本田 壮一郎 理事長、山口 健太郎 院長の独自取材記事
東町グラン歯科
(熊本市東区/健軍町駅)
最終更新日:2022/06/20

熊本市東区のホームセンター敷地内に立つ「東町グラン歯科」は、2012年に本田壮一郎理事長が開業。幅広い世代の患者が通う同院が、特に力を入れているのが小児歯科で、「幼少期に正しい姿勢、呼吸、口腔機能を獲得することが、将来の歯の健康につながります。そのことをぜひ妊婦さんや親御さんに理解してもらいたい」と本田理事長は言う。小児矯正では、正しい姿勢と呼吸に導くトレーニングも実施。現在8人の歯科医師が在籍し、山口健太郎院長を中心にそれぞれの得意分野を生かしながら診療にあたっている。米国でインプラント治療を学び、アスリートのデンタルサポートも行う本田理事長と、九州大学歯学部卒業後、久留米大学病院の歯科口腔医療部門などに勤務してきた山口健太郎院長に、クリニックの診療について話を聞いた。
(取材日2022年3月23日)
小児歯科に注力し、幅広い世代の患者にも応える
まず、クリニックの診療方針についてお聞かせください。

【本田理事長】地域に根差し、多くの方に支持していただくには、どのようなかたちにしていくのが良いかと考え、ファミリー層に向けた診療とマイナス0歳からご高齢の方まで総合的な診療を行うことをコンセプトとしています。
【山口院長】自分の家族のように治療することを心がけています。当院は小児歯科にも力を入れており、お子さんも多く来院します。マウスピース型装置を用いた矯正や小児矯正、予防歯科にも注力し、お子さんの健康的な発育のためのサポートという観点からも診療、アドバイスを行っています。歯並びの問題も、なぜ悪くなったのか原因を知ってもらった上で矯正を行っていきます。当院は歯科医師が8人おり、それぞれが得意分野を持ち、担当制で一人ひとりの患者さんをしっかり診ていきます。
開業までの経緯について教えていただけますか?
【本田理事長】1998年に松本歯科大学を卒業し、東京の大学病院を経て、熊本で最初に勤務したICUを備えた総合病院の歯科口腔外科は、先進的な治療を行っていて貴重な経験をさせてもらいました。その後、熊本市内で先進医療に取り組む院長の歯科クリニックに4年半勤務。何事にも熱心に取り組む先生の指導のもと、歯科医師としてのベースを築くことができました。その後も別の歯科医院で分院長を務めるなどさまざまな経験を積んできましたが、一緒にやろうと言ってくれた先生がいて開業する運びとなりました。自分で開業する際はファミリー層をはじめいろいろな世代に診療で貢献したいという思いがありましたので、どなたでも通いやすいホームセンターの敷地内に歯科医院を開設しました。
米国でインプラント治療を学ばれたそうですね?

【本田理事長】インプラント需要が20年前くらいから増えてきて、インプラント治療で進んでいた米国の知識の必要性を感じていたところ、米国で勉強する機会に恵まれました。ニューヨーク大学インプラント科のプログラム、ハーバード大学歯周病科インプラント科で学びました。当院ではインプラント治療にも力を入れているので、その時に得た知識や技術は今の診療にとても役立っていると感じます。一緒に行ったメンバーとは今もつながりがあり、私が参加するスタディーグループの九州の代表を務めている人もいます。
小児矯正では正しい姿勢と呼吸が大事
設備機器などで工夫されたところはありますか?

【山口院長】デジタル機器の充実を図ってきました。口内をデジタル模型化して患者さんにも見てもらえる3D口腔内スキャナー、デジタルデータをもとに詰め物やかぶせ物を設計する機器、短時間の撮影で高度な画像診断ができる被ばく量の少ない歯科用CT、痛みの生じにくい歯石除去や歯周ポケットのケアのための超音波スケーラーなど、先進の検査・治療機器を備え、患者さんに負担の少ない診療が提供できるよう努めています。
エントランス横にある子ども向け施設が目を引きますね。

