天方 義郎 院長の独自取材記事
AMA Clinic 淡路町院
(大阪市中央区/本町駅)
最終更新日:2025/05/02

大阪メトロ御堂筋線の本町駅2番出口から徒歩5分、オフィス街の真ん中に位置する「AMA Clinic 淡路町院」。患者は、体調不良でも休めなかったり、ハードワークが続く多忙なオフィスワーカーが多い。院長である天方義郎先生は、そうした多忙な患者のニーズに合わせた迅速な治療と、患者への親切な対応や労わりの心を重視している。天方院長の「患者の立場に立った親切な診療」へのこだわりと、ハード・ソフト両面において注力している内視鏡検査について、詳しく語ってもらった。
(取材日2017年5月12日)
患者の立場に立った親切かつ迅速な治療が信条
中央区淡路町で開業された理由はなにかあるのですか?

もともと兄が西区信濃橋で開業していましたので、「兄弟で地域医療に貢献できれば」との思いから、兄のクリニックの近隣で開業しました。兄のクリニックは徒歩で行き来できるくらいの近さですよ。また、兄も同じく内科の医師ですので、患者さんの症例の検討や治療相談などもよく行います。身内ということもあり、なんでも遠慮なくざっくばらんに指摘し合えますから、その点は強みだなと思っています。それに、近所に兄弟がいれば、お互い何かあった時には助け合うことができますね。
診療の際に心がけていること、診療方針を教えてください。
患者の立場に立った診療を行うよう心がけています。医師になる人はおそらく誰でもそうした志は持っていると思いますが、やはりそこは大事にしたいですね。あと、これはこの土地で実際に開業してから気づいたことなのですが、土地柄、患者さんはオフィスワーカーが多いので、皆さんとても忙しいのです。ですから、そうした忙しい中でも健康管理ができるよう、患者さんの主訴に合わせた迅速な対処を心がけています。例えば、検査や治療の設備が十分にそろっていないクリニックだと「様子を見ましょう」とか「大きい病院を紹介しますので検査を」となるような場合でも、当院では内視鏡検査がすぐにでき、しかるべき処置をすることが可能です。
施設・設備面で注力している点、こだわりなどがあれば教えてください。

内装やインテリアに関しては、患者さんがリラックスできるカフェのような空間になるよう、少しこだわってみました。体調不良を抱えて来院される患者さんのことを考えて、ソファーはベンチタイプのものでなく、ゆったり座れる一人掛けのものを選んでいます。座り心地なども自分で座って確認していますよ。また、あまり敷居が高くない、気軽に立ち寄れる雰囲気も大切にしています。幸いなことに、当院は看護師やスタッフもみんなとても優しいので、そこも非常に助かっています。設備面に関しては、医療の進歩に合わせて、機器にもそれなりの設備投資は必要だと考えているので、内視鏡やエコーなども新しいものを導入しています。
患者の苦痛を軽減する内視鏡検査に注力
内視鏡検査は、かなり苦しいイメージがあるのですが……。

同じ設備で同じ検査を受けても、受ける恐怖感の違いで、患者さんの苦痛の感じ方もまるで変わってきます。そのため覚醒下で行われる内視鏡検査では、患者さんへの声かけや、背中をさすってあげるといったスタッフの対応がとても大切です。当院では検査中、今何をしているのか、どういう状態なのか、「粘膜の色調がきれい」「ここがちょっと赤いから良く見ておきましょう」など、私がずっと喋っています。検査中に目を閉じていると、何をされているかわからないといった余計な恐怖心が増すだけです。もちろん、患者さんに苦痛を与えない医師の技量も重要です。私の場合は、自ら内視鏡検査を数度受け、苦しいのはどういう時か、つらいのはどんなタイミングなのかを熟知することで、そこから得たコツなどを患者さんに伝えています。
内視鏡検査のメリット、デメリットを教えてください。
メリットは直接消化管の中を診ることができる、そして生検や大腸の場合はポリープ切除といった処置までその場でできるという点です。最近話題に上ることが多いアニサキス症なども、内視鏡検査を受ければ、その場ですぐ処置できますよ。デメリットとしては検査時の苦痛が挙げられますが、経鼻内視鏡なら舌に触れないため咽頭反射も少ないですし、咽頭反射が強い方の場合は、鎮静剤を使えばウトウトしている間に検査が終わってしまうので、苦痛を感じる間もありません。ただ、バリウムによる胃部エックス線であれ、内視鏡検査であれ、リスクはありますので、検査前の説明などはよく聞いてください。ちなみに当院では、内視鏡検査前の同意書にも挿絵などを入れて、読みやすいよう工夫しています。
患者層や主訴に、何か特徴はありますか?

この辺りはオフィス街なので、患者さんはオフィスワーカーが多いですね。高血圧や糖尿病といった生活習慣病で通院される方もたくさんいらっしゃいます。生活習慣病の相談や指導に関しては、患者さんに対して厳しいスタンスの先生もいますが、私は「頭ごなしに怒ったところで続かない、せっかく治療するなら患者さんの状態を良い方向へと導くことが重要だ」と考えているので、あまり怒ったりはしません。
かかりつけ医は、必ずしも地元じゃなくて良い
医師をめざしたきっかけ、理由を教えてください。

父も兄も医師なので、私も一応医学部をめざしてはいましたが、最初は明確な目標もありませんでした。やっと本気で頑張り始めたのは、受験で医学部に入る難しさを痛感してからです。また、研修医になって最初の担当患者さんの診断で、今思えば教科書どおりの簡単な症例だったにもかかわらず、当時はそれがわからなくて、上級医の先生にひどく叱られたということがありました。その時、もっと真剣に、もっと必死にやらないといけないと奮起しました。困難が現れると、逆にやる気が出るタイプなのかもしれません。今となっては、ストイックに仕事一筋の毎日です。
今後の展望を教えてください。
バリウムを使った胃部エックス検査の場合、再検査や要治療という診断が下ったら、結局は内視鏡検査を受けなくてはなりません。それなら最初から内視鏡検査を受けるほうが効率的です。大阪市では2017年10月から、50歳以上という制限はつくものの、胃がん検診で内視鏡検査を選べるようになりました。当院では、この胃がん検診に積極的に参入していこうと考えています。参入するには、設備面で一定の条件をクリアしなくてはならない他、施行医とは別の専門の医師によるダブルチェックが必要なので、通常、個人でやっている開業医の場合は設備があっても参入が難しいのですが、当院では幸い、近所に協力関係にある兄のクリニックがあるため、ダブルチェックの体制も整っています。
読者へのメッセージ、アドバイスをお願いします。

風邪でも健康相談でも結構ですから、もっと気軽に受診をしてほしいと思います。オフィスワーカーは忙しすぎて、検診で要治療や再検査という結果が出ても、ついつい放置してしまう人も多くいます。当院は、そういう忙しい方でも通えるよう夜7時まで開いています。郊外の地元に戻る頃にはかかりつけの医院が閉まっている、という方は、どうぞ勤務先の地域でかかりつけ医を探してみてください。また、生活習慣病は運動療法が理想ではありますが、多忙なオフィスワーカーにとって、運動の習慣を持つことが難しいのもわかります。その場合は、せめて一駅歩く、エレベーターでなく階段を使うといった工夫をすると、それだけでも全然違いますので、ぜひ実践してみてください。