全国のドクター8,865人の想いを取材
クリニック・病院 161,497件の情報を掲載(2020年1月20日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市淀川区
  4. 新大阪駅
  5. 医療法人社団進英会 大阪内視鏡クリニック
  6. 蓮尾 直輝 院長、工藤 進英 先生

蓮尾 直輝 院長、工藤 進英 先生の独自取材記事

大阪内視鏡クリニック

(大阪市淀川区/新大阪駅)

最終更新日:2019/08/28

170215

多くの人が行き交うJR新大阪駅。中央口改札を出てすぐ、北口の連絡通路から隣接するビルに入りエレベーターで7階へ向かうと、5分もかからず「大阪内視鏡クリニック」に到着する。同院では、大腸内視鏡検査の権威と言われる工藤進英(しんえい)先生が特別顧問を務めており、蓮尾直輝(はすお・ただてる)院長はじめ同院の医師達は、工藤先生が開発した技術を用いて、痛みに配慮し、短時間で終わるよう精度の高い内視鏡検査を実施する。「来てくれた患者さんを一生懸命診て、一人でも多くの方を助けることが使命」と語る工藤先生と蓮尾先生に、大腸内視鏡検査の現状や早期発見にかける思いを聞いた。
(取材日2017年7月31日)

痛みに配慮もした、すぐに終わる大腸内視鏡検査

クリニックの診療内容と特徴を教えてください。

1

【蓮尾院長】当クリニックでは、主に大腸内視鏡検査を用いた大腸がん検診を行うほか、食道や胃などのいわゆる胃カメラも実施しています。工藤先生のもとで内視鏡の操作技術や診断学を学んだ医師たちによって、短時間で痛みに配慮した検査になるようめざしていることが大きな特徴です。
【工藤先生】内視鏡はわが国で近代の形に開発され、発展してきたと言われる機器ですが、私はその黎明期から、操作技術の改良や診断方法の研究に関わってきました。以前、大腸がんはポリープから生じると考えられていましたが、1985年には悪性度の高い陥凹型の早期がんを発見しましたし、それからも数多くの大腸内視鏡での検査を専門に行ってきました。この技術を一人でも多くの方に役立てたいという思いから、当クリニックの特別顧問として指導を行い、月に何日かは検査も担当しています。

わが国では、大腸がんによる死亡率が急上昇していますね。

【工藤先生】現在、大腸がんは女性死亡率の第1位、男性では第3位と言われていますが、そう遠くない未来には男女ともに死亡率が1位になると予想されています。欧米型の食事や家族歴などさまざまな原因が考えられますが、大腸がんというのは、ごく小さいうちに発見して切除できれば、実はほぼ治癒しうるものなんです。検査を自発的に受ける方は少しずつ増えていますが、苦痛が大きく時間がかかる検査というイメージが広まっていて、検査をためらっているうちに発見が遅れるケースもまだまだ多い。確かに、大腸内視鏡の操作は技術の習得が難しく時間も要するので術者によって技術差が非常に大きいことは否めないのですが。

貴院の大腸内視鏡検査が、短時間で痛くないと言われるのはなぜでしょうか。

2

【蓮尾院長】当クリニックの医師は、工藤先生が確立された「軸保持短縮法」を習得しており、また、ごく早期のがんでも見逃さないよう診断能力を高めているからです。
【工藤先生】肛門から盲腸までは1mほどありますが、内視鏡を通すのが最も難しいのはS状結腸です。なぜならS状結腸は周囲と固定されていないので、内視鏡をまっすぐ入れるとそれにあわせて伸びてしまい、痛みを生じますし、下手をするとS状結腸を破ってしまいます。そこで私は、S状結腸を蛇腹のようにたたみ込みながら内視鏡を挿入していく「軸保持短縮法」を考案しました。この方法であれば、痛みがなく短時間で盲腸まで内視鏡を挿入できます。

大阪でも「大腸がんでは死なせない」

通院にとても便利な立地ですね。

3

【工藤先生】当クリニックを開業する前は、検査を受けるためにわざわざ関西から東京まで来られる方もいたので、私の技術を多くの患者さんに提供したいと考え、できるだけ通院しやすいこの場所になりました。海外からの医療ツーリズムも視野に入れています。
【蓮尾院長】現在、当クリニックの患者さんは5割が大阪府内から、3割がその他の近畿圏から来られています。その他は中国、四国、北陸、中部地方などからで、浜松からお見えの方もいますよ。また、意外に多いのは海外駐在中の方で、帰国のタイミングに合わせて検査を受けていますね。関西の皆さんにも工藤先生が開発された検査を受けていただき、それがクチコミで広がれば、検査の受診率も上がりますし地域の検査レベル自体も向上すると思います。