【本田理事長】東京オリンピックの競技場を手がけた建築家が開発した木で作ったトレーラーハウスで、木のぬくもりが気に入って、ぜひ導入したいと思いました。お子さんがバランスボールなどを使って楽しみながら、正しい体の使い方、正しい姿勢を身につけてほしいと思っています。子どもたちの成長・発育・発達に常に向き合っています。
【山口院長】お子さんの姿勢は、歯並びにも直接影響を及ぼします。当院では装置を使った歯列矯正と並行して、お子さんが正しく噛んで飲み込めるよう、お口周りの筋肉の訓練、適正な舌の位置の習得や、鼻呼吸でしっかり酸素を取り込めるような呼吸法や姿勢を整えるためのトレーニングを行っています。こうして総合的に診ていくことで、歯列が後戻りしにくくなるだけでなく、正しい呼吸に導くことで熟睡や集中力向上につながることも期待できると考えています。体全体を視野に入れた総合的な医療をめざしていきたいです。
お子さんの虫歯予防についてはいかがでしょう。
【山口院長】全国的には虫歯は減っていますが、顎が小さく歯並びが悪いお子さんが増えています。やわらかいものを多く摂取する欧米型の食生活の影響も大きいと考えられるため、当院では診療の際に食育指導も行っています。
【本田理事長】また当院では、県内の歯科医師有志で行っている、熊本市内に住むお母さんとお子さんの「健康なお口=健口」を育む活動にも参加。妊婦さんや小さなお子さんのいる親御さんを対象に、保健師の講演などを毎月持ち回りで開いています。熊本市は1~3歳児の虫歯が政令指定都市の中でも多く、妊娠中から意識を高めてもらおうという狙いもあります。妊娠中はつわりなどで歯磨きができなくなったり食生活が変化したりして歯周病や虫歯を発症しやすくなり、赤ちゃんの歯のトラブルのリスクも高まります。そうした注意喚起のほか、妊娠中の抜歯や投薬、エックス線検査についての質問にもお答えしています。
アスリートのデンタルサポートにも注力
スポーツや運動をしている人たちへの歯科的サポートも行っているそうですね。

【山口院長】当院では、スポーツ愛好家から、本格的に取り組んでいるアスリートまでを対象に、歯科検診や治療、定期的なメンテナンスのほか、ポジションやプレースタイルなどに合わせたスポーツ用マウスガードの作製も行っています。当院は幼稚園の嘱託歯科医を務めているのですが、お子さんはよく動きますから外傷も多く、口腔内を傷めることも多いので、スポーツ歯科の知識が役立ちますね。また当院ではスポーツを通じて予防歯科を認知してもらうような活動も行っています。例えば、スポーツをするお子さんは、スポーツ飲料を飲まれると思いますが、スポーツ飲料はたくさんの糖分が含まれているので摂取量に注意しながら飲むようにしましょう。
先生ご自身もスポーツとのつながりが深いのですか?
【本田理事長】スポーツと歯の関係性に興味を持ちスポーツ歯科について学んできたのですが、長野の松本歯科大学時代はスキーをしていました。熊本出身でウインタースポーツに縁がなかったこともあり、すっかり夢中になりました。ただ、歯科医師になってからは足が遠のき、最後にスキーをしたのは10年前が最後。またいつか再開したいのですが、最近は休日になると子どもが喜ぶような場所へ遊びに行くことがほとんどで、なかなかスキーをしに行く機会がないですね(笑)。
歯科医師をめざしたきっかけは何だったのでしょう。

【本田理事長】私の親は歯科医師ではありませんが、中学や高校の同級生の親に医師や歯科医師が多く、歯科医師になった親友も実家が歯科医院を開業していました。いつの間にか、自分もそうした世界に身を置きたいと考えるようになりました。歯科医師はとてもやりがいがある仕事です。海外で勉強することもでき、いろいろな方と出会いつながりも持てましたし、患者さんにも育ててもらいました。本当にこの道を選んで良かったと思っています。
最後に、今後の展望について教えていただけますか?
【本田理事長】私が歯科医師になった時、最初に感激したのは、高齢の患者さんに「先生だから診てもらいたいと思って来た」と言われたことです。信頼してもらえたんだなとうれしく思ったのを今でもよく覚えています。これからもその時の気持ちを忘れず、町のかかりつけクリニックとして患者さんに寄り添いながら、医科歯科連携や情報発信も積極的に行い、地域に根差した総合歯科医療の充実化に向け頑張っていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/全体:77万円~、部分:38万5000円、小児矯正/22万円~(いずれも検査、調整料別途)、補綴冠6万6000円〜、インプラント埋入1本27万5000円、インプラント上部構造(ジルコニアクラウン・ジルコニアセラミック)1本9万8600円 (診断料等別途)、スポーツ用マウスガード/1万1000円〜、ホワイトニング/16歯1回8800円、20歯1回1万1000円