岡崎 光男 院長の独自取材記事
ハーモニーレディースクリニック
(神戸市西区/学園都市駅)
最終更新日:2025/02/21

学園都市駅より徒歩2分。「ハーモニーレディースクリニック」は緑の木々が立ち並ぶ閑静なエリアにある。真っ白い外観で、クリニックというより清楚な教会のようなたたずまい。院長の岡崎光男先生は、産婦人科の診療をはじめ、不妊治療にも長く携わってきた。総合病院や婦人科専門のクリニックでは、標準治療に沿った治療を行ってきたが、その枠におさまらない患者が多くいることを痛感し、西洋医学以外の東洋医学も取り入れた治療を提供したいと考え、開業に至った。妊婦にできるだけ負担のない、体が備えた力を発揮する自然分娩に重点を置いている。「赤ちゃんへの負担が少なく、お母さんもできるだけストレスの少ないお産ができるような環境づくりに努めています」と語る岡崎院長に、同院の特徴について話を聞いた。
(取材日2024年12月25日)
また産みたいと思えるお産を提供したい
開業の経緯を教えてください。

大阪厚生年金病院(現・JCHO大阪病院)で長年産科部長を務めていましたが、今後の医師人生を考えたとき、救急や総合病院ならではの医師業務に打ち込む反面、いつかは開業して自分の理想の医療を提供したいと考えていました。そんな中、こちらの先代院長が後継者を探しているという話を耳にし、ご縁があってお声がけいただきました。先代の院長が一度閉院された後の施設を引き継ぎ、リフォームを経て、2011年5月に新しい形で再開させていただきました。この場所を選んだのは、地域に根差した医療を提供できる環境が整っていたことも大きな理由です。患者さんに寄り添い、地域医療の発展に貢献できる場を持てたことをうれしく思っています。開院して15年たち、お産の後、「また産みたい」と思っていただける場所になっていたらありがたいことです。
院内でのこだわりは何ですか?
院内リニューアルにあたり、施設全体の環境が患者さんやスタッフの健康に与える影響を最大限に考慮しました。内壁はオールしっくいと畳を採用、水は限外ろ過水、電磁波対策としてアース対応を行い、無線LAN設備は必要最小限にし診療時間はオフにしています。洗剤での洗浄清掃は無添加自然素材を採用し、空調はウイルス対策のHEPAフィルター、レベル10000というクリーン・ルーム級の空調を採用しています。院内にはシダ、サンセベリア等のエコプランツを要所に配置し、院内空気の浄化を図りました。しっくい壁は、有害物質の吸着や調湿作用、抗ウイルス作用も期待できますし、限外ろ過フィルターはミネラル除去にて新生児のミルクに適しています。また不妊への影響も心配されるマイクロプラスチックや放射能除去に役立ちます。個室は10帖の広さがあり、ご家族で快適に過ごしていただけるようにしています。
診療方針を教えてください。

現在の日本の医療では、西洋医学の標準治療が主流ですが、すべての患者さんの思いや考えが、その治療方針に適合するわけではありません。別の選択肢を希望した際に、「うちでは診れません」と言われることも少なくないように感じます。お産の現場でも、帝王切開でなく自然分娩で頑張りたいと思ったり、会陰切開をしないでほしいという声は、安全のために応えられない場合もあるんです。当院ではささやかな願いであっても一人ひとりの希望に合わせた医療を提供することを大切に考えています。診療全般において原因療法を重視しており、環境汚染、特に近年のワクチン被害や放射線・電磁波障害にも正面から向き合っていますので他院で改善しない症状の方がよくおいでになられます。
健康的な体づくりも妊婦にとって大切な準備
貴院の特徴を教えてください。

