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城 洋志彦 院長の独自取材記事

しろ内科クリニック

(神戸市中央区/三ノ宮駅)

最終更新日:2025/10/02

城洋志彦院長 しろ内科クリニック main

ポートライナー・三宮駅から徒歩3分、JR神戸線・三宮駅より東へ徒歩4分。1階に大手スーパーが入るビルの3階にある「しろ内科クリニック」は、神経内科の豊富な診療経験を持つ城洋志彦(しろ・よしひこ)院長が2013年に開業。専門分野である神経内科のほか、地域のかかりつけ医として内科全般もカバーしている。「ヒトの神経の複雑さに感銘を受け、脳に関わる臨床をしたい」と神経内科を専門とした城院長。「丁寧にわかりやすく説明して、病気を理解してもらうことが、治すための一番のエネルギーになるんです」と、ほほ笑みながら話す口調はとても穏やか。院内のイメージについて「ほっこりする感じ」と表現する城院長自身も、そのような雰囲気を醸し出しているように感じた。

(取材日2022年9月8日)

神経内科の専門家として、地域のかかりつけ医として

開業までのご経緯からお聞きします。

城洋志彦院長 しろ内科クリニック1

開業を考えたのは13年ほど前です。当時私は、神戸市立西市民病院(現・神戸市立医療センター西市民病院)で神経内科医として勤めていましたが、神経内科の外来は患者さんがとても多くて2時間待ちが当たり前の状態で、新規の方を診ることもなかなか難しい状態でした。本来であれば慢性期の患者さんは、地域の診療所と連携を取ってそちらにお送りしたいのですが、地域に神経内科を専門とする医師が少なく、神経内科疾患は一般内科ではなかなか受け入れてもらえません。結局、外来の患者さんがあふれてしまい「どうにかしなければ」と危機感を募らせていたところ、「三宮で開業しませんか?」とお話をいただいたのです。病診連携を実現するには開業する神経内科の医師が多くなければかないませんので、誰かがそれをしなければと思いました。ということで、神経内科の大きな病院から患者を受け継げる医療機関の一つとして開業しようと考えたのが経緯です。

地域の特徴や患者層を教えてください。

このエリアは街中ではありますが、北側は住宅街ですので、地域の方にはかかりつけ医としての医療を提供できます。また、ポートライナー三宮駅やJR神戸線の三ノ宮駅も近いので、近くのオフィス街にお勤めの方なら、お仕事中や会社帰りに立ち寄ることもできます。そして、もともとの開業の意図である神経疾患の患者さんの受け皿という役割もありますので、地域に住む人たち、オフィス街で働いている人たち、慢性期の神経疾患の患者さん、この3つのニーズをかなえるクリニックとなっています。

どのような主訴が多いのでしょうか?

城洋志彦院長 しろ内科クリニック2

神経疾患ですと、パーキンソン病やてんかんの方、脳梗塞の再発予防でしょうか。市民病院に勤めていた頃から継続して診ている患者さんが多いですね。また、このビルの4階にある整形外科からの紹介もよくあります。歩きにくいとかふるえがある場合、整形外科の疾患ではなく、脳疾患が疑われるケースもありますので、すぐに連携が取れる体制となっています。ほかには頭痛があり脳の検査を希望される方や、しびれを訴えて来院される方などもいらっしゃいます。近隣にお住まいの方ですと、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病から風邪の症状まで診ています。オフィス街で働いている方は、突発的な発熱や、投薬希望で来院するケースが多いですね。神経疾患の患者さんは広範囲から来院されますし、地元の方や通勤経路に立ち寄られる方にとっては内科のかかりつけ医としてご利用いただいています。

病気とではなく患者と向き合いたい

患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

城洋志彦院長 しろ内科クリニック3

患者さんとしっかり向き合ってお話をすることでしょうか。神経疾患では経過を注意深くヒアリングすることが大切なので、診察時には隣にクラークさんという専門のスタッフについてもらい、症状や投薬情報などのカルテ入力をすべてお任せし、私は患者さんとのお話に専念できるシステムをとっています。当院には比較的女性の患者さんが多いのですが、常に女性スタッフが診察室に同席しているというのが理由かもしれませんね。スタッフは看護師が1人、事務スタッフが3人の体制が保たれていますが、みんな親しみやすく優しい人ばかりですよ。内科の特徴として患者さんは慢性疾患やご高齢の方が多いので、ほっこりするような感じで対応できる人が向いているのではないかと思い、そんな人たちが勤めてくれています。

先生は日本神経学会神経内科専門医の資格をお持ちですが、神経内科の診療で大事にしていることは何ですか?

