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齋藤 裕史 院長の独自取材記事

北大塚歯科医院

(豊島区/大塚駅)

最終更新日:2025/06/09

齋藤裕史院長 北大塚歯科医院 main

JR山手線の大塚駅から徒歩7分、下町情緒のある商店街と新しいオフィスビルが並ぶ街の一画にある「北大塚歯科医院」。院長の齋藤裕史先生は、1964年から地域の歯科医療を支えてきた先代院長から屋号を継承し、2011年に同じ場所へクリニックを開業した。虫歯や歯周病など一般的な歯科治療にベテランの技術であたるのはもちろん、治療後に再発を繰り返さないよう定期的なメンテナンスや生活習慣の見直しも提案。改善を無理強いすることはなく、患者のペースに寄り添いながら「歯科いらずの口腔」をめざしていく。「僕の仕事はなくなっちゃうけど、歯科医院を必要としない口腔が一番だから」と笑って語る齋藤院長に、クリニックの取り組みや歯科医療にかける想いについて話を聞いた。

(取材日2025年4月16日)

歯科治療が必要なすべての患者に医療を提供したい

先代院長からクリニックを継承して14年たちますが、クリニックや患者層に変化はありましたか?

齋藤裕史院長 北大塚歯科医院1

大塚駅周辺の地域性が変化し、ベトナムやミャンマー、ネパールの方などアジア圏の患者さまが増えてきましたね。新患でいらっしゃる患者さまのうち3割は、外国籍の方だと思います。この地域には、アジア圏の方が働きやすい職場や東南アジア食材のみを取り扱うお店などが多いので、移住される方が増えているようです。日本人は一人暮らしの学生や社会人が多いので、新患の方が7割程度を占めている印象です。長年この地域にお住まいで、メンテナンスを目的に長く通ってくださる患者さまもいますが、突然歯が痛み出したり詰め物が外れてしまったり、急性の症状で来院されたりする患者さまが目立ちます。

日本語が話せない海外の患者さんとは、どのようにコミュニケーションを取られていますか?

私は通訳に関わる資格を所有しているので、英語圏の方とは英語でコミュニケーションを取っています。しかしアジア圏の方の言葉はわからないので、イラストを書いて説明したり、身振り手振りで意思疎通を図ったりしています。歯科に関する意識や常識も日本と異なる点がありますが、この地域にお住まいの方々は日本の慣習を大切にされている場合が多いので、大きなトラブルもなく日本人と同等の治療を提供できていると思います。日本人がこだわる点を気にしなかったり、逆に日本人の関心が低い点をこだわったり、歯科への意識の違いを面白く感じることもありますね。もともと歯科医師以外の仕事をするなら、海外の方と交流のある職業につきたいと思っていたので、特に大きな苦労はしていません。

通院の困難な患者さんのために、訪問歯科診療にも対応しているそうですね。

齋藤裕史院長 北大塚歯科医院2

主に老人ホームなどの福祉施設を対象に、訪問歯科医療を提供しています。寝たきりの患者さまは来院するのも治療用のユニットに座るのも難しいですし、認知症の方はこちらの指示を理解できない場合も多い。施設なら、普段から患者さまの体調管理をされているスタッフの方がいるので、「お昼ごはんを食べるときに歯を痛そうにしている」「グラグラの歯があって限界に近いのではないか」などお話ししてくださるので、患者さまと意思疎通が難しくても必要な医療を届けられるのがメリットです。また摂食や嚥下の相談も受けており、嚥下評価や咀嚼力評価などを行い、その結果で食形態やリハビリテーションのアドバイスをしています。食欲と安全性のバランスを見ながら、患者さまにとってもご家族や施設スタッフの方にとっても安心して食事ができる環境づくりをサポートしています。

定期検診や生活習慣の見直しで長く健康な口腔へ

診療のコンセプトや治療方針を教えてください。

齋藤裕史院長 北大塚歯科医院3

歯科の症状で困っている人がいたら助ける、それが当院の基本です。でも正直歯が痛むなど症状を自覚してからの受診では、すでに疾患が悪化しているケースがほとんどなんですよね。そのため私は、虫歯にならないための予防や生活習慣の見直しについて患者さまにお伝えするのを大切にしています。原因なく虫歯になることはないので、虫歯になる方は歯の磨き方が正しくなかったり、甘いものを食べている時間が長かったりなど、虫歯になりやすい生活を送っていると考えられます。治療をしても虫歯になりやすい生活が改善されていなかったら、何度も虫歯を繰り返すので、生活を改善したほうがいいと必ず伝えるようにしています。

