徳田 信吾 院長の独自取材記事
とくだ歯科クリニック
(枚方市/長尾駅)
最終更新日:2024/09/11

学研都市線の藤阪駅・長尾駅から歩いて10分。府道に面した住宅街の一画にある「とくだ歯科クリニック」は、この地で10年以上続く地域密着の歯科クリニックだ。「近隣にお住まいの方がほとんどですが、中には遠方からわざわざお越しになる患者さんもおられます」と、穏やかな笑顔で出迎えるのは院長の徳田信吾先生。予防を基本とした一般歯科診療からインプラント治療や審美的な補綴治療まで、その守備範囲は幅広い。現在は先進の技術を活用したデジタルデンティストリーを積極的に導入し、精密でスピーディーな治療へとつなげている。そんな徳田院長に、治療の選択肢についての考え方や診療時の心がけなど、かかりつけ歯科ならではのコンセプトをじっくりと語ってもらった。
(取材日2024年6月29日)
何でも対応できる地域のかかりつけ歯科でありたい
この地で開業されたきっかけはありますか?

私は鹿児島県生まれの九州歯科大学出身で、最初に大阪大学歯学部附属病院に勤めて以来、その後は関西で活動しています。駅前の繁華街ではなく郊外の住宅地での開業を考えていたので、大阪府内をいろいろ探し回り、たまたま現在の場所を見つけてクリニックをスタートさせたのが2013年のことです。どのような患者さんが来られても相談に乗れるような歯科医院をめざして10余年間。地域の歯科として、幅広い診療を行ってきました。7年ほど前から必要と考え、デジタル技術を積極的に取り入れた先進化に励んでいるところです。
現在のクリニックの状況を教えてください。
当院は重量鉄骨構造の2階建てで、高い吹き抜けの階段やパウダールームを設置するなど、院内は割と余裕のある設計になっています。2フロアに6台の診療ユニットをそろえ、歯科用CTや技工CAD/CAM専用のコンピューター設計室も用意。また、角地にあって8台分の駐車場もありますので、車で気軽に通えることも特徴ですね。今は4人の歯科衛生士や歯科技工士を含む9人ほどのスタッフで診療にあたっていて、診療内容は一般歯科や小児歯科にインプラント治療や入れ歯治療、セラミック治療、口腔外科からホワイトニングまで、一般的な歯科医院でできることにはほとんど対応しています。中でもインプラント治療に力を入れており、患者さんへの負担が少ない治療が魅力になっています。
主にどのような患者さんがお越しになりますか?

開院当初は子どもの患者さんが大勢いましたが、現在は少し減っています。それと反比例して、後期高齢の患者さんがかなり増えている印象はあります。そこはまさしく、わが国の現在の人口ピラミッドが見事に反映されていますね。年を重ねれば口の中にいろんな問題を抱えますし、治療においてさまざまな選択を迫られるでしょう。やはり日頃からしっかりとメンテナンスを行い、痛い所や悪い所が出てきた際には治療するというのが基本です。もちろん、急な痛みやトラブルがあって駆け込んで来る新患の方に対しても、できる限り対応するのが私たちのような地域の歯科医師の役目です。多少お待ちいただくこともあるかもしれませんが、お困りの時は遠慮なくお越しください。
先進的な技術と昔ながらの接遇で患者を出迎える
先生は自由診療にも力を入れておられるとか。

