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清水 光行 院長の独自取材記事

天宣会循環器・睡眠呼吸クリニック

(柏市/柏駅)

最終更新日:2019/08/28

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ベッドタウンや学生街、商業地区など、さまざまな面を持つ柏駅エリア。その一角にある「天宣会循環器・睡眠呼吸クリニック」は、医院名のとおり、循環器や睡眠時無呼吸症候群を専門とするクリニックだ。院長の清水光行先生は、東京慈恵会医科大学附属柏病院で院長を務めていた経験もあるドクター。「生活習慣病は自覚症状がない段階だと、なかなか治療を始めることに前向きになれない方が多いのですが、健康な長寿のためにも早期治療がとても大切なことなのですよ」と語る清水院長に、心疾患・睡眠時無呼吸症候群・糖尿病への取り組みや治療法について話してもらった。(取材日2015年11月2日)

症状がない・軽いうちに、治療を始めることの大切さ

来院される患者さんの年齢や病気などに傾向はありますか?

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狭心症、高血圧症、不整脈などの循環器系の病気や、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群で通院されている方が多いですね。糖尿病については、最近は若年層の患者さんも増えてきました。働き盛りの年代から定年後のシニア層まで、幅広い方々に受診していただいています。また、私が東京慈恵会医科大学附属柏病院に勤務していた時の患者さんにもいらしていただいています。この地域は、お勤めをされていた時は勤務地に近い都内の病院に通い、定年後は住居のある地元の病院に転院なさる方が多いですね。睡眠時無呼吸症候群や禁煙治療の相談については男性のみならず女性の方も増えてきています。

疾患について、よくある質問や誤解はどんなことでしょうか。

睡眠時無呼吸症候群に関しては、その原因と体への悪影響を質問されます。ベッドパートナーから「いびきがうるさい、呼吸が止まっている」と言われて受診なさる方が多いからだと思います。これらは、睡眠時に顎や舌が下降して気道を狭め、時には閉塞することによって生じます。このため体が低酸素状態に陥って深い眠りが得られず、中途覚醒・日中の強い眠気・熟睡感の欠如・記憶力減退のほか、夜間頻尿・高血圧・糖尿病・不整脈などが起こります。特に日中の眠気は運転中に事故を起こすこともあるので、軽視できません。生活習慣病については、自覚症状がないと「健康診断で二次検査をするように言われたので来たけれど、治療の必要性がわからない」とおっしゃる方がいます。自覚症状があまりない早期に対処することが大切だということや、治療に保険が適用されるということをお話しし、安心して治療を始められるようにしています。

どんな病気も、症状が軽い段階で対処することが重要なのですね。

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はい。生活習慣病は、自覚症状のない状態からさまざまな臓器に軽度な機能障害が起こり、ついにはそれらの臓器の機能が失われる臓器不全に進行して後戻りできなくなります。動脈硬化は複数の疾患が関与しています。よって自覚症状のない軽症な糖尿病、高血圧症、高コレステロール血症が併存すると相乗的に動脈硬化が悪化してしまいます。一つ一つの病態が小さな異常であっても、自覚症状がないうちに対処することが非常に大切です。また、症状が現れ始めても、同様により早い段階で前向きに治療を始めることで、臓器障害の進行を抑えることや、健康寿命を延ばすことにもつながります。健康診断の二次検査でいらした方には、まずそういったことを説明するようにしています。完全予約制にしているのも、自覚症状がないうちに治療を始めることの大切さをお話しする時間を確保するためという面があります。

日本人は、体格的に睡眠時無呼吸症候群になりやすい

睡眠時無呼吸症候群の診療の流れを教えてください。

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まず、この疾患が生じるメカニズム、症状そして体への悪影響をご説明し、患者さんにどのような症状があるかをお聞きします。次にこの疾患になりやすい顎、舌、扁桃腺など咽頭部を診察し、本疾患の存在や重症度を考えます。次に終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行い、睡眠中の脳波、血液中の酸素の量、呼吸状態、気管音(いびき)、胸郭の動き、心電図を観察します。検査法には簡易PSG検査と精密PSG検査がありますが、多くの場合はまずご自宅で容易にできる簡易PSG検査を実施し、検査の結果、この疾患の代表的な治療である経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)の保険適応が明確にならなかった場合は、検査施設に1泊していただき、脳波を含めた精密PSG検査を行います。精密PSG検査は同じ医療法人グループの北柏リハビリ総合病院で実施しており、当院にて予約の手続きを行います。

