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榎本 匡浩 院長の独自取材記事

榎本レディースクリニック

(生駒市/生駒駅)

最終更新日:2025/01/17

榎本匡浩院長 榎本レディースクリニック main

商業施設のクリニックモール内にある「榎本レディースクリニック」は、榎本匡浩先生が院長を務める2014年に開業したクリニック。近鉄奈良線生駒駅から徒歩1分と利便性が高く、生駒市内の他東大阪市や大阪市、京都市からも来院がある。院内は、シンプルにすっきりとまとめられ、患者がリラックスできる空間が保たれている。榎本院長は、奈良県立医科大学医学部を卒業後、大阪府内、奈良県内の病院で産科婦人科専門の医師として尽力してきた。済生会中和病院、奈良県立三室病院などで産婦人科医長として務めた後、同クリニックを開業。「女性の悩みに寄り添い、笑顔を増やしていきたい」と穏やかに語る榎本院長に、クリニックでの取り組みや治療方法について詳しく話を聞いた。

(取材日2024年11月28日)

西洋医学と東洋医学を組み合わせた治療方法を提案

クリニックを開業した経緯と、患者さんの傾向を教えてください。

榎本匡浩院長 榎本レディースクリニック1

いずれは開業したいと漠然とは考えていたのですが、当院の隣の薬局さんから開業のお誘いがあったことが開業の決め手となりました。この一帯の開発に合わせ、2014年クリニックモールの一角に開業しました。開業医は大変な一面もありますが、ご来院いただく患者さんをずっと一人で診ていけるところにやりがいを感じています。当院の患者さんは、更年期のお悩みでいらっしゃる方が多いですね。産婦人科だと産科も併設しているため、行きづらいと感じる方もいらっしゃると思いますが、当院は婦人科専門のクリニックですので落ち着いて来ていただけるようです。更年期以外には、月経関連の症状で悩む若い年齢層の方や、尿漏れなど排尿器関連で受診される70代、80代の方もいらっしゃいます。

勤務医の頃の経験で、今の治療に生きていることはありますか?

勤務医の頃はがん治療にも携わっていました。中でも卵巣がんは進行してから発見されることが多いため、手術や抗がん剤治療をしても再発することがあります。ある時、ステージ3の卵巣がんの患者さんがいらっしゃいました。治療後に腫瘍マーカーの再上昇等で再発したことがわかってからは、しばらく来院されませんでした。他の病院に移られたのではと思っていたところ、数年後に来院され、お話しする機会がありました。その方は恐らく積極的な治療はせずに好きなことをして、生活していく中で自然治癒力が高まったのではないかと感じました。その経験を通して、人間が本来持つ自然治癒力を高めることの重要性に気づかされ、西洋医療以外の方法もあるのではないかと思うようになったんです。漢方について取り組み始めたのもそれからですね。

漢方をどのようなお考えのもと取り入れていますか?

榎本匡浩院長 榎本レディースクリニック2

私たちが学生の頃は漢方の「か」の字もありませんでしたが、最近の医学部では漢方の勉強もするようになったそうです。奈良は漢方と深いゆかりのある地でもありますから、せっかくなので漢方の勉強をしていこうと考えました。といいましても、治療に漢方薬だけを使うわけではありません。例えば、風邪の症状があるときにその症状に対応する薬を処方され服用したが、どうにもすっきりしないということがあったとします。そのようなときに漢方薬を組み合わせる方法を提案しています。漢方はゆっくり作用するというイメージがありますが、即効性を望めるものもあるのですよ。当院では、西洋医学の良い部分は残しながら漢方の良いところを取り入れ、アレンジするようにしています。このような考え方をしている婦人科は珍しいため、他院から来院される方もいらっしゃいますね。

更年期の症状から、月経の悩みまで幅広く対応する

更年期の患者さんの場合、どのような悩みの方が多いですか。

榎本匡浩院長 榎本レディースクリニック3

つらいというお悩みが一番多いですね。体がつらいのか、心がつらいのか、あるいは両方という場合もありますので、診察で探っていきます。血液検査をしても異常がなく、血圧も正常で、食事が取れていてもつらいというケースも多くあります。検査で異常がないために「気のせい」と言われてしまうような場合でも、当院ではどんな時につらいのか、患者さんと向き合っていきたいと思っています。例えば、季節や天候、気圧によってつらさが違うこともありますよね。高血圧の方であれば、薬を使えばいいのでしょうが、気象病のような症状の方、つらいと言われる方のための治療は難しいこともあります。そのような場合、当院では漢方を提案しています。また、更年期障害の方には、プラセンタ注射を提案していますね。