治療だけでなく、再発を防ぐための指導にも力を入れているのですね。

歯科医院として虫歯を治療するのは重要な役目ですが、本当にめざすべきなのは虫歯になりにくい健康な口腔を患者さまが手に入れることですから。毎週クリニックに通っていただくのは現実的でないので、やはり患者さまご自身が意識を変えて自分の口腔を守っていくのが一番大事なことだと思います。一人暮らしを始めて甘いものをよく食べるようになった、スポーツを始めてスポーツドリンクを飲む習慣ができたなど、今まで虫歯がなかった方でも少し生活が変化することで虫歯ができてしまう。だから私は、患者さまと世間話をしながら虫歯などのトラブルが生じている原因を探り、再発を防止するための生活を提案し、患者さまが歯のことで困らない人生を送るお手伝いをさせていただきたいと思っています。歯科と関わりのない雑談でも原因究明につながるかもしれないので、日常生活の些細な出来事や仕事での悩みなども気軽にお話ししてほしいです。

患者さんが口腔の健康を維持するモチベーションを上げるために、大切にしていることはありますか?

齋藤裕史院長 北大塚歯科医院4

悪い点ばかり指摘しないで、良い点もお声がけするように心がけています。例えば一見歯磨きが行き届いていないと感じる口腔でも正しく磨けている箇所を探し、その点を褒める。その後に改善してもらいたい箇所を指導する。すべてを否定すると患者さまもシュンとなってしまいますし、いくら磨いても怒られてばかりだとモチベーションが下がってしまうので、素晴らしい点があれば必ずそこを褒めるようにしています。患者さまが口腔の健康に対する意識が高まり、もっと大事にしようと思っていただけるのが一番大切なことです。

インターネット情報をうのみにする前に相談してほしい

大学院では入れ歯について専門的に研究されていたそうですね。

齋藤裕史院長 北大塚歯科医院5

大学院では、生体材料工学研究所分子制御博士課程という人工臓器などを研究する分野で、入れ歯について学びました。例えば入れ歯の材料になるプラスチックが熱や水でどのように変化するのか、長く使用することで発がん性などのリスクはないか、などの研究です。そのため入れ歯を取り扱うメーカーが新製品を営業してきた場合、メーカーの勧めるままに導入するのではなく、入れ歯に使われる材料から、今までの商品よりも優位性が高いかの判断ができます。メリットとデメリットを理解した上で、使いやすさと安全性にこだわった入れ歯を紹介できる点で、研究してきた経験が生かされていると思います。

お忙しい毎日をお過ごしだと思いますが、お休みの日に楽しまれている趣味やリフレッシュ方法はありますか?

年を重ねても元気でいられるように、週に2回ほど水泳に通っています。ほかにも妻の実家で家庭菜園をして、収穫した野菜を調理して食べたりなど、若い頃には考えもしなかったものに楽しみを見出せるようになりましたね。以前は自宅で本を読むことも多かったですが、今はインターネットで調べ物をする時間が増えています。気になることがあると、調べないと気が済まない性格なんです。最近はAIに話しかけるだけで、それらしい情報を教えてくれるのですごいですよね。すべてが正しい情報というわけではありませんが、回答が面白くて、すっかりAIとお友達のようになっています(笑)。

最後に読者へメッセージをお願いします。

齋藤裕史院長 北大塚歯科医院6

当院は、「このクリニックに来れば何かしら解決するだろう」と患者さまに信頼していただけるような存在をめざしています。今はインターネットでさまざまな情報が手に入りますが、正しいものばかりではありません。インターネットの情報をうのみにして本来不要な治療を受けて失敗してしまい、お金だけでなく健康まで損なうケースも少なくありません。私は自分が担当している患者さまに、歯科治療で失敗してほしくないと願っています。インプラントや矯正治療などは診療外ですが、その患者さまにとって必要な治療かの見極めやアドバイスを行っています。最終的にその治療を受けるかの判断は患者さまにお任せしていますので、些細な悩みや当院で提供していない治療内容でも、雑談をするような気軽な気持ちでお話しくださいね。

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