そうですね、脳梗塞の治療に関して言うと、大切なことは脳梗塞を引き起こすリスクファクターを管理することです。リスクファクターの一つに糖尿病がありますが、糖尿病の方であれば糖尿病の薬をしっかりと飲んでいただくことが基本になります。その基本のところは神経内科専門医であれ、一般内科の医師であれ変わりません。ただし、何かちょっと異変が起こりかけている時に素早くアンテナが働くことが専門家の強みではないかと思います。

神経内科をご専門とされる中で、印象に残る患者さんはいらっしゃいますか?

城洋志彦院長 しろ内科クリニック4

やはり一番心に残るのは亡くなった患者さんですね。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方に関しては、患者さんが命に関わる病気を宣言されてからどう受け止め、どう過ごしていくかを、人間的な付き合いをしながら、患者さんが満足する時間を過ごせるようにサポートしてきました。けれども、結果として現在の医療では救うことができないので、医師として無力感は拭えません。ただ、最期の時に患者さんから「先生が主治医で良かった」と言っていただけるようなお付き合いができたらいいなと思っています。

病気を理解してもらうことが治療へのエネルギーとなる

認知症の診療も行っておられますね。

城洋志彦院長 しろ内科クリニック5

はい。認知症ではないかと他院から紹介されるケースもあります。特殊な認知症を除いて、一般的な認知症の方は症状が急に進んだり、日や時間によって変動することはありません。そのような場合は、頭蓋内血種や脳腫瘍が見つかったり、内科的な病気が隠れていたりすることがあるので、注意が必要です。

逆に先生から基幹病院へご紹介されることもあるのですか?

脳梗塞や脳出血など急性期の場合は、入院設備のある病院で処置をしないとどうにもなりません。問い合わせの電話で話を聞いた段階で、当院でワンクッションを取る時間がもったいないケースも中にはありますので「救急車を呼んで直接病院へ!」とお伝えすることもあります。ほかには検査でしょうか。 当院では、MRIの検査が必要な時はビルの4階にある整形外科医院に撮影を依頼して、当日中に画像を送っていただいていますが、脳腫瘍や炎症の病気では造影MRIも必要なため、放射線科のドクターがいるような基幹病院でないとできない検査もあります。そういった医療機関との連携もしっかりとしておりますので、必要な検査に合わせて、行く先を適切に決められるというのも神経内科を専門とする当院の強みだと思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

患者さんのニーズを思うと、医師が2人体制になれば往診なども将来的には視野に入れたいと考えています。ただ、神経内科の医師に限ると、そもそも専門とする医師の母数が少ないので人材がなかなかいないのが現状です。ですので、一般内科の医師とタッグを組んで、地域のかかりつけ医としての側面と、私の神経内科の専門分野とをうまく調和をとりながら訪問診療を取り入れていくという方針であれば、サービスの質を落とさずに、地域のニーズにもお応えできるのではないかと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

城洋志彦院長 しろ内科クリニック6

私は、患者さんご自身の病気に対する理解が、治すための一番のエネルギーになると思っています。ですので、症状や病気についてできるだけ詳しく説明しています。薬についても、正しい飲み方だけでなく「なぜ飲むのか」ということを患者さん自身が納得しているかいないかで、作用の仕方も大きく差が出ると思っているため、説明には時間をかけるというのが当院のスタンスです。そのため、1日に診療できる患者さんの数は決して多くはありません。しかし、お困りのことがあればできるだけ対応したいと思っていますので、お気軽にご相談ください。地域のかかりつけ医としての側面も持ちつつ、神経内科専門医としての強みも発揮しながら、これからも患者さんのニーズにお応えしていければと思います。

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