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関 忠和 院長、関 俊樹 先生の独自取材記事

せき山王クリニック

(大田区/大森駅)

最終更新日:2023/10/11

関忠和院長、関俊樹先生 せき山王クリニック main

大森駅から徒歩1分にある「せき山王クリニック」は、内科・外科・脳神経外科・循環器内科・漢方内科に対応する。関忠和院長は長年、東京都内近郊の大学病院などで臨床に携わり、研鑽を重ねてきた。そして2012年に同院を開業。音楽が好きで、スピーカーの音質にこだわる忠和院長。院内には、自慢のスピーカーからジャズやクラシック音楽が流れており、患者にリラックスしてもらうための配慮が随所に感じられる。2022年4月からは長男の関俊樹先生が、また同年10月からは別の医師が循環器内科の医師として診療に関わることで、これまで以上に幅広い医療を提供し地域への貢献をめざしている。「患者の話を丁寧に聞くこと、これが地域に密着したクリニックにとって大切」と話す忠和院長と俊樹先生に、クリニックの特徴について話を聞いた。

(取材日2023年6月8日)

幅広い世代をサポートし、信頼されるクリニックに

開業するまでの経緯を教えてください。

関忠和院長、関俊樹先生 せき山王クリニック1

【忠和院長】もともと開業医の息子だったので、将来的には自分のクリニックを持ちたいという想いはありました。しかし、長きにわたり公私ともに恩義のある先生のもとで勤務していたことや、一代で閉院すると通院している患者さんが路頭に迷ってしまうこともあり、なかなか開業を決心することができませんでした。そんな中、長男が医学部に入学し、継承の意志を示してくれたことで、2012年に開業に至りました。私たち家族が慣れ親しんだ、大森山王というこの地域で開業できてうれしく思います。

開業して約10年、変わらないこと、変わったことはありますか?

【忠和院長】もともと音楽が好きで、スピーカーの音質にこだわりがあったので、クリニックを開業するときに米国の高品質なスピーカーを設置しました。開業当時から、患者さんにリラックスしてもらうためにジャズやクラッシック音楽を院内で流していたのですが、それは今でも変わりません。院内での変化は、昨年から循環器分野にも対応できる診療体制が整ったことから、超音波検査用の設備を導入しました。そして近隣の変化としては、地元で古くから親しまれていた数件のクリニックが閉まってしまい、寂しくなりましたね。閉院してしまったクリニックに通院していた患者さんが当クリニックに足を運んでくれることもありますので、温かく丁寧に出迎えるようにしています。

診療において、患者さんとの会話を大切にしている印象があります。

関忠和院長、関俊樹先生 せき山王クリニック2

【忠和院長】そうですね。当院では、検査よりも患者さんとの会話を大切にしています。時間をかけてコミュニケーションを取り、患者さんが発した言葉の中から、不調の原因を見つけるように心がけています。診察時間が長いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、しっかりと状態を把握するためなので、ご理解いただけるとうれしいです。また、検査を行ったほうが良い場合は、近隣の牧田総合病院や大森赤十字病院と連携しているので、ご安心ください。患者さんの話をじっくりと聞き、不調の原因をわかりやすく説明し、適切な対処方法をお伝えする。開業以来、このスタンスは変わらず貫いています。
【俊樹先生】勤務医時代は、自分の専門に特化した医療提供が主な業務でしたが、当院で患者さんと接するようになってからは、「人」を診ることが重要だと感じています。患者さんの話を聞き、それぞれの状態に合った対応ができるよう努めたいと思います。

「家族のかかりつけ医」がクリニックの理想的な姿

忠和院長が漢方に興味を持つようになった理由を教えてください。

関忠和院長、関俊樹先生 せき山王クリニック3

【忠和院長】西洋薬は、効果は期待できますがその分副作用のリスクも見込まれるため、できるだけ出したくないという想いがあります。当院では漢方内科を標榜しており、現在は積極的に漢方を処方しています。大学卒業後は脳神経外科に入局していたので、その経歴からは漢方との接点を見つけにくいかもしれないですね。漢方に関心を持つようになったのは、開業後のことです。学びや経験を深める中で、漢方は適用範囲の幅が広いこと、そして多くのケースでその効果が期待でき副作用も少ないなどに気づきました。地元密着型のクリニックにとって処方しやすいという点も魅力的でした。最近は、漢方治療を希望される方も増えているように思います。