保険診療と自由診療、どちらが良いかとよく聞かれますが、どちらも大切というのが私の持論です。少ない負担で診療を受けられる点で保険診療は欠かせないものですが、必ずしも最善の医療を提供できるわけではありません。ただ最近は補綴治療でもハイブリッドレジンを用いたCAD/CAM冠、新素材のピーク冠などの白い材料が保険でも使えるようになり、昔ながらの銀歯の世界からは脱却しつつあります。妥協できる範囲が広がっていることは、患者さんにとって喜ばしいことでしょう。そこからさらに審美性や耐久性を求めるなら、やはり自由診療のセラミック素材に軍配が上がります。コストはかかっても良いところは良いとしっかりとご説明しますので、しっかり噛んで食べるには何を選択すべきか、ご自身の生活を長い目で考えていただければと思います。
診療で先生が心がけていることは?
歯医者でされることは、患者さんにとってあまり楽しいことではありません。まずはなるべく痛くさせない、怖がらせないというのを開業時から心がけ、表面麻酔や電動麻酔器を使ったり、器具が口の中でひやっとしないように温めたりしています。歯の型採りも現在は一部保険で口腔内スキャナーが使えるようになり、SDGsの観点からも使い捨ての印象材は使用量が少なくなりました。検査やシミュレーション、歯科技工にもコンピューター制御のデジタル新技術をなるべく取り入れ、患者さんが安全かつ快適に歯科治療が受けられるように努めています。あとは心理面のこともありますから、スタッフの対応も重要ですね。こちらはアナログ的な領域ですが、ベテランも新人もみんなで考えながら、なるべく優しい気遣いで患者さんに接するよう、誠心誠意で努めています。
インプラント治療でも新たな技術を採用されているそうですね。

インプラント治療では上顎の奥歯の骨が少ないケース。これまでは骨造成や、骨充填剤を用いるサイナスリフトやソケットリフトといった難治療が必要で、その分コストや時間がかかっていました。近年、当院で上顎の骨が少ない方に行っているのはショートインプラントという、従来は考えられなかった直径6〜7mmの太く短いインプラント体を、特殊な器具で骨を広げながら埋入する手法です。骨が薄くても埋入できる上に、骨と結合しやすく、脱落のリスクにも配慮されています。また、人工骨を使わないため、通常のサイナスリフトでのインプラント治療費より低いコストで済みます。何より時間がかからないのがポイントで、例えばサイナスリフトが1年半ほどかかるのに対し、早ければ3ヵ月程度でかぶせ物まで入れられます。私も最初は半信半疑でしたが、メリットが多く、今後はもっと一般化していくかもしれません。
将来まで見据えた歯科診療を末永く
先生が歯科医師をめざしたきっかけは?

両親は医療関係の仕事ではありません。歯科医師をめざしたのは、医療に興味があり、手に職をつけたいという単純な発想からです。当時の日本はバブル崩壊後のまさに大不況の真っ最中。就職先にも困るような状況でしたから、やはり人にはないスキルを身につける必要があったわけですね。そう考えて北九州市にある九州歯科大学歯学部に進み、下宿生活をしながら歯科医師をめざすことになりました。初期研修を終えた頃に、そのまま大学に残るか、自分の歯科医院を開業するか、その二択のうち、地域に根差したクリニック作りをしたく開業することを決めました。それから市井の歯科医院に勤め、一通りのことを学ばせてもらいながら一刻も早い開業をめざしたわけです。
現在も高槻市内からわざわざ通っていらっしゃるとか。
はい。毎朝、車で高槻から通っています。クリニックの前の府道は車通りも多く、早めに家を出ないと渋滞でたどりつけません。また、隣町に会員制の大きなマーケットがあるので、土曜が一番混みます。開業してからずっと仕事が忙しく、家族とゆっくり過ごす時間がないのは残念なことです。学生時代は中学と大学でバレーボールをやっていましたが、現在はもっぱらテレビで観戦を楽しむ程度です。
最後に、地域の皆さんへ向けたメッセージをお願いします。

こんな住宅街で診療していますから、患者さんとは長いお付き合いをしていくことになります。今どうするかという短期的な視野ではなく、将来まで見据えた歯科診療を末永く提供していくことが私たちの務めです。健康に長生きしていれば、きっと楽しい人生が送れるでしょう。歯科の技術もどんどん進化していますから、新たな治療法が生まれ、これまでできなかったことができるようになるかもしれません。そのためにも日頃からきちんと口腔内をコントロールし、いつまでもおいしいものを食べながら健康長寿を全うしていただきたいですね。私たちも新しい技術を取り入れながら、良いと思えるものを皆さんに還元していきたいと考えています。ぜひ、一緒に頑張っていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(通常)/33万円~、グラフトレスサイナスリフト加算/3万8500円~、セラミック治療/3万8500円~、ホワイトニング/1万9800円~