します。特に初診は時間をかけます。当院では、希望者に対し個別に「糖尿病教室」も行っています。これは専門的に学んできた看護師と、管理栄養士・臨床検査技師の3人で、1回30分、全10回のコースで実施します。食事療法や運動療法、糖尿病の合併症などについて、マンツーマンで指導を行います。糖尿病は目や腎臓、神経の合併症や動脈硬化性による病気のリスクが高い疾患です。そのため糖尿病の指標である血糖値とHbA1cだけでなく、脂質や肝機能、腎機能なども定期的に測定します。

糖尿病は、やはり合併症のリスクが怖いものなのでしょうか?

中田信輔院長 なかたクリニック4

長期間にわたって血糖値が高い状態が続くと、全身の血管がダメージを受けて合併症が進みやすくなります。私がいつも心がけているのは、一人の患者さんの全体像を把握することです。糖尿病は全身疾患なので、血糖値だけを見ていたらいいわけではありません。担当している患者さんも増えておりますので、いかに短時間で、検査の漏れをなくし患者さんの全体像を把握するかを大切にしています。また、本院では3ヵ月ごとにテーマを決めて、合併症を予防する啓発キャンペーンを行っています。例えば、前回は「動脈硬化予防月間」で、今は「糖尿病患者さんの足を守ろう月間」でした。患者さんには、テーマごとに疾患の仕組みや予防方法などの情報をまとめた資料をお配りし、医療者側ではテーマごとに患者さんの状態を再確認したり、足りなければ検査を追加したりしています。患者さんと医療者と、双方一丸となって取り組んでいます。

患者が自身に対して責任を感じないようにしたい

多職種のスタッフさんが在籍されているそうですね。

当院には、糖尿病の療養について専門知識を持つ管理栄養士、看護師と臨床検査技師が在籍しています。インスリン注射や血糖測定の方法、生活面など全般的な相談に対応しています。他に、糖尿病は足に症状が出やすいので、フットケアは看護師が担当しています。フットケア中にお話をすることで、患者さんの困っていることや希望を聞き出すことも目的の一つです。管理栄養士は患者さんの生活について詳しく伺った上で食事内容を提案します。一人暮らしなのかご家族がいるのか、どんな仕事をされているのかといった背景を踏まえて提案することで、より適切なアドバイスにつながると考えています。患者さんに寄り添って一緒にメニューを考えますので、ご安心くださいね。臨床検査技師は、院内の検査機器の精度を確認し、患者さんの自己血糖管理のための測定器について説明したり、ご相談を受けたりしています。

先生の趣味や健康法を教えてください。

中田信輔院長 なかたクリニック5

最近はあまり行けていないのですが、御朱印集めが趣味です。最初に始めたきっかけが西国三十三所巡礼だったのですが、回りだすと、他にも摂津国八十八所、洛陽三十三所観音巡礼や神仏霊場、全国一の宮巡拝など巡礼にも複数あって、いろいろ集めたくなってしまうんですよね。健康法は、定期的にジムに行くようにしています。あとは、晩ご飯を早めに食べて、あまり遅い時間には食べないようにするとかですね。忙しいと、どうしてもできない日も多いです。だから、なかなか食事療法や運動療法がうまく続かない患者さんの気持ちもわかるんですよね。

今後の抱負をお願いします。

中田信輔院長 なかたクリニック6

糖尿病に限りませんが、長く付き合っていかないといけない疾患の方が多いので、医師としていかにその方の人生に寄り添っていけるかを大切にしたいですね。病気以外の面では、通常の生活を送りつつその質を落とさず、気持ちの面でも前向きに、病気と闘っていくというよりは病気と付き合っていけるように、患者さんを手助けできたらと思っています。受診を迷われたり、不安を感じている方にも、ぜひ安心して来院してほしいです。

Access