睡眠時無呼吸症候群の治療についてお聞きします。

CPAPとマウスピース型装置による治療があります。CPAPとは鼻腔から圧をかけて睡眠時に閉塞した気道を開存させる治療で、この疾患で多く行われている治療法です。使用当初は装置に慣れない方もいらっしゃいますが、当院ではベテランの担当者が丁寧なアドバイスを行っておりますのでご安心ください。一方、マウスピース型装置による治療は、睡眠時に咽頭へ向かって下降する舌、顎を落下しないように上顎歯で下顎を支えるマウスピース型の口腔内装置を装着します。この治療が適応となった患者さんには、マウスピース型装置による治療に詳しい専門の医師をご紹介しています。

睡眠時無呼吸症候群を予防する方法はあるのでしょうか。

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睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に上気道が狭くなり、時には閉鎖して低酸素血症になることが原因です。この上気道が狭くなるメカニズムは、構造的要因と上気道の緩みによる要因があります。元来日本人は、上気道が欧米人に比べて狭く、このために睡眠時無呼吸症候群が多いといわれています。予防には構造的要因が悪化しないように肥満の改善が最も重要です。一方、もう一つの要因である上気道の緩みには過労・飲酒・睡眠薬が関与しています。疲れているときや飲酒で“いびき”が大きくなることは誰でも経験していると思います。規則的な生活をして過労に陥らない、飲酒は睡眠時にはアルコールが抜けているようにすることが望まれます。

健康寿命と平均寿命が同じになるよう努めていきたい

患者さんに接する際、どのようなことを心がけていますか?

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患者さんの訴えの背景や生活状況などをできるだけ詳しく聞いて、それらを踏まえた上で医療を進めることです。しっかりお話を聞いていくうちに、その患者さんにとっての個別な問題点や当初の予測とは違った病気が見つかることもあります。医師から一方的に治療方針を指示しても仕事の都合や生活習慣上難しいことがあります。患者さんご自身が十分納得できないと、有効な治療が行えません。昼の強い眠気で睡眠時無呼吸症候群を心配して来院した方に、睡眠日誌を記録していただき、それを検討すると、ご自分では気がついていない単なる寝不足だったというケースもありました。ですので、正しく診断するためには、患者さんが細かな話も気軽にできるように、真摯にじっくりと時間をかけて対応することが大切だと思います。

印象深い患者さんとのエピソードはありますか?

自分の専門外の病気を見つけたことです。以前、呼吸が苦しいということでいらした患者さんで、心房細動と糖尿病を併発していらっしゃいました。当初は心不全を起こしかけて呼吸困難になっていると思いましたが、心房細動をコントロールしても呼吸は楽になりませんでした。よくお話を伺ってみると、半年くらい前からしゃがれ声が治らないそうなんです。そこで柏病院の耳鼻科をご紹介すると声帯の萎縮が見られました。その後も受診するごとに呼吸困難は増悪し、肩で息をするような状態になり、呼吸運動障害、すなわち呼吸運動に関する神経に異常を疑って神経内科へ依頼したところ、神経変性疾患と診断されました。自分の専門だけを診るのではなく、専門外の領域に関わりそうだということを早めに判断でき、適切な科へ紹介できて、本当に良かったと思いましたね。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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健康寿命を延ばすことにつながるような医療をしていきたいですね。先程もお話ししましたが、症状がないからといってちょっとした不調や初期の生活習慣病を放置していると、そのうち臓器障害や臓器不全を起こし、命に関わることになってしまいます。人間ドックで要再検査となったときなど、症状がないうちに治療を始めることで、健康に長生きできるんだということをもっと広めたいですね。現在、健康寿命と平均寿命の差は男性で9歳、女性で10歳程度あると言われているので、早期治療の大切さを広めることで、いずれは柏市民の健康寿命と寿命が同じになるように尽力したいです。

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