当院の最大の特徴は、妊婦さんの自然な出産をサポートするための取り組みです。経腟分娩をできるだけ実現するため、妊婦さん自身の体づくりを重視しています。その一環として、日頃の食生活にも注目しています。添加物の多い食品を取り続けると、体の柔軟性が失われたり、赤ちゃんの成長に悪影響を与える可能性があると考え、自然由来の食品を取り入れています。また、分娩室には洋室だけでなく和室も完備しています。和室は妊婦さんがリラックスできる空間であり、自由な姿勢で出産に臨むことができます。これは、私自身の家族が自宅出産を経験したことから生まれたアイデアです。フリースタイルの出産を提案することで、より自然な形での分娩を可能にしています。コロナの際はクラスター発生もなく、快適に過ごせる環境になりました。感染症予防、電磁波対策の観点から、妊婦さんや新生児の安全を守り快適に過ごす空間作りを心がけています。
「1人でのお産はさせない」とも、強調していらっしゃいますね。
出産は妊婦さんにとって大きな出来事であり、その瞬間を一人で迎えることは精神的な負担が大きいと考えています。当院では、ご家族の立ち会いを推奨しており、家族がそばにいることで妊婦さんの安心感が高まり、心身の安定につながると感じています。例えば、出産時にパニックになり血圧が上がったり、無理な力をかけて赤ちゃんに影響が出る状況を防ぐことにも役立ちます。出産は自然なプロセスであるべきであり、適切な環境を整えることで、妊婦さんも赤ちゃんもより安全に出産を迎えられると信じています。
他院で「治らない」と言われた患者さんも受診されると聞きました。

当院では、他院で治療が難しいと判断された患者さんにも選択肢を広げる治療を心がけています。例えば、海外で行われている自己治癒力を重視したアプローチや、漢方を取り入れた東洋医学的なアプローチなども提案しています。また、西洋医学の対症療法だけではなく、症状の原因を特定し、それに対してアプローチする治療法も取り入れています。患者さん一人ひとりの状態を深く理解し、多角的な視点から最善の治療法を探ることを心がけています。他院よりも診療の幅が広いため、他県から当院にお越しになる方も多いですね。
妊婦の体と心を整えるサポートを
妊婦さんの食事にもこだわられているのですね。

はい、当院には管理栄養士と調理師が在籍しており、調理師は、患者さんに応じたメニューを、無添加の食材を集めて作ってくれます。低カロリーですがおいしくてボリュームがあるので、入院中も食事を楽しむことができます。朝食のパンも無添加なので半日たつと食べられなくなってしまう貴重なものです。シェフの料理は評判で、食事を楽しみに当院を選ばれる方も多いんですよ。
院外活動についても教えてください。
体の緊張や骨格の負担、そのほかに環境要因などいろんな原因で妊婦さんの体がうまく動いていないことが多いんですね。体が硬いと産道が狭くなって陣痛も少なく、赤ちゃんが下がって来ないことがあります。破水しても陣痛がなくて、帝王切開になるケースもあります。そういった事態を防ぐために、体をやわらかくし、血行を良くしなければならないのです。そのためのアプローチとして、当院には産歩やマタニティー農園の活動があります。自分たちで無農薬で野菜を作っています。土に触れ、妊婦さんがジャガイモを掘ったりしていますよ。農園のほかには、近隣のお寺で座禅をする活動も行っています。調身、調息、調心といって妊婦さんに必要な呼吸やリラックスなど練習ができるのでいいと思いますね。
忙しい日々かと思いますが、休みの日はどのように過ごされていますか?

日常業務のほかに、勉強会や患者さんの対応が多く、まとまった休みを取ることは難しいですが、時間があればパワースポット巡りを楽しんでいます。特に神戸周辺は、自然の力を感じられる特別な場所が多く、歴史にも興味があるので、兵庫県内の歴史的な石碑や遺跡を訪れることも多いです。歴史探索を通じて、新しい発見やリフレッシュの時間を得ています。
最後に患者さんに向けて、メッセージをお願いします。
毎日ストレスを抱えている人がとても増えている社会ですが、そういう中で、悩んでいる方やつらい思いをしている方々に何かしら提案ができるように、当院では西洋医学から伝統的な医療まで幅広い医療を提供しています。患者さんの話を聞くだけでなく、そこから一緒に治療をめざしていきたいと考えています。他院で思うような治療法が見つからなくても、治療法はその一つだけと思い込まずに、相談に来ていただきたいですね。一緒に最善の可能性を探したいと思っています。