患者さんと接する際に、心がけていることはありますか。

【蓮尾院長】胃カメラや大腸内視鏡は、患者さんの身体的な負担が大きいタイプの検査です。当クリニックでは痛くない検査をめざすのは当たり前ですが、さらに安心して受けてもらうために、検査内容については万が一の際の対応も含めて、分かりやすい表現で細かく説明させてもらいます。
【工藤先生】検査中には「大丈夫ですよ」、「終わりましたよ」と折々に声をかけさせてもらいます。ただ、あまり話をしていると一人の患者さんの検査に時間がかかってしまいます。私自身に課せられた役割は、できるだけ大勢の患者さんを検査すること、また集中して見落としや痛みのない検査を行うこと。そこで、患者さんの接遇については看護師やスタッフが重要性を十分に理解して、不安を和らげる丁寧な対応をしてくれています。

クリニックが1つのチームとなって、患者さんの接遇にも力を入れているのですね。

4

【工藤先生】先進国を訪れて診察や講演を行うことがありますが、欧米の医療機関は「患者さんに優しく、愛情をもって接する」という姿勢が徹底していると痛感しています。当クリニックも「正確な診断、苦痛を与えない検査を提供する患者さんのためのクリニック」という方針をクリニック全体で醸し出せるように、ホスピタリティーを大事にしたい。看護師やスタッフには笑顔を大切に、接遇に力を入れてほしいと常々話しています。技術だけでなく、あらゆる面から「世界最高の医療を提供する」場でありたいですね。

早期からの積極的な検査があなたの命を守る

大腸内視鏡に専門的に取り組んだ理由を教えてください。

5

【工藤先生】医学部にいた当時、特に東北地方では胃がんの患者さんが多く、大腸がんの方は少なかったのですが、欧米の傾向を見て、いずれ日本でも大腸がんが増えるだろうと思っていました。そんなタイミングで内視鏡の開発が進み、指導者もないまま気づけばこの研究で走り続けていました。
【蓮尾院長】父が内科の医師でしたので内科に進みましたが、診断と治療が直結する消化器内科に関心を持ちました。さらに当時はバリウム検査が全盛でしたが、「これから先の時代は内視鏡に置き換わるだろう」という工藤先生のお話を聞き、内視鏡をやりたいと思ったのです。ぜひ工藤先生の指導を受けたいと考え、昭和大学横浜市北部病院消化器センターに勤務したことから今があります。

技術革新の著しい内視鏡検査ですが、今後の展望についてお聞かせください。

【工藤先生】先ほどご紹介した陥凹型早期がんは色の違いで診断しますが、現在使用している拡大内視鏡では100倍に拡大してがん細胞の構造の異型が見られるようになりました。これを、もし500倍まで拡大できる内視鏡であれば、生体でがん細胞の核、赤血球まで観察できるので、生検をせずに治療に進める時代に入ろうとしています。また、人工知能を使った診断を開発するために、多施設での共同研究も始まるところです。このように、この領域では日本の技術が世界をリードしていますが、一方で、その診断技術を身近な臨床で利用していくこと、つまり大病院だけでなく、近くのクリニックでレベルの高い診断と診療を数多く行って、早期がんを見つけ出していくことが非常に大事だと考えています。

検査をためらっている読者に向けて、メッセージをお願いします。

6

【蓮尾院長】これまでは「40歳になったら1回は内視鏡検査を受けましょう」とお話ししていましたが、最近ではそれでも遅いぐらい、若い方での大腸がんの発見が増えています。特にご家族、親族でがんの方がいる場合にはぜひ早い段階から検査を受けてほしいと思います。最近も、便潜血からポリープが見つかった40代の男性がいて、ご家族親族を調べたところ、その方のお父さんから手術の必要な大腸がんが見つかっています。これは普通とは逆パターンですが、わずかでも異常やきっかけがあれば、早めに検査を受けていただきたいですね。
【工藤先生】大腸内視鏡検査が普及すれば、大腸がんの患者さんはますます増えますが、大腸がんで亡くなる方は大幅に減るはずです。種類を問わなければ、がんは検査で結構見つかるものです。「自分にもあるだろうな」ぐらいの気持ちで早期から積極的に検査を受けることが、最終的にご自身の命を守ることになるのです。

Access