歯並びのリセットをめざす
後戻りにアプローチする再矯正
まきの歯列矯正クリニック
(八千代市/八千代緑が丘駅)
最終更新日:2023/11/14


- 自由診療
矯正を終えて10年、20年とたつうちに、歯並びは、多少の個人差はあるが後戻りが見られることがあるという。「まきの歯列矯正クリニック」の牧野正志院長によると、これは矯正を受けたほぼすべての患者に起こり得るそうだ。矯正では後戻りを防止するため、矯正後に保定期間を設け、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着するが、この保定期間が不十分だと、後戻りの原因になるらしい。年月がたって歯列が後戻りしてしまったと感じたら、歯並びのリセットのための矯正を検討してはどうだろうか。同院でも、再矯正の相談で訪れる患者が年々増加。装置の第一選択肢はマウスピース型の装置となるが、症状によっては抜歯やワイヤーでの矯正が必要となるそうだ。今回は牧野院長に、矯正後の歯並びの戻り、また再矯正について話を聞いた。
(取材日2023年10月25日)
目次
矯正後に起こり得る後戻り。保定期間が不十分なまま年月がたってしまったら、再矯正で歯列のリセットを
- Q矯正後に歯並びが後戻りする原因を教えてください。
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A
▲矯正を終えてから、期間が空くと後戻りすることもあるという
矯正後の後戻りはほぼすべての方に起こり得るのですが、その原因は大きく2つあります。1つは矯正後に用いる保定装置リテーナーの使用不足です。矯正を終えた直後はまだ歯が動きやすい状態で、この時期に決められたとおりにリテーナーを使わないと簡単に後戻りを引き起こしてしまいます。もう1つは年月の経過により自然に動くことによる変化です。矯正の有無にかかわらず、私たちの歯並びは食事や噛みしめなどで常に変化し続けています。ですので、同じ歯並びをキープし続けるのは不可能に近いのです。また子どもの頃に1期矯正のみで終えてしまった場合にも、その後の歯並びに影響してしまいます。
- Qリテーナーで後戻りは止められるのでしょうか?
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A
▲同院では後戻りを防ぐためにリテーナーの使用を勧めている
日常生活の中で自然に歯が動いてしまう以上、リテーナーを一定期間装着しても後戻りは起きてしまいます。例えば生涯にわたってリテーナーを使い続ければ話は別ですが、それは現実的に難しいでしょう。とはいえ、矯正後のリテーナーが重要なのは間違いありません。歯根膜が引き締まって骨がしっかりと形成された後も、引き続きリテーナーを使用してください。当院ではマウスピース型のリテーナーと併せて、「フィックスリテーナー」と呼ばれる歯の裏側に貼る固定式の保定装置も用意しています。後戻りを完全に防ぐことは難しいのですが、動きを最小限に食い止めるため、これらを適切な期間、適切な方法で使用します。
- Q再矯正はどのように行うのでしょうか?
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A
▲目立ちにくいマウスピース型装置を用いた矯正
再矯正では、倒れ込んだ歯を起こすためのアプローチが得意な「マウスピース型装置」が第一選択肢となります。一度矯正されているので、大きく動かす必要がないからです。再矯正を希望されるのはほとんどが成人の方ということもあり、見た目の問題からもマウスピース型装置を用いた矯正を選ばれることが多いですね。ただし「矯正を終えたけれど、前歯をもっと引っ込めたい」という場合など、抜歯やワイヤー装置での矯正が必要なこともあります。カウンセリングの際は、できれば前回の矯正後の写真やリテーナーをお持ちください。「なぜ、どのように戻ってしまったのか」を確認し、再矯正に求めることを伺った上で対策を考えていきます。
- Q再矯正にかかる期間や費用について教えてください。
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A
▲ゴールを見据えて矯正をすることが大事だと話す牧野院長
前回の矯正からあまり年数がたっていない場合を除き、一般的な矯正と同じだけの期間や費用がかかると思ってください。中には何度も矯正を希望される方がいらっしゃいますが、ある程度の戻りはどうしても避けられません。ご本人が「再矯正が必要」と思っていても、それが自然の範囲ならば、再矯正をしたからといって改善できるとは限らないのです。矯正により少なからず歯や歯茎がダメージを受けるのも、程度の差はあれ毎回同じです。再矯正を受ける場合は、後悔のないようにしっかりゴールを見据えて取り組んでほしいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/93万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/99万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。