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鈴木 道明 院長の独自取材記事

小平すずきクリニック

(小平市/小平駅)

最終更新日:2020/04/01

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西武新宿線小平駅南口に近い建物の4階に「小平すずきクリニック」はある。在宅医療を中心としているクリニックで、比較的重症度の高い患者の訪問診療を行っている。鈴木道明院長は、呼吸器を専門としてきた経験を生かし、呼吸器疾患はもとより、在宅酸素療法や末期がんのケアなど、最後まで自宅で過ごしたいという患者に対して、生活全般を含めたトータルな診療を行う。「診断から治療を行う医師はたくさんいますが、患者の人生の後半を診る医師はそう多くはおりません。今後は開業医の先生方が、少しでも在宅医療に参加してくれたらうれしいです」と語る鈴木院長。患者と家族のために在宅医療ができることとは何か、さまざまな視点から話を聞いた。
(取材日2018年8月29日)

呼吸器専門ではなく、あえて在宅医療を選んで開業

なぜ小平を開業地に選んだのですか?

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2008年まで小平にある公立昭和病院に勤務し、その後桜町病院のホスピスをつくられた山崎章郎先生が開業されたケアタウン小平クリニックにお世話になって、在宅医療を行っていました。そして4年前に当院を開業し、現在ケアタウン小平クリニックと連携型機能強化型在宅療養支援診療所となっています。小平に開業しようと思ったのは、私はもともと秋田県の生まれで、秋田大学医学部を1990年に卒業して東京に出てきました。以来、栃木県の自治医科大学附属病院に4年間勤務したときを除くと、ずっと小平にいたので、いろいろな人たちとのネットワークができていたからです。

なぜ在宅医療を中心としたクリニックを開業しようと思ったのですか?

強いて言えば学生時代、岩手県の沢内村という所に、在宅医療の研修で何回か行ったことがあり、田舎のこういった場所で、地域住民のために行う医療もありだと考えました。病院の外来のように、数分の診療時間ではなく、じっくりと診療ができるのもいいと考えたのです。でもずっと在宅医療や開業を考えていたわけではなく、呼吸器の医師として勤務していたときも、開業しようとは思ってはいませんでした。そんな当時、同じ小平で開業されているケアタウン小平クリニックの山崎先生に、在宅医療をするにはどうすればいいかを相談したところ「だったらうちに来ないか?」と言っていただき、勤務することになりました。その後、1人で在宅医療中心のクリニックを開業しようと思いました。

呼吸器専門の医師として開業するという道もあったかと思うのですが。

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大学時代から呼吸器科の分野は好きで、長く呼吸器科の医師として、ぜんそくの治療や、レントゲン画像の診断、気管支鏡を使って、肺がんなどの診断や治療を行っていました。在宅医療を行うことで、これらの領域から離れることは少し残念でしたが、それまで培った知識や経験は、今の診療に生かされていますし、ベースになっています。医師として、患者さんの診断から最後の看取りまでお付き合いできればいいのですが、今の医療機関ではなかなかそれが難しい状態です。何ヵ月も医療機関に入院することはできませんから、最後はホスピスにお願いしたり、在宅医療機関にお願いしたりということになります。今まで携わってきた診断や治療の部分も面白いけれど、これからの医療は、患者さんの後半部分に焦点を当てるべきだと思い、軸足をシフトしたわけです。

患者と家族を支えるには、地域や多職種との連携が重要

現在患者さんはどのくらいいるのでしょうか。

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現在40人弱の患者さんを担当しております。当院は90%以上が、がんの末期や酸素を吸入しているなどの重症患者さんで、介護度が軽い方はあまりいません。総合病院やほかのクリニックからの紹介、ケアマネジャーさんからの紹介などさまざまです。がんや慢性疾患で、最後まで家で過ごしたいという方はできるだけ断らないように心がけて診療にあたっています。

