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岡本 祐一 院長の独自取材記事

湘南かもめクリニック

(平塚市/平塚駅)

最終更新日:2024/08/09

岡本祐一院長 湘南かもめクリニック main

神奈川県平塚市八千代町にある「湘南かもめクリニック」は、良質な在宅医療の提供に努める在宅療養支援診療所だ。消化器外科の医師として多くの手術経験を有する岡本祐一院長が、地元の平塚市で開業。訪問診療を中心に、患者とその家族に寄り添いながら、日常の全身管理から看取りまで総合診療を提供している。地域の基幹病院やケアマネジャー、訪問看護ステーションとの緊密な連携も強みの一つだ。消化器外科から在宅医療の現場へと活動の場を移したきっかけや、高齢者医療にかける思いなどをじっくりと聞いた。

(取材日2024年7月12日)

平塚市を中心に、地域に密着した訪問診療を提供

クリニックの特徴を教えてください。

岡本祐一院長 湘南かもめクリニック1

当院は在宅療養支援診療所です。患者さんのご自宅に定期的に医師と補助が訪問し、診療や検査、薬の処方、生活指導などを行う訪問診療を担っています。病状が急変した際は、夜間・休日を問わず対応し、24時間365日電話を受けつけています。地域の基幹病院やケアマネジャーの方々から在宅診療の依頼を受け、平塚市内を中心に、大磯の一部エリアを加えて訪問診療を担っています。患者さん一人ひとりに丁寧に対応したいので、範囲を広げ過ぎないようにして、良質な在宅医療の提供を心がけています。

開業前はどのような経験を積まれてきたのですか。

1996年に東海大学を卒業後、東海大学医学部付属病院の外科に入局しました。その後は、国立病院機構東京医療センター、公立福生病院への出向を経て、東海大学医学部付属病院で外科の手術を多数経験しました。同大学の救命救急センター、東海大学大磯病院(現・湘南大磯病院)、神奈川病院などで経験を重ねました。先進の医療は素晴らしいものですが、多くの時間を医療機関内で過ごさなければならず、患者さんの中には延命治療を受けず、できるだけ自宅で過ごすことを選択される方もいらっしゃいました。そうした方にできる限り良質な医療を受けていただきたいと思い、訪問診療をメインとするクリニックを自宅近くの平塚で開業しました。

在宅医療には、もともと興味がおありだったのですか?

岡本祐一院長 湘南かもめクリニック2

周りにお年寄りがたくさんいる環境で育ったこともあり、高齢者医療に興味がありました。病院の外科で勤務をしながら、非常勤で週1回、別の医療機関で高齢者や認知症の方を診ることができる病院に行っていました。当時は単にお年寄りを診るのが好きでやっていたのですが、神奈川病院に在籍中に、多くの末期がん患者さんを担当した際に、最期は自宅に帰りたいという方がとても多く、亡くなった後にご家族が「やっと家に帰れるね」と話していらっしゃる姿を見て、ご自宅でお看取りができるようになればいいなと思いました。それで、先輩医師を頼り、訪問診療専門クリニックで1年間修練させていただき、自分が進むべき道はこれだと確信しました。

患者と家族が望む看取りを、ともに実現したい

患者さんとの信頼関係は、どうやって築かれているのですか?

岡本祐一院長 湘南かもめクリニック3

最初の訪問時に、時間をかけてお話をするようにしています。具体的には、訪問診療でできることや、緊急の際には夜中でも休日でも対応できることをわかりやすく説明するようにしています。まずはご安心いただきたいという気持ちを込めて、最初の説明にはしっかり時間をかけます。また、患者さんとご家族には医師、看護師をはじめ、ケアマネジャーや訪問看護師など、地域のさまざまな医療関係者と連絡を密に取り合いながら、ご自宅での療養生活をサポートしていることも、お伝えするようにしています。そうした一つ一つが患者さんの安心につながり、信頼していただけると考えています。

患者さんと接する際に、心がけていることはなんですか?

限られた時間の中でも、丁寧に診ることです。在宅診療では患者さんの生活の質を保つことを図りながら、ご自宅で快適に療養するためのサポートと同時に、体調の変化を見逃さないことも重要です。定期的な体調管理によって、不調があればその原因を探りながら、患者さんが納得のいく説明をするよう努めています。とはいえ、精密検査や手術ができるわけではありません。必要に応じて専門の医師や専門の医療機関への紹介も行いつつ、訪問日にはできる限り丁寧に診察して、説明をしっかり行うことが大事だと考えます。

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

岡本祐一院長 湘南かもめクリニック4

以前の勤務先で担当した若いがん患者さんで、もう食事も取れず痛みも強い状況で、病院からは在宅での看取りは難しいと言われた方がいらっしゃいました。しかし、まだお子さんが小さく、病院ではお子さんやペットとの面会は難しいため、ご自宅に帰ることを希望され、私が在宅診療を担当しました。ご自宅では時間の制限なく、いつでもお子さんやペットと触れ合うことができますからね。ご家族やペットに囲まれながら、最期を迎えたいというご本人の希望がかなえられて、私自身も強く印象に残っています。私が消化器外科出身であることもあり、がんの方の紹介が多いのですが、脳梗塞・脳卒中、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方のご紹介も多く、今後もご自身らしい最期を迎えられるお手伝いをさせていただければと思っています。

横のつながりを強みに、自分らしい人生をサポート

医師を志したきっかけは?

岡本祐一院長 湘南かもめクリニック5

特別な理由はないのですが、周囲に医師が少なかったこともあり、自分が医師になって地域の人々を助けてあげたいという気持ちは、少なからずあったと思います。消化器外科を専門にしたのは、学生時代の実習で、進行胃がんで食事を取れなかった方が、食べられるようになるための手術に立ち会ったことがきっかけです。食事は人間が生きる上での源ですから、そうした手術ができる消化器外科の医師になりたいと思いました。

訪問診療のやりがいを感じるのはどんな時ですか?

やはり患者さんやご家族から「ありがとうございました」と言っていただける時に、やりがいを感じます。亡くなられた後に「家で看取れてうれしかった」「いろいろお世話になりありがとうございました」「先生に診てもらって良かったです」などと言っていただけると、私自身も本当に良かったと思いますし、医師としてのやりがいにつながっています。

先生ご自身のリラックス法は?

岡本祐一院長 湘南かもめクリニック6

趣味はあまりないのですが、ドライブが好きで、箱根まで行くこともあります。ただ、途中で患者さんのご家族から電話がかかることもあるので、携帯電話は常に気にしながら、いつでも帰れるようにしています。夜中に電話をいただいても、対応後はまたすぐに眠れるのは特技かもしれませんね。学生時代はアメリカンフットボール部に所属していました。今はなかなか体を動かす機会がありませんが、「湘南かもめクリニック」という名前は、東海大学のシンボルである「かもめ」に由来しています。アメリカンフットボール部のチーム名が「シーガルズ」で、親しみがあったのでクリニック名に取り入れました。

読者にメッセージをお願いします。

当院は地域の基幹病院や訪問看護ステーション、ケアマネジャーと緊密に連携を取っています。ご家族とともに住み慣れたご自宅で、地域に密着した質にこだわった医療を受けていただくことが当院のモットーです。高齢化に伴い、訪問診療は既に一般的な医療となっていますから、安心してご活用ください。ただ、外来診療と同様に、訪問診療も医師との相性はあると思います。近隣にも素晴らしい在宅診療の医師が大勢いらっしゃいますし、横のつながりもあります。地域で連携して皆さんをサポートしますので、気になることがあれば気軽にご相談ください。

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