永山 哲史 理事長の独自取材記事
医療法人永山会 永山歯科医院
(大阪市阿倍野区/西田辺駅)
最終更新日:2025/11/14
大阪メトロ御堂筋線・西田辺駅から徒歩5分の場所にある「医療法人永山会 永山歯科医院」。幹線道路沿いに歯科医院を構えた永山哲史理事長は、矯正歯科の研鑽に取り組みつつ、開業後は幅広い診療に対応し質の高さを追求してきた。今もなお勉強会に参加したり、他院を訪れて学んだりしつつ知識と技術を磨き続けている。「質の高い治療を求める患者さんに満足していただくために、一生学び続けたいと思っています。高い技術や丁寧な治療は、どんな場面でも必ず生きてくるからです」と語る永山理事長。その言葉に込められた想いと同院の特徴、そして今後の展望について話を聞いた。
(取材日2025年9月22日)
技術アップデートのため、歯科医師として一生勉強を
先生のご経歴をお聞かせください。

父が医師としてクリニックを経営しており、家の隣がクリニックという環境で育ちました。入院患者もいたため、子どもの頃は家族で旅行することも少なく、外出先で父が呼び出されることもよくありました。しかしそんな姿を間近で見て、責任ある仕事に打ち込む父を誇りに思い、自然と自分も医療に関わる仕事を志すようになりました。ご縁が重なり愛知学院大学歯学部に進学し、大学卒業後は大学の先輩の紹介で「よしの歯科医院」に勤務しました。その後、広島大学名誉教授故・丹根一夫先生の指導のもとで矯正歯科を研鑽しました。現場に立つようになってからは、歯科医師という仕事が自分の天職だと感じるようになり、もし過去に戻れたとしても、迷わず歯科医師を選ぶと思います。
どのような経緯で開業されたのですか?
よしの歯科医院では、新人ながら親知らずの抜歯やインプラント治療など幅広い経験を積ませていただきました。患者さんへの対応も、院長のそばで学ばせてもらったことを今も大切にしています。その後、2010年に歯科医院を開業することになりました。当時、父から患者さんに来てもらうことがいかに大変かを教えてもらい、実家の隣で開業するのもいいのではと助言も受けましたが、大阪で歯科医院を開きたいという強い思いがありました。実際開業してみると、父が言っていたとおりなかなか患者さんが来られず開業の大変さを痛感しました。患者さんが来院されるのを待つしかないのでその空いている時間を利用し技術と知識の向上に努めました。またこの地域は歯に関心を持ち、説明にもきちんと耳を傾けてくださる患者さんが多く、ここで開業して良かったと感じています。振り返ると、今の自分は患者さんに育ててもらいました。
治療方針について教えてください。

父から教えられたのは、「その人のためを思った治療をしなければならない。不必要な治療は絶対にしてはいけない」ということでした。その言葉を胸に、私は常に根本的な解決につながる治療を心がけてきました。開業後も複数の歯科医院に足を運び技術や知識を学んだり、勉強会に参加したりして、自分を磨き続けています。矯正のみを行っている素晴らしい歯科医院へは、今もアップデートのために通い続けています。刺激を受けることで、また新たに頑張れています。質の高い治療を望む患者さんに満足していただくため、一生学び続けたいと思っています。保険診療は内容に制限がありますが、高い技術や丁寧な治療は、どんな場面でも必ず生きてくると信じています。
幅広い分野で質の高い治療を追求
特に注力している分野はありますか?

私は何か一つの分野に偏るのではなく、幅広い分野で質の高い治療を提供することが大切だと考えています。一つだけに突出せず、全体のバランスや質を高めていくことが重要です。苦手な治療はありませんが、特に好きなのは外科処置。親知らずの抜歯や、骨の中に埋まっている歯を切開して引き出すような治療も得意としています。こうした処置は専門性の高い処置になることもあり、対応できる所が限られているため、他院で難しいと言われた場合も、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
インプラント治療や歯列矯正について教えてください。
私自身のインプラント治療は、経験とともに変わってきました。以前は抜歯したその日にインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」が主流でしたが、現在は治療期間の短さよりも“長く安定して使えること”が重要視されています。私自身も、治療期間を短くすることより、しっかりと噛める状態を長く保つことを大切にしています。最も重視しているのは、周囲の健康な歯を守ること、そしてブラッシングしやすい歯並びを整えること。そのため、できるだけ元の歯列に近く、自然な仕上がりになるよう心がけています。矯正は子どもから成人まで幅広く対応していますが、当院ではほぼワイヤー矯正です。マウスピース型の装置を用いた矯正にも利点はありますが、実際にはトラブルが少なくありません。確実性や仕上がりの美しさを考え、今もワイヤー矯正をお勧めしています。
診療時に心がけていることはありますか?