漢方とプラセンタを用いて、どのように更年期の症状にアプローチしていますか。

まずは血液検査でホルモンが減っていないかをチェックし、減っている方にはホルモンを補充する治療を行い、経過を見ていきます。減っていない場合には何が乱れているか、自律神経の乱れはあるのかなどを東洋医学の観点からも診ていくというのが当院の治療のポイントです。不調にも波がありますので、必要に応じて漢方薬やプラセンタ注射を用いて、不調の波の振れ幅を小さくすることをめざしていきます。また、漢方薬など薬の量が多く負担が大きくなる恐れがある方に漢方薬を減らしてプラセンタ注射を行うなどといった提案もしています。

若い女性の月経関連の症状には、主にどのような治療をされていますか?

榎本匡浩院長 榎本レディースクリニック4

若い女性の場合は、月経不順や月経痛などの相談が多く、月経に関する症例には漢方薬や低容量ピルを提案していますね。低用量ピルは排卵の抑制を図ることによって月経痛などの症状の緩和をめざすのですが、症状が緩和されない場合もあるんですよ。そのような場合には漢方薬を合わせる方法を提案しています。メインの低容量ピルだけでは症状の改善が見込めない場合に、漢方薬をサブで使用する方法もありますので、両方でバランスを取るようにしています。若い女性でも症状はあるけれど、よっぽどつらい症状がない限り婦人科には行きにくいという方も中にはいると思います。これくらいの症状でも行っていいんだなと思ってもらえるように、受診のハードルが低くなるといいなと思っています。

つらい症状を年のせいにしないで、気軽に相談を

診察で大切にしていることについてお聞かせください。

榎本匡浩院長 榎本レディースクリニック5

体の不調についてだけでなく、患者さんの悩みをじっくり聞くことですね。漠然とした悩みで来られる場合もありますから、話をすることで、患者さんご自身が、体調がすぐれない原因に気づくことも考えられますよ。不思議に思われるかもしれませんが、原因がわかるだけで変わることもあるのですよ。普段、家庭では話していないということもありますから、話すことでスッキリされる方もいるのだと思います。一旦良くなられてもまた症状が出てしまう場合や、薬が効かないケースもあり得ます。薬を変えても変化が感じられないという場合には、環境因子が原因であるケースも多くあります。症状が明らかであれば他院へ紹介すれば良いのですが、病気ではないけれど調子が悪いという更年期の方については、不調の原因は何なのかを一人ひとり探りながら、心身のバランスを整えていく治療計画を立てています。

更年期症状の環境因子にはどのようなものがありますか?

環境因子には、ご家庭での悩みや本人の気性的なものから生じるストレスが考えられます。介護に関わられていたり、誰かが亡くなられたり、家族に関するお悩み、また男性の更年期と重なった場合などもストレスの原因になることがあります。「心身一如」というように、体の不調と心で抱えている悩みは、切り離すことができないと思うんですよ。雑談の中で消えてしまうことでも、当院ではお話を聞くようにしていますね。自分だけではないかと一人で悩みを抱え込む方に、皆さん多かれ少なかれ悩まれているということを伝えるだけで、ほっとする方もいると思います。心療内科に行かなければいけないこともありますので、そうなる前にまずは気軽に相談に来ていただきたいですね。

今後の展望と、読者にメッセージをお願いします。

榎本匡浩院長 榎本レディースクリニック6

これからも一人ひとりの患者さんの悩みに、真摯に向き合っていきたいと思っています。究極のところでいえば、一人でも多くの女性が、ご自宅でも笑顔で過ごせるようになるといいなと思いますね。笑うと免疫力が高まりますし、自然治癒力もアップするといわれています。気になる症状はあるけれど、クリニックに行くほどではないかなと思っている方もいますが、つらい症状を年のせいにせずに、良くすることを諦めないでいただきたいと思います。当院に相談していただくことで解決の糸口が見つかるかもしれませんので、まずは気軽にご来院ください。

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