子どもの健やかな成長を守るため
小児科の知識を活用してほしい
ごんどう小児科クリニック
(福岡市東区/千早駅)
最終更新日:2025/02/13


- 保険診療
どの親でも自分の子どもには病気にかからず健康に成長してほしいという強い思いがあるだろう。そのサポートをするのが小児科だ。「ごんどう小児科クリニック」の權藤健二郎院長は「お子さんの成長のために、小児科医の知識をうまく活用してほしい」とメッセージを送る。「子どもは自分の健康を自分で守ることはできません。例えばワクチン接種に関して不安があり、接種をためらっている親御さんはぜひご相談いただけるとありがたいです。ワクチンを受けるのは自身の健康を守るお子さんの権利なのです。ご家族の心配を考慮しその権利をどうやって守るのか、解決方法を見つけたいです」と話す。小児神経科医の経験をもとに、子どもの体から心の発達まで幅広い診療に対応する院長に、発熱やアレルギー、ワクチンなどに関する幅広い質問に答えてもらった。
(取材日2022年8月17日)
目次
ワクチン接種、アレルギー、発達障害など、小児科の知識を上手に活用し子どもの健やかな成長を守ってほしい
- Q子どもが発熱した際の治療や対処法についてお聞かせください。
-
A
▲保護者の話を聞き、重篤な病気が隠れていないかどうか考えていく
お子さんの熱の原因は、ほとんどがウイルスや細菌による感染症です。お子さんは熱があっても、体力の許す限り遊びます。だからパッと見では熱があるようには見えず、「急にぐったりした」ということになるんですね。大人ならば「おとなしくして早く寝よう」という判断ができますが、子どもはそれができません。もしお子さんが発熱した場合には、かかりつけ医を受診するまでの間、体温を測り、りんごジュースなどを飲ませてください。きつそうな場合は、本人用の解熱剤が手元にあれば使用してください。解熱剤がなく夜や休日で誰に相談したらいいかわからないという場合は、「#8000」で子ども医療電話相談に電話することもお勧めします。
- Q発熱時の受診の目安や、自宅でできるケアはありますか?
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A
▲診察室に入ってきた時の顔色や様子を見逃さないようにしている
発熱はウイルスによる風邪のことが多いので、自分の免疫力で回復できるようにサポートしてあげる必要があります。水分を取らせることは最も重要なのですが、同じように大事なのが糖分と塩分です。お茶ばかりだと血が薄くなり体調が回復しない可能性もあるので注意が必要です。お勧めは経口補水液ですが、お子さんにとっては苦手な味なので、りんごジュースや塩分が入ったおつゆを飲ませるようにしましょう。受診する朝にお茶だけで家を出ると、病院に着く前に血糖が低くなり吐いてしまう事があります。ですので糖分の入ったジュースを一口でも飲んでおくことをお勧めします。
- Q子どもの咳が治らない、定期的に咳を繰り返す原因は何ですか?
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A
▲子どもに活気があるかどうかが、受診をする判断のカギ
咳が続く原因には、繰り返す風邪や気管支炎などの感染症やアレルギーが考えられます。どっちなんだろうと考えるのではなく、両方の可能性があると考える方が自然です。アレルギー性鼻炎の人でも風邪を引きますよね。どれか一つだけを原因として考えるのではなく、いくつかの可能性を考えておくことも、お子さんをケアする上ではとても重要なことです。注意したいのは周囲の意見に左右されないこと。ご友人などの経験がご自分のお子さんに当てはまるとは限りませんから、病気のことで意見を求めるならば小児科医に尋ねるようにしましょう。
- Q季節によって子どもがかかる病気は変わりますか?
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A
▲体調や発育発達に関して悩みや不安があればまずは相談を
「季節によってこの病気が出やすい」という傾向はもちろんあります。おたふく風邪、りんご病、手足口病、ヘルパンギーナ、風疹、はしかなど、流行の時期を想定することは可能です。しかし親御さんが気をつけるべき点は「お子さんの周囲で何が流行しているか」です。クラスで手足口病やインフルエンザにかかった生徒がいたなど、お子さんの周囲の状況を把握し、診察時にそれを伝えていただければ診断治療の一助になることは間違いありません。保育園・幼稚園であればそういった情報を発信していますが、小学校に上がるとそういうことが減りますから、ママ友やパパ友などのネットワークも上手に活用し、積極的にアンテナを張っておくのが重要です。
- Qお子さんの健やかな成長のためには、ワクチン接種も大切ですね。
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A
▲ワクチン接種と乳児健診の時間帯を一般の診療時間と分けている
お子さんのワクチン接種で重要なのは、接種をするかどうかを本人が判断できない点でしょう。副反応のことなどまったく知らずに接種するのも困りますが、逆に接種しないことを親が簡単に決めてしまうのも良くないと思います。それは、お子さんのワクチンを受ける権利を奪うことにつながります。なぜ接種させたくないのか、何が不安なのかをまず小児科で相談してください。小児科医が接種を強いることはありませんし、同時接種が不安であれば時期をずらすなどのアドバイスもできます。ワクチン接種をせずに病気になり後悔する場合もあります。親の意見は子どもの健康の行方を左右することを親御さんは認識してほしいと思います。