在宅医療に尽力されているとお聞きしました。

【忠和院長】開業して間もなく、当院は在宅医療ができるよう体制を整えました。大森山王という地域性からか、近隣にはご高齢の方が多く住んでいます。もともと来てくださっていた患者さんが高齢になり来院が難しくなった場合でも、「別の医療機関に行ってください」とは言いたくないんです。自分の担当している患者さんは、最期まで責任を持って看取りたいと思っています。そのためにも、在宅医療ができるような体制が必要だと思い、体制を整えました。2022年4月からは、循環器を専門とする息子の俊樹先生と別の医師の2人が、当院のスタッフとして火曜日と木曜日に診察にあたっているので、その分私は、これまで以上に在宅医療が必要な方のもとに出向く時間を確保できるようになりました。

在宅医療によって、その家族との信頼関係を深めることにもつながるのでしょうか。

関忠和院長、関俊樹先生 せき山王クリニック4

【忠和院長】患者さんの自宅を訪問することで、ご家族との絆が芽生えることもあります。ご家族の心のケアにつながる場合もありますし、ご家族の方が不調になった場合はすぐに相談してもらえる関係性が理想ですね。在宅医療を積極的に行うことで、地域の方々と強固な信頼関係を築くことができると思います。患者さんから少しでも体調を崩したという連絡を受けたら、すぐに駆けつけ、その家のことならどんなことでも誰のことでも知っているファミリードクター、いわゆる「家族のかかりつけ医」が私がめざすクリニックの姿です。

親子の「地元愛」で地域住民をサポートしたい

俊樹先生が、循環器内科を選択された理由は何だったのでしょうか?

関忠和院長、関俊樹先生 せき山王クリニック5

【俊樹先生】祖父と父が外科分野を専門としていたので、最初は外科に興味がありました。ですが手術などを経験する中で、外科的な思考よりも、自分には内科的な考え方の方がマッチしていると感じましたし、学問としての循環器分野、とりわけ心臓という臓器はすごく面白いと感じました。ですから、2014年に日本医科大学を卒業した後は、循環器内科に入局することに決めました。また、医師になるのであれば、ずっと勤務医で過ごすのではなく、自分の城を持つという意味でも、父のクリニックを継承することに対しては前向きに考えていましたね。

親子2人体制について教えてください。

【俊樹先生】現在は木曜日午後の時間枠を担当しており、ほかの日は榊原記念病院の循環器内科で心臓を専門に診ています。火曜日は、日本医科大学循環器内科の先輩である先生のご協力をいただき、循環器に関わるご相談は、火曜日と木曜日にお受けしています。父と私の2人体制を開始したのは、ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行している時期でした。私が診察を行い、父は別室で経過観察などの電話対応を行うというように分担していました。この大変な状況の中でも、親子で地域に貢献できるよう努めました。ここは、私にとっても慣れ親しんだ土地なので、今後も、父と同じ思いで地域の皆さんに貢献していきたいです。

最後に、今後の展望についてお願いします。

関忠和院長、関俊樹先生 せき山王クリニック6

【忠和院長】将来的には、よりスムーズに診療できるように、院内を拡張したいと思っています。また、息子がこの地域のことを深く考えてくれているので、今後については何も心配していません。楽しみですね。
【俊樹先生】今後は、高齢者の心不全患者の増加が予想されています。当院の特徴の一つは、循環器専門の医師がいることです。これまでどおり、検査が必要な場合は、専門の医師と連携を取りながら進めたいと思っています。当院は、高度な検査を可能にする設備を導入すること以上に、患者さんの気持ちと生活に寄り添った医療を大切にしたいと考えています。ファミリードクターとして皆さんをサポートしていきますので、気になることがあれば、何でも気軽にご相談ください。

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