患者さんと接するときに大事にしていることは何でしょう。

当院の場合は、移動時間も含めて1時間に1人の患者さんを在宅診療の時間として割り当てています。決まった時間の中で、病気だけでなく、ちゃんと食べられているか、排泄ができているかといった生活面は必ず診るようにし、自宅で患者さんが穏やかに過ごすにはどうすればいいかを考えながら、診療を行っています。また、患者さんをサポートするご家族が疲弊してはいけないので、ご家族も含めた「生活全般を診る」ことが重要だと思っています。在宅診療の医師の中には、医療面だけを自分が行い、他の部分はすべて訪問看護師さんやケアマネジャーさんに任せているという先生もいらっしゃいますが、当院はそういったスタイルではなく、医療と同時に生活全般の相談に応じるようにしています。

他地域との連携活動も行っているとお聞きしました。

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隣接する東村山市や東久留米市、東大和市などの地域と、「ひまわり在宅ネットワーク」という形で、顔の見える連携を図っています。小平市だけで在宅医療を考えるのではなく、隣接する地域の多職種の人たちとアイデアや経験を共有して、患者さんやその家族を支えていくことが大事だと思っています。今まで3回総会を行っていて、一昨年は200人くらいの人たちが集まりました。また小平市単体の活動は、行政から委託されて医師会が行っていて、小平市在宅医療介護連携推進協議会という形で、研修会や総会を毎年行っています。例えば、今年の2月の総会では、ワールドカフェ方式といって、メンバーが各テーブルを回りながら「人生の最終段階〜看取りに対応するために」というテーマでディスカッションを行いました。ほかにも、多職種の研修会や市民セミナーなどを行っています。

勤務医時代よりも、今が一番充実している

先生はなぜ医師になろうと思われたのですか?

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もともと私は文系だったので、最初はまったく医師になろうとは思っていませんでした。高校1年生の時に将来の進路希望を聞かれて、法学部に入って公務員になると書いたくらいです。でも次第に、人に直接役立つ職業はないだろうかと考えるようになり、医学の道もいいなと思うようになりました。ただし数学が苦手で(笑)、文系でも医師になれるのかを知りたくなり友人と2人で、親が医師だという別の友人のところへ話を聞きに行ったところ、数学ができなくても大丈夫だと言われ、それならと思い決心しました。

なぜ呼吸器を選んだのですか?

呼吸器内科は、いかに正確に診断をし、いかにスタンダードな、場合によってはそれ以上の治療をするかが問われます。特に呼吸器科のレントゲン画像は、パターン認識ができるので面白かったです。私は器用なほうではなかったのですが、気管支鏡をいろいろと工夫して行うのも好きでした。ただ今は、スペシャリティーは内科だと思っています。慢性疾患の病気や、酸素を吸入している人、がんの末期の人など、こういった患者さんとどう向き合っていくか、独居や老老介護など、患者さんの背景はさまざまなので、どうやったら最後までより良い生活が送れるかといったことを日々考えています。ですので勤務医時代よりも、今が一番充実しています。

日々お忙しいと思いますが、オンとオフの切り替えはどのようにしていますか?

特に今はないです。患者さんからの呼び出しがあるので、お酒も開業してから一滴も飲んでいませんし、趣味だった旅行も、今はあまり遠くへは行けません。その分、おいしいものを食べるのが好きなので、時々インターネットで全国のおいしいものを取り寄せて堪能しています。

今後の展望と、患者さんを支えているご家族に向けて一言お願いします。

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クリニックとしての形がしっかりとしてきているので、今後は小平市や隣接する地域との連携を強化していきたいと思っています。縁があれば、ほかの医師に来てもらって、医療体制の充実を図っていきたいと考えています。在宅診療は今後ますます必要になる分野です。最期まで家で過ごしたいという方はたくさんいますが、なかなかかなわないのが現状です。多くの方のそういった思いが実現できるよう、スタッフや多職種の人たちと連携しながら、患者さんを支えていきたいと思っています。ご家族の方々も、現在の状態や今後のことなどで悩んだら、1人で抱え込まずに相談してください。一緒に考えていきましょう。

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