池澤 優子 院長の独自取材記事
あい皮ふ科アレルギー科
(横浜市金沢区/金沢八景駅)
最終更新日:2025/11/11
京急本線金沢八景駅より徒歩2分の場所に位置する「あい皮ふ科アレルギー科」。2024年に池澤優子先生が父である池澤善郎先生から院長職を引き継ぎ診療にあたる同院には、遠方から足を運ぶ患者も多いという。池澤院長は、難治性皮膚疾患を中心にさまざまな皮膚疾患の診療に携わった経歴を持ち、自身のアトピー性皮膚炎罹患の経験から、新しい治療法や医療機器の導入にも積極的だ。「自分と同じように皮膚のことで悩む患者さんに寄り添いたい」と話し、患者と真摯な姿勢で向き合う池澤院長に、クリニックの特徴や診療する上で大切にしていることなど、さまざまな話を聞いた。
(取材日2025年10月3日)
皮膚疾患で悩んだ自身の経験を生かした診療を
皮膚科医としての歩みと院長をご継承された経緯をお聞かせください。

横浜市立大学皮膚科学教室では皮膚科学の基礎を学び、皮膚アレルギー疾患や自己免疫疾患などの難治性皮膚疾患を中心とした皮膚疾患の診療に携わってきました。その後、茅ヶ崎市立病院では皮膚科部長を7年間務め、そこからアトピー性皮膚炎をはじめとした一般的な皮膚疾患も多く診療しました。そちらには出産後も8週間で復帰して忙しなく仕事をこなしてきましたが、総合病院での部長職ということもあり、仕事を続けていくにあたって自身のペースで得意分野を深めていきながら皮膚科診療を続けていきたかったことと、ゆくゆくは開業して地域の方々に寄り添った診療がしたかったので、父の運営するこのクリニックに入ることにしました。父が高齢になり担当する診療時間を減らしたこともあり、そのタイミングで私が院長を継承しました。
皮膚科医を志されたのはお父さまの影響が大きいのでしょうか。
両親が皮膚科医だったことで子どもの頃から医療が身近にあったこともありますが、何より、私自身がアトピー性皮膚炎を経験したことが大きいですね。子どもの頃からありましたが、ちょうど高校生くらいの時に一番症状が重くなってしまいました。その年頃になるとなんとなく先のことも考えるようになるので、将来アレルギー疾患を診る仕事に就いて、自分と同じように悩む人に貢献したいと思うようになったことで、皮膚科・アレルギー科の医師を志すようになりました。
クリニックの特徴を教えてください。

「患者さんに健康な肌を」をコンセプトとして大切にし、診させていただいています。アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギーは、その病名一つ取っても、実は細かくさまざまで、一人ひとり要因も病状も異なります。そのため、それぞれに合わせて、診療内容をコーディネートすることを大事にしています。大学病院だと細かく診ることが難しい場合がある上に、待ち時間も長くなってしまう傾向にありますが、自分のクリニックであればこまやかなケアが実現できると思いました。加えて、これまで培ってきた専門性を生かし、尋常性乾癬や難治性のアトピー性皮膚炎、尋常性白斑、円形脱毛症に対するエキシマライトを用いた光線治療などを導入していることも当院の特徴です。また、患者さんのニーズに合わせて美容面の診療もカバーするなど、自分らしさを取り入れながら診療を行っています。
肌本来の健康をサポートする自由診療も提供
診療方針を教えてください。

「きちんと治す」ことを大切にしています。治りが悪くないか、長引いていないかなどは患者さんのQOLに関わるので、そこを何より重視しています。そのために、現状をわかりやすくご理解いただけるように、紙で患者さんに記載してもらった、QOLや症状の度合いを示したスコアを必ずお見せします。その上で、必要と考える治療を続けていくようにしています。また、先ほどお話ししたエキシマライトを用いた光線治療に加えて、新たにナローバンドUVBを発する機械を導入し、エキシマライトだと色素沈着が出てしまうような症例にはそちらを使用するなど、それぞれの肌状態に合わせて対応するようにしています。
診療時、患者さんに対し気を配られていることはありますか?
どうしても一度の診察の際にすべてをお伝えするのは難しいので、最初の内はこまめに何度かお越しいただくことをご理解いただいたり、スタッフから患者さんにお話ししてもらったりすることなどは意識しています。スタッフからの意見や伝達も、参考にするようにしています。また、できるだけご希望を伺うようにして、病状だけでなく患者さんの性格や個性、生活環境や習慣などから、患者さんに合ったご提案をするようにしています。また、薬だけ欲しいとおっしゃる方もいらっしゃいますが、病状は変化するものです。しっかり診察できないと、状態に合わせて薬の内容を変えることもできませんので、快方に向かうのが遅れることにもつながります。そのため、薬がなくなる前に来ていただくようにお伝えすることなども気をつけています。
近年ニーズが増えているという美容的な診療についてお聞かせください。

当院の考えとしては、あくまで肌本来の健康を損なわない範囲で、肌を正常な状態に導くためのサポートとしてお勧めしています。年齢的に出るものなど、保険診療ではカバーできないところに行います。湿疹ができやすい人にはイボやしみといったトラブルも多く、また炎症後の赤みなど、もともとほかの主訴のある患者さんが合わせて希望されることがほとんどですね。また、アトピー性皮膚炎の人は赤ら顔になりやすいため、赤ら顔に方に適した基礎化粧品や美容剤のをアドバイスすることなどもしています。
地域の身近な皮膚科クリニックをめざして
スタッフとのチームワークはいかがでしょうか?

父の代から長く働いてくれているスタッフが多いので、コミュニケーションが取りやすくありがたいですね。父の診療時間が減った分、スタッフにも動いてもらうことが増えましたので助かっています。とにかく全員、困り事を1人で抱えないよう、何かあったらみんなで話し合って進めるように心がけています。患者さんを時にお待たせしてしまうこともありますが、すべての患者さんにご納得してお帰りいただけるよう、スタッフ一同努めていきますのでご理解いただけるとうれしいです。
今後のクリニックの展望や目標があれば教えてください。
患者さんのためにも自分のためにも、引き続きアレルギー性疾患についてはさらに勉強を続けて、新しい医療を積極的に取り入れていきたいと思います。今はアトピー性皮膚炎の治療だけでもバイオ製剤やJAK阻害薬、ステロイドではない新しい外用薬がいくつか出てきていますので、その方に合った治療を提供していきたいと思います。保険適用外の診療も、それぞれの患者さんに合わせて、うまく取り入れていきたいですね。美容面では、赤ら顔やしみの治療ができるよう機器の導入を考えています。肌悩みのある患者さんたちに、あらゆる方面から貢献したいですね。
読者の方々にメッセージをお願いします。

とにかく地域の皆さんにとって、身近なクリニックになりたいと思います。皮膚の状態が悪くなったら当然早く来ていただきたいですが、悪化する前に、少しでも気になったらお気軽にいらしてほしいです。日によってお待たせしてしまうこともありますが、時間帯予約も可能ですので、まずはご相談にいらしていただけたらと思います。アレルギーの方はもちろん、イボなどの方のために自由診療も導入していますし、漢方薬も取り入れています。悪性が疑われる場合などは適宜、総合病院へおつなぎもしていますので、お肌のことでお悩みの際は安心していらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはイボの除去(5mm以下3つまで)/8800円~

