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奥山 秀平 院長の独自取材記事

三田医院

(港区/三田駅)

最終更新日:2025/07/15

奥山秀平院長 三田医院 main

江戸時代から地域の健康を守ってきた「三田医院」。2025年、5代目にあたる奥山秀平院長が建物を、歴史を感じさせる趣を残しつつ現代的に建て替えてリニューアル開業を果たした。奥山院長は、長年総合病院で研鑽を積んだ日本肝臓学会肝臓専門医。先進の検査機器を活用する肝臓内科に加え、胃・大腸の内視鏡検査、内科全般などに幅広く対応することができる。穏やかで飾らない人柄ながら、特に増加する脂肪肝患者に心を配り、「症状がないからと甘く見るのは危険。一度当院に来て詳しい検査を受けてください」と肝臓専門医としての責任感をのぞかせる。レトロな照明が照らす居心地の良い雰囲気の中、院長は生まれ育った地への愛着と専門性を地域に還元したいという思いを語ってくれた。

(取材日2025年6月19日)

医療の窓口的役割を担うクリニックへ

診療方針について教えてください。

奥山秀平院長 三田医院1

はい。私の専門領域である消化器をメインにしつつ、地域の皆さんのために内科全般を幅広く診ていくつもりです。この街はオフィス街でもあり学生街でもあるので、近隣にお住まいの方だけでなく、周辺で働いている人たちの健康維持にも貢献したいと考えています。会社の健診で肝臓や、胃、大腸の異常を指摘されても、忙しくてなかなか病院に行けない方も多いでしょう。そういう方が近くで気軽に二次検査を受けられる場所でありたいですね。「大きい病院にこんなことでかかっていいんだろうか」と思っている人はたくさんおられるでしょうから、まずは当院に相談してもらって、本当に必要なら適切に紹介する。そんな医療の窓口的な役割も果たしていきたいです。

胃・大腸の内視鏡検査にも対応されていますね。検査負担軽減の工夫について教えてください。

内視鏡検査を定期的に受けたほうがいい人は一定数おられますので、なるべく楽に受検していただけるよう心がけています。胃の内視鏡検査では細径スコープのみを採用し、鼻から入れる経鼻検査と口から入れる経口検査どちらもできるようにしています。経口内視鏡検査であっても、細いスコープで行うとだいぶ違和感が少なくなります。それでも苦手な方には鎮静剤も使用可能です。鎮静なしで胃の内視鏡検査を受ける方には、目の前に小さいモニターを置き、リアルタイムで画像を見てもらいながら説明することもできます。大腸の内視鏡検査でも同様に、希望があれば鎮静剤・鎮痛剤を使っています。さらに、検査で使うガスを炭酸ガスにしているのもポイント。空気より体内に吸収されるスピードが早いので、検査後のおなかの張りがだいぶ楽になるはずです。

医院を建て替える際にはどんな点にこだわられましたか?

奥山秀平院長 三田医院2

新しすぎると無機質になってしまうので、やわらかい雰囲気を大切にしました。外観については、もともとれんが造りの建物だったので、その面影を残すためにれんが風のデザインを一部に取り入れています。昔の当院を知っている人には「あの建物の名残があるな」と思ってもらえるかもしれません。内装に関しては、先進の機器を取り入れながらも、あえてレトロな雰囲気を感じるデザインにしています。待合や廊下の照明はヴィンテージ感があるといいますか、洋館の旧館のようなイメージにしてもらいました。こうして、江戸末期から続く医療の場を現代に合わせて再スタートさせたんです。

増加する脂肪肝は肝硬変・肝がんにつながるリスクに

肝臓内科を専門にされたご理由は?

奥山秀平院長 三田医院3

医師になろうと思ったのは、やはり家系の影響が大きいですね。専門を決めたのは大学卒業時で、当時はすぐに科を決める必要がありました。内科の中でもメジャーな分野を選ぼうと考えていたんですが、正直、学生の時点で明確にこれと決められるものはなくて……。実は、決め手は所属していたサッカー部の顧問が消化器内科の教授だったからなんです。しかし、その後は総合病院で専門性を突き詰めて研鑽を積み、特に肝臓内科を専門にするようになっていったのです。それでいいのかなと思うような進路の選び方ではありましたが、しっかりと経験を積み、日本肝臓学会肝臓専門医として専門性を磨くことができました。

最近の肝臓疾患の傾向と脂肪肝の危険性について教えてください。

奥山秀平院長 三田医院4

昔は肝炎ウイルスの患者さんが主体でしたが、今はC型肝炎ウイルスはほぼ駆逐されたといわれ、B型も薬で抑制が図れる時代になりました。代わりに増えているのが脂肪肝です。最近では若い人にもたくさんいて、栄養やお酒の摂取量の多さと運動不足が主な原因ですね。ただ一番の問題は脂肪肝には「悪い脂肪肝」と「経過観察でいい脂肪肝」があるのに、それを適切に見極められる医師がほぼいないこと。悪い脂肪肝をそのままにすると肝硬変、肝がんのリスクが高まりますが、自覚症状が出にくいため放置されがちです。早めの対策が必要なのに、だいぶ悪くなってから総合病院にかかる人が多いのです。だからこそ、肝臓専門医として地域の皆さんの脂肪肝の診断と管理をする役割を担いたいと思っています。

気をつけたほうが良いことは何ですか?

健診で肝機能異常を指摘されても、「どうせ脂肪肝だよね」「しばらく食生活を気をつければ良いか」で終わってしまうケースが多いのですが、一度は専門家に診てもらって、そうした対応でいいのかチェックすべきです。総合病院に行くほどでもないと思っている方も、当院のような地域の医院であれば気軽に足を運べるのではないでしょうか。脂肪肝の評価方法として、血液検査と合わせて、エコー検査で肝臓の状態を調べます。肝臓の硬さを見るエラストグラフィを行う超音波機器を導入しています。線維化の程度を評価し、将来、肝硬変や肝がんに進行するリスクが高い脂肪肝かどうかを見極めます。繰り返しになりますが、脂肪肝の適切な評価ができる医師は本当に少ない中で、当院でならそれができると自負しています。

歴史ある医師家系に生まれ、肝臓の専門家に

江戸時代から先生の家系で受け継がれてきた医院だと聞いています。

奥山秀平院長 三田医院5

ええ。私の4代前、高祖父が江戸末期にここで開業したのが当院の始まりです。高祖父はもともと福岡藩の武士だったんですが、嫡男以外は自分で生きる道を見つける必要があったため、医業の道を選んだそうです。江戸に出てきてこの地で開業し、場所は変わらず、ずっとこの地で医療を提供し続けています。曽祖父の代には当時の日本の先進の感染症研究に携わりながら診療を続けていたそうですよ。祖父の代までは毎日のように診療をしていましたが、父は大学に残ったため診療は週一度、昔からの患者さんを診る程度の規模になっていきました。私も週半日だけ当院で診療を行っていたのです。しかし、老朽化した建物を建て替えることになったのを機に再スタートしようと決意しました。

今後の展望をお聞かせいただけますか?

周辺にある大規模病院との連携を強化していきたいと考えています。総合病院だけで脂肪肝の患者さんをすべて診るというのは現実的に不可能ですから、通常の管理は当院のようなクリニックで行い、重症度の高い方は適切に総合病院に送る。逆に総合病院で治療を受けた後の日々のメンテナンスはこちらで引き受ける。こうした連携体制ができれば理想的ですね。私は長く総合病院で健診異常の二次検査を行ってきた経験があるので、どういう人をどのタイミングで紹介すべきかの判断には自信を持っています。脂肪肝に限らず、消化器的な問題で総合病院に行くべきかどうか迷ったら、まずはここで鑑別できる体制を整えていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

奥山秀平院長 三田医院6

健診で肝機能異常が指摘されたら、それを放っておかないでください。「どうせ脂肪肝だから」と自己判断せず、一度は専門家に診てもらうことが大切です。肝臓の病気は自覚症状が出にくいからこそ危険で、症状が出てからでは手遅れになることも。私も山登りやボルダリングで体を動かすようにしていますが、適正な体重を維持し、適度な運動をすることが基本です。ただ、すでにリスクが高い状態の方もいますから、まずは適切な評価を受けてください。どうしよう、誰に相談すればいいと悩んだとき、近くに肝臓専門医がいることを思い出してもらえれば。肝臓の疾患を甘く見るのは本当に危険ですから、早めにご相談いただくよう、読者の皆さんにはお願いしたいと思います。

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