患者さんの中には「虫歯だけ治してほしい」「抜歯はなるべく避けたい」と希望される方も少なくありません。そうしたお気持ちを尊重しながらも、その場しのぎではなく、将来を見据えた根本的な解決につながる治療を大切にしています。必要な場合はマイクロスコープで撮影し、実際の状態をお見せしつつ説明します。なぜその治療が必要なのかを丁寧にお伝えすることで、患者さん自身に理解していただき、治療に前向きに取り組んでもらえるよう心がけています。また、最初に治療のゴールを共有することで、安心して通える診療をめざしています。
地域に根差した歯科医院をめざしているそうですね。
自宅の隣が父のクリニックだったこともあり、歯科医院のすぐ近くに暮らすことに抵抗はありません。休日に近所を歩いていると、患者さんから気さくにお声がけいただくこともあります。診療中もつい早口で熱心に話してしまい、患者さんから「先生、仕事大好きなのですね」と言われることも。そんな会話を交えながら治療することで、患者さんにもリラックスしていただけると感じています。これからもただ治療を行うだけでなく、地域の人々に本当に親しまれる歯科医院でありたいです。
患者と信頼関係を築き、最大限の努力を続ける
院内の設備について教えてください。

外科処置に注力したいと考え、歯科用CTを導入しました。3次元の立体画像を撮影できるため、従来の2次元エックス線では難しかった神経や血管の位置、歯の根や顎の骨の状態まで精密に把握することができます。またマイクロスコープは細かな治療や根管治療だけでなく、患者さんへの説明にも役立っています。視覚的に状態をお見せすることで、治療内容によりご納得いただけるんです。需要の高いホワイトニング機器も導入しており、歯がきれいになることで見た目の印象が良くなるだけでなく「歯を大切にしよう」という意識も芽生えやすくなるため、注力し取り組んでいます。さらに、炭酸ガスレーザーは軟組織の小帯の処置などに使用。従来メスを使っていた舌の裏などの部位でも、治療できるようになりました。矯正用頭部エックス線規格写真の分析ソフトも導入し、精度の高い診断につなげています。
今後の展望をお聞かせください。
今の体制を大切にしながらさらに技術を磨き、スタッフが当院で働くことを誇りに思えるような歯科医院にしていきたいと考えています。理念や考え方をしっかり共有できているからこそ、スタッフは長く勤めてくれており、結婚による退職はありましたが人間関係のトラブルはほとんどありません。私にとっては家族のような存在です。中でも受付スタッフは「当院の顔」として患者さんに安心感を与えてくれています。これからは一緒に診療し学び合える歯科医師というパートナーを迎えたいと思っています。壁を乗り越え、ともに歩んでいける仲間が来てくれるとうれしいです。
読者へのメッセージをお願いします。

患者さんとは互いに気持ち良い関係を築き、信頼の上で治療を進めていきたいと考えています。私自身、歯科医師として良い結果を出せるよう最大限努力しますが、同時に患者さんにもご自身の歯を大切にしていただくことが欠かせません。どんなに技術を尽くしても、日々の生活習慣や「歯を守りたい」という気持ちがなければ十分な成果にはつながりません。そのため、食生活を含め自分の体を大切にしていただくようお伝えしますし、私自身も運動や食生活に気を配り健康な体を維持することを心がけています。どんなに小さな悩みでも遠慮なくご相談ください。一人ひとりと丁寧に向き合い、最適な治療を一緒に考えていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/77万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/93万5000円~、インプラント治療